2022年7月17日日曜日

なべ底期の投資行動

5~10月は「なべ底期」だと何度もFBに書いてきた

では、なべ底期にはどういう投資行動をするのか?


単純化すれば、戦術的な小技は休止して、大局観に基づいた戦略的な行動に徹する

小技は1か月という短期でも実施できるだろうが、戦略的な行動は数か月に一回あるか無いか、という頻度だ

つまり、なべ底期には、今回は約6か月だが、投資行動がほとんどなくなる


例えば、2022年の日本に関しては、下図のような投資エリアのみに投資することを春山は決めている



だから、戦術的に他の領域でチャンスが見えても、意識的に無視、スルーする

また世界全体では、特にUS株においては、これもまた何度も経済している2番目の図に従って、その時が来たと判断した時にのみ、行動する

7月17日現在は「まだ準備」だと判断している



2022年7月16日土曜日

覇権国ではない日本の通貨、日本円

 1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない

4:覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう

5: 覇権国は貿易赤字構造になる

6: USドルが余っているのですが・・・
7 : 
通貨には序列がある

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日本は覇権国ではない。

覇権国であるアメリカに従属する国家だ。

その日本の通貨である日本円をどのように考えるか?


春山は、日本円の為替レートは、国民の経済的な豊かさの増進に貢献するような水準で変動することが好ましい、と考えている。


国内には、円高が好ましい企業や人々と、円安が好ましい企業や人々が混在している。

それを勘案はするが、次の10年の世界情勢を見据えながら、「国民を豊かに食べさせ続ける」という観点からの経済政策(=産業政策、雇用政策、為替レート)を実行するのが優れた政治家だと思う。


換言すれば「どうやって国民を食わせていくか、どうやれば国民が持続的に豊かになるか、そのためにはどういう産業構造に日本を変化させるのが好ましいか」という国家経営戦略の中の「one of the factors」として考える、為替レートが位置しているのだ。


もちろん産業も雇用も為替も日本単独でコントロールできるものではない。

有望な産業は、世界との競争の中での奪い合いになるだろう。

しかし、目標を設定し、工程表を作成し、進捗管理をしながら努力をするのか、漫然と受け身の国家経営を続けるのかは、大きな成果の差となるだろう。


2022年7月時点での春山の考え方は以下の通りだ


まず、答えから言うと・・・

1:130~150円ゾーンの為替レート

2:改善した輸出競争力を生かす

3:外国人が興味を持つ日本の観光資源のマネタイズをさらに進める
4:約3%の物価&所得アップで過去の借金負担を目減りさせる

・・・・という方向だと思う。


5%とは言わないが、アメリカのように長期的な所得上昇が実現すればと願っている



方法論や方向論的には・・・・

1:日本国民を豊かに食べさせるためには、国際的な購買力で優位に立つことが必要
それは所得水準が国際比較で相対的に増加することが必要だ

2:すべての産業を増進させる無駄&非効率を脱し、費用対効果と持てる能力(人の部分、国土の部分)を、将来の有望分野へと導くのが良い
優先順位、序列の策定は必須項目だ

好き嫌いではなく、次はあっちの風が吹く、だからあっちへ行く、という発想が重要だ。


3:広大な国土&天然資源と人口を持つ国(例:中国やアメリカ)が優勢性を持つ分野では正面から競争しない。勝てる確率が小さいからだ


4:人の面では、リーダーシップを重視する、個性を能力を重視する。

現実を冷徹に見極めて全員をフェアに扱うが、単純には等しく取り扱わない、という適材適所&信賞必罰を基本にする


日本、アメリカ、シンガポールの三か国が、1990年以降の世界では「勝ち組の為替」の三か国だ



アメリカは、広大な国土&天然資源と人口を持つ国なので、日本はアメリカにはなれない。
一方、シンガポールは日本に似ている要素が多い。
小国で人口密度が高いし、掘れば売れるような資源もなく、農産物輸出のための耕地もない、飲料水さえも、隣国マレーシアから購入している

