2017年9月10日日曜日

御厨セミナー・メモ

Wiki:御厨 貴

1:安倍政権の強み
自民党に時々「お灸を据える」行動をする”コウモリ的な有権者”は、前政権(=民主党政権)よりはマシ、という「民主党嫌悪感」を現在は持っている。これが安倍政権尾支持率の高さの基盤となっている。

前党首蓮舫氏の二重国籍問題と党内混乱、そして最近の党首選後の幹事長候補、山尾志桜里氏の不倫疑惑で、コウモリ的有権者層はやはり民主党は・・・」という民主党嫌悪感を確認する格好になった。

自民党内にも安倍政権の長期化を望む潜在的な意識が広がっている。
安倍首相の後に政権を担当すれば、「前政権よりもマシ」という強力な支持率を失う。前政権が民主党ではなく安倍政権になってしまうからだ。
このまま可能な限り長く安倍政権が続くことが自分たちの利益に沿っているという認識が自民党内に広がっている。

内政では憲法改正宣言の後に噴出した森友学園、加計学園スキャンダルも、「官僚のあわれな姿=高級官僚ってこんな低レベルの仕事しかできないのか」が暴露された格好になり、現在では安倍政権を揺るがす要因ではなくなった。

外交分野では成績優秀だ。G7でも重鎮の立場で各国首脳をリードするような状況になっている。中曽根首相以来の快挙だと言える。
外交と安全保障を一体化して、日本を支持してくれる国を頻繁に訪問することで各国の信頼を維持している姿勢も欧米からは高く評価されている。日本のメディアが安倍批判だけに拘泥して、安倍政権の良い面を意図的に無視して報道する姿勢は困ったものだ

2:今後の政治関連の動き
日銀総裁は変わるのが普通だ
戦後一万田総裁だけが、GHQと吉田茂の強力なサポートを受けて二期務めた。
黒田総裁が二期目をやればサポートする安倍政権が途中でなくなるので、色々な困難の中で二期目を担当することになる。それよりも惜しまれつつ一期で辞める方が好ましいと判断するだろう。
 
また日銀の人事としても、総裁が変われば副総裁以下の担当も変わるので一銀の人事も流動性を維持できるので、好ましい。

衆議院は任期満了前に解散する。
野党に追い込まれて解散するのは最悪であり、自民党主導で解散する時期が検討されている。派閥の領袖から年末年始に解散というコメントが出ているが、それは民主党がガタガタな時に解散をしたいという意思表明でもある。

公明党との
20年超の同盟関係は、離れられない関係に達した。
厚生労働大臣や国土交通省大臣を公明党に差し出すことは「弱者保護の公明党」という路線芋合致する。
これは今後も継続されるだろう。

年初の安倍首相の憲法改正発言に際しては、事前に公明党と深いレベルの意見交換が行われたはずだ。それは国家機密に類する情報まで公明党に開示したことを意味する。そういう機密情報を共有する関係になったことは、簡単には同盟関係が崩壊しないことをを意味する。

ポスト安倍は、小池&小泉進次郎が重要なファクター
民進党の前原、枝野両氏は
15年前の国民新党時代に小池氏の配下で働いていた。小池氏が国政に再度参画する時は、民進党など怖くない存在だという意識で臨むだろう。
安倍首相のポスト安倍に関する意向は、スキャンダルまみれの現状を乗り越えて、国民が政治を再発見できるような人材を次期首相に選びたいという線のようだ。
風を読む力が抜群で選挙に強い小池氏、もしくは保守本流の小泉進次郎氏、安倍首相の心中には、この二人があるだろう。

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