2020年6月30日火曜日

強者はいつでも約束を破棄する権利を持つ

国と国との約束は「自動的に紳士的にモラル的に」守られる性格を持たない。
約束を反故にしたらひどい目にあうぞ、という圧力が無ければ守られない。

また、国家間の約束の多くは対等ではない。
強者はいつでも約束を破棄する事実上の権利を持っている。トランプ大統領の行動を見ていれば明白だろう。地球温暖化条約、TPP条約、イランとの核合意、枚挙にいとまがない。

そいう視点で香港返還に関する中英合意を考えるのが妥当だと思う。


2020年6月9日火曜日

2020年の前半を振り返る

6月8日に23000円を超えた。
あと二日ほどで+2%チョイ(約500円)の上昇があれば、2020年のコロナ・ショックによる損失が消える。2020年の株式投資が再スタートできるレベルにきたのだ。

「さあ、今度はたんまり儲けて、その後に来る売り時の判定は間違わないぞ」と意気込む投資家が多いと思うので、2020年の1-6月を振り返っておきたい。


年明け1月には中国で何か伝染病が発生しているようだが、情報不足のなかUS株の堅調さもあり日欧の株式は無反応だった。
過去のSARSやMERSで世界経済が悪影響を受けた感じでもなかったし、聴こえてくる新型感染症に関しても、当初は人から人へは感染しないとか、ウィルスの殺傷力は弱そうだとか、を投資家は信じていた

しかし、2月19日にUS株がピークを打って下がり始めると、投資家の楽観は徐々に消えていった


①23000円を割れて20000円までの下落は、情報不足の中の根拠なき楽観が、日々更新される新情報(特に、2月3日に横浜港に入港したクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号)によって投資家の注意喚起が呼び起こされ、一部の投資家の売却を発生させたフェイズだった

②その後、日本での感染者の増加、メディアのバラエティ番組による懸念増幅的な報道、欧州イタリアでの感染者と死者の急増、米国での感染者の急増などに投資家は急激に悲観的な反応を示しパニックに陥ったのが、このフェイズだ。

このころには、過去のSARSやMERSの際の市場情報も伝わり、投資家は長期の調整を覚悟した。感染者数や死者数がSARSやMERSをはるかに上回る規模になってきたからだ



③しかし、政府の緊急事態宣言を契機に投資家のパニックは終わった。現状をコントロールする政府の意思が明確に示されたからだ。
SARSやMERSを上回る生命や経済に対する実害が発生しているという現実を見るに、投資家の不安は残りつつも、政府が矢継ぎ早に出してくる大規模経済対策で徐々に平静に戻って投資に復帰する投資家が増え始めたのがこのフェイズだった

④緊急事態宣言が解除されると同時に、安心感が広がった。世界中で経済活動の制限が緩和&解除されるトレンドになった。
投資家は過去の悪を過ぎ去った事だと評価の対象から外して、株式を買い増しする行動に転じた。

そして、6月8日に2300円に復帰し、その翌日に日経新聞には下のような記事が出た。


株式投資は義務ではありません。買いを煽るような見出しの記事ですが、自分で判断しましょう。
なお、4月に書いた「安心 vs 安全」をご一読いただければ幸いです

では、皆様の幸運を祈ります。私は、まだまだ寝て過ごします。



2020年6月7日日曜日

コロナ・ショックとドル円の推移(2月~6月)

2月以降のドルの動きを振り返っておこう

①コロナの無いUSは安全
USはコロナとは無関係だ、日本、中国、欧州はダメだ、ドルが安全だ
絶好調のUS株もあり、ドルがグイっと上昇した

②世界中がパンデミックでコロナ・ショック
世界的なパンデミックでパニック的にリスク・オフに陥った
112円から101円まで一気にドル安となった、リスク・オフの第一ステージ



③ドルに逃げ込む
新興国はダメだ、資金を引き上げよう。その資金は安全なドル・キャッシュにしておこう
資金を抜かれた側は、資金ショートで倒産するのを防止するために、必死でドルをかき集め
後者のパニック的なドル買いがドルを押し上げた、リスク・オフの第二ステージ

④無制限ドル供給でドル資金が市場に溢れ、パニック的なドル買いが終わ
ドル急騰の反動でジンワリとドル安

⑤「Worst is over」が徐々に広がる
新興国へに資金回帰はまだ先の話
リスク・オンの動きの広がりに歩調を合わせて、ドルのじり高

⑥ どういう動きになるのか?
観察しながら判断したい