そんなシンガポールは、常に「
何で稼ぐ国家にするのか、常に次の10~20年を考え続ける」ことで生き延びてきた国だ。

世界の中で自国の立ち位置を考えて、国家経営を考え、目標を決めて、手段を選択する
そのシンガポールの手法や歴史は参考になると思う。

2022年7月12日火曜日

通貨には序列がある

  1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない

4:覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう

5: 覇権国は貿易赤字構造になる

6: USドルが余っているのですが・・・
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世界には数多くの通貨があるが、そこには序列がある

最上位にあるのが、USドル

USドルは基軸通貨と呼ばれるが、覇権国の通貨である。

覇権国とは? その通貨の意味は? これらに関しては、このシリーズの過去ブログで説明した。


USドルの下に位置するのが、先進国の通貨だ。

G10の通貨と言い換えることもできるだろう。

Bloombergには、G10と並んで主要通貨というものもある

G10にあるデンマークが、香港に置き換えられたのが主要通貨だ


そのさらに下位に位置するのが、新興国を含むその他の国々の通貨


この序列は、その通貨の信用力で決められている。

通貨の信用力とは、その通貨を持ちたいと思う気持ち、持っていても大丈夫だという信頼感だ


信用力に差があるから、異なる国で同じような貿易赤字が発生した場合、それがどの程度為替レートの下落になるかは、序列の上の通貨は小さいが、序列が下の通貨は大きい、ということになる。

少々悪いことが起きても信用力があれば、その通貨から逃げ出す行動は起きない。しかし、信用力が無ければ小さなネガティブ・ファクターでも、その通貨から脱出しようと言う売りが殺到する。


だから、貿易赤字というファクターで日本円とUSドルが受ける為替下落圧力は、日本円が圧倒的に大きなプレッシャーを受けることになる。
このような為替の分析判断をする際には、信用力の序列を考慮することが重要である


続く

USドルが余っているのですが・・・・・

  1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない

4:覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう

5: 覇権国は貿易赤字構造になる


アメリカの援助(=配下の国の商品を輸入する)によって経済が発展して輸出国(=貿易黒字国)になった配下の国々は、輸入決済のために保持するUSドルの必要量が過去よりは少なくて済むようになります。

貿易黒字基調であれば、手持ちのUSドルが恒常的に増加するからです。


貿易黒字が続き、手持ちのUSドルが増えると、いわゆる外貨準備に余裕のある国になります。

一方パクス・アメリカーナの覇権国アメリカは、1970年代後半からは恒常的に貿易赤字が続いているので、配下の国から輸入する商品の購入代金として、USドルを渡し続けます。


こうなったときに一つの問題が生じます。

こんなに沢山のUSドルを持っていても仕方がないから、何か別のモノに変えようと思う配下の国が出現するのです。


1971年8月15日のニクソンショック以前であれば、外国政府はアメリカに対して「手持ちのUSドル35ドルで、1オンスの金に交換」するように要求できました。

金を信奉するフランスは何度も何度もアメリカに対して、「手持ちのUSドルを金に交換しろ!」と要求しましたが、アメリはのらりくらりと交換を拒否し続けました。


その後のニクソンショックでアメリはUSドルを金と交換しないと発表しました。そして世界の通貨は固定為替相場制から変動相場制に変わりました。

大量にUSドルを抱えこんだ外国政府はUSドルを他の通貨に交換する(=ドル売り)動きを始めました。その結果、USドルの為替レートはジリジリと下落を始めて今日に至っています。


USドルは世界貿易で不要になったのでしょうか?

アメリカの貿易赤字によって世界に供給されるUSドルによって、世界経済が成長を続けるという仕組みが変わったのでしょうか?


ユーロや日本円、中国の人民元で貿易決済をする場合もありますが、現在でも世界貿易の圧倒的多数はUSドルで決済をしています。

また新興国などは、経済発展のために必要な資金がありません。国債を発行したくても、国内には国債を買ってくれるような資金提供者もほとんどいません。必要な資金を出してくれるのは先進国(=外国人投資家)ですが、新興国の通貨には信用力がないので、新興国はUSドルで資金調達するしか資金を得る手段がありません。

中国の企業の多くもUSドルで債券を発行して資金調達しています。


世界貿易の決済手段は、金からUSドル変わりましたが、次の有力な候補者は見えていません。

しばらくは、USドルを使って貿易決済する、USドルで資金調達して経済発展を目指す、という状態が続くでしょう


続く

2022年7月11日月曜日

覇権国は貿易赤字構造になる

  1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない

4:覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう


パクス・ブリタニカ時代の英国、パクス・アメリカーナのアメリカ、双方に共通することは「覇権を維持することは、経済的な負担(=貿易赤字)を甘受すること」という苦しい実態だ


パクス・ブリタニカ時代の英国は貿易赤字に悩まされ続けた。特に対中貿易(=当時は清国)で英国は清に売却する(=清が購入したい)商品が無く巨額の貿易赤字が問題になっていた。そこでインドで生産したアヘンを清に売却して貿易赤字を解消しようとしたことは有名な話だ


パクス・アメリカーナのアメリカも、覇権国家になって約20年後の1970年代後半からは恒常的に貿易赤字が続いているが、その背景はアメリカの配下の国の商品をアメリカ市場に受け入れて(=アメリカが輸入)いるからだ。


覇権国家は覇権を押し付けることができない。覇権される側がそれを容認するメリット(=その多くは経済的なメリット)を感じなければ覇権を長期間行使できないというのが歴史の教えだ。

つまり覇権とは一定程度は持ちつ持たれつであり、しかも覇権国の持ち出し(特に経済的な持ち出し)が多いと言うのが過去の歴史の教えだ。


原油を買うにも、ゴールドを買うにも、鉄鉱石、小麦、を買うにも、価格はドル建てが基本であり、USドルを持っていなければ輸入ができないし、輸出側はUSドルを受け取ることになる。


特に、アメリカの貿易赤字は第二次世界大戦後の世界経済の基本的な枠組みを構成する基本ファクターでありつづけている。換言すれば、パクス・アメリカーナは貿易赤字によって世界に供給される(=垂れ流される)USドルによって、世界経済が成長を続けるという仕組みになっているのだ。


第二次世界大戦後の世界経済は欧州とアジアの生産設備は戦争で破壊され、アメリカの生産能力だけが維持された世界として出発した。

欧州とアジアは戦後復興(特にインフラ復興)のために大量の資材を必要としたが、それらはアメリカから輸入するしかなかった

しかも、輸入代金を支払いたくても手持ちのUSドルは無かった


当初は、アメリカは欧州やアジアに対して資材を無償で提供したり、USドルを貸し付けたりしていたが、それでは欧州とアジアの経済が持続的に成長することは困難だった。

結局、アメリカが欧州やアジアの製品を大量に購入して、その代金として(=貿易赤字として)USドルを世界に供給することで、欧州とアジアの国々が必要な物資(多くは生産に必要な資材)をアメリカから購入することができるようになり、持続的な経済復興が可能になったのだ。

それが、「世界経済の持続的な成長にアメリカンの貿易赤字によって世界にバラまかれるUSドルが必要だ」という意味だ

なお、中国の次の覇権国になれるのか、に関しては・・・覇権国家は覇権を押し付けることができない。覇権される側がそれを容認するメリット(=その多くは経済的なメリット)を感じなければ覇権を長期間行使できないというのが歴史の教えだ。・・・という条件を満たせるか、がポイントだろう

続く

2022年7月10日日曜日

覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう

 1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない


アメリカが覇権国の地位を得る前は英国が覇権国だった

1815~1913年の100年間が「パクス・ブリタニカ」と呼ばれる英国覇権の時代だった。

ちなみにビクトリア女王の在位期間は、1837~1901年だ。


しかし、第一次世界大戦(1914~1918年)と第二次世界大戦(1939~1945年)で英国は疲弊し、覇権を支えた植民地も独立し、第二次世界大戦以降は「とどまるところを知らない没落国」へと衰退した。それが終わるにはサッチャーの登場を待つことになる。


第二次世界大戦終了の1945年~がパクス・アメリカーナの時代だと認識できる

アメリカは、1500年ごろからアメリカ独立戦争(1775~1783年)を経て南北戦争(1861~1865)年ごろまでは新興国の時代だった。

その後は急速な工業化により、1920年代は「Golden 20s、狂騒の20年代、または狂乱の20年代」と呼ばれる繁栄の時代となった。大量生産・大量消費の生活様式が確立し、自家用車やラジオ、洗濯機、冷蔵庫等の家電製品が普及した。


その経済発展のけん引役は第一次世界大戦の特需だった。アメリカ経済は空前の大繁栄をとげ、戦前の債務国から世界最大の債権国に変身した。世界経済の中心はロンドンからニューヨークのウォール街に移った。

この両大戦をはさんだ30年間で、経済規模、技術、金融取引の主役が完全にアメリカに移ったのだ。

新興国時代が約400年、近代的な工業化を経て覇権国になって以降が約80年という変遷だ。


英国は植民地を合計した形で「日の没することのない大英帝国」を築いた。

植民地拡大時代である第二次百年戦争(1689~1815年)には、アメリカ独立戦争(1775~1783年)やフランス革命&ナポレオン時代を経験している。その後にようやく、1815~1913年のパクス・ブリタニカの100年間が到来している。


アメリカには英国のような植民地は無い。しかし、1776年の独立直後からインディアンに戦争をしかけて彼らの領地を奪い続け、その後はテキサスをメキシコから独立(1836年)させた後にアメリカに併合(1845年)し、その直後からメキシコとの戦争(1846~1848年)でカリフォルニアを奪い取っている。

この100年間の領土拡張の侵略戦争で、アメリカは農業地と鉱物資源に恵まれた国家になったのだが、これは大英帝国時代の英国の領土と同様な経済価値を、一つの国家として保有したことになる。


パックス・ロマーナと呼ばれたローマ帝国は、英国型の覇権国家と言えるが、アメリカの覇権形態は地政学的には、ローマ&英国とは異なる。

仮にもし次の覇権国が中国だとしたら、中国の地政学的な覇権形態はアメリカ型だろう。


参考:アメリカの戦争

次回は為替の話に戻ります

2022年7月8日金曜日

日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない

前々回:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

前回: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません


貿易サービス収支の赤字、財政収支の赤字、為替レートの劣化に関して、日本とアメリカは同じ土俵では比較&議論ができない。

それは、アメリカは覇権国家であり、日本は従属国家である、という国家の経済運営の条件(=使える道具)が異なるからだ。


覇権国家の特徴は、軍事とか経済で他国を圧倒するパワーを持っており、それを使って他国を指導・恫喝できることだ。

経済面の圧倒的パワーの源泉は、

1:経済規模が圧倒的に大きいこと

2:多数&他分野にわたる先進技術を保持していること

3:国際貿易決済に関する手段やルールに関してデファクトを保持していること

などだが、現代経済社会の置いては、3:国際貿易決済に関するデファクト手段の保持が格段に重要だ


クレジットカードの決済、国をまたいだ銀行間の資金移動の仕組み&ルール、株式や債券の売買ルールなどを考えれば、その多くがアメリカに右に倣えが多いことを認識するだろう。そして、これらの仕組み&ルールはアメリカを害さないように決められており、他国はアメリカ以上の手間暇がかかることが多い。


さらには、国際間の貿易決済に使われるモノは、「USドル」だ。売り手はUSドルを受け取るように事実上強制される。

買い手は、輸入品の代金支払いに際して、自国通貨で支払う事が出来ず、手持ちのUSドルを使わざるを得ない。

手持ちがない場合は、自国通貨をUSドルに交換してUSドルを入手するか、他人からUSドルを貸してもらって、輸入品の支払いをすることになる。


USドルはアメリカ政府が発行しているが、アメリカ政府は極端に言えば「印刷するだけで(=対価を支払わずに)USドルを作り出せる」という特別な地位にある。

アメリカ以外の国は、お金を払ってUSドルを入手しなければならない。

この「覇権国は貿易決済に使うお金を印刷できるが、他国は対価を払って入手しなければならない」という点にこそ、覇権国家の優位性がある。


なお、覇権国の金融パワーに関しては、次の覇権国を狙っている中国ですら苦渋をなめている状況だ。
ルール違反をして米国市場の上場を廃止されようとしているが、何としてでも、嘘をついてでも米国市場にしがみつこうとしている

下記は、2022月7月9日のBloomberg記事


それほどアメリカの金融市場から追い出される不利益を認識している中国なのだ


続く

2022年7月7日木曜日

為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

前回(「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・)の続きです。


為替が下落する、それを悪いことだと決めつけるのは間違いです。

国家が全体として購買力を維持拡大し、経済が発展し国民の所得が増加を継続しているなら、国民にとっては良い為替下落です


為替レートは国家の経済力(=目的)を構成する多くのファクター(=手段)の一個にすぎません。目的の方が重要です。

アメリカですが、所得は順調に増加してきたので、国民の購買力は維持&増加してきました。最近の物価高で多少は減ってはいますが・・・


アメリカの平均時給は、4150円です。

毎日8時間、月に20日働けば、664,000円の月収です。
1990年代は、日本の方が圧倒的に高給取りだったのに、今や完全に後塵を拝しています


この間のドル円の推移は下図の通りです



1980年代後半、「Japan as No.1」と外国人から持ち上げられて良い気分になって、国民の購買力維持増強という国家目標を軽視した結果、円は大揺れの上下動
そして株と不動産バブルの処理を10年以上も先送りして・・・その結果が、日米の国民の購買力の逆転と格差の拡大、となりました


しかし、アメリカが素晴らしかったかというと単純ではありません。その辺は次回に・・・







2022年7月6日水曜日

「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

 2022年の日本は、貿易収支&サービス収支は赤字、財政収支も赤字です

20世紀の時代に投資を学んだ春山は、「上記のような国はダメ国家で、その国の通貨価値は下落する」と習いました。

また上記のような状態で強い為替を維持して繁栄が続いた国家の事例を、1900年以降では知りません。それ以前の事は調べていません。

何故、ダメ国家なのか? 少し単純化して解説します。 貿易&サービス収支は国内で生産したモノ&サービス(自動車、機械、おもちゃ、洋服、ソフト・ウェア、映画&漫画)などを海外に輸出して利益を出します。

外国人観光客も、日本国内のホテルや鉄道・バスというサービスを購入したり、お土産(=モノ)を購入してくれますの、貿易黒字とサービス黒字に貢献してくれます。

国内のモノ&サービス製造基盤(工場、ホテル、観光地)が競争力をもっているから、輸出(=外国人が購入する)できるのです。

国内のモノ&サービス製造基盤は、国内労働者を雇用します。つまり貿易サービス黒字は国内の雇用を創出しているのです。


一方、第一次所得収支と第二次所得収支は、国内で雇用を生みません。 海外工場が大繁盛で儲かっても、日本国内の雇用は増えません。
さらには、証券投資で生活する春山が米国債券や米国株で大儲けしても、雇用を生みません。
貿易サービス収支が赤字だと、国内の雇用は弱体化します。そして、そんな状況で海外工場だけで経営する企業が主流になったり、春山のような生活をする日本人が多くなってしまうと・・・・・日本は雇用を生めない=人口を支えられない国家になるのです。 そんな国家が長期的な繁栄をするとは思えないのが春山です