2020年9月15日火曜日

目次 & このブログに関して

投資を実行する前に必要な事が色々ある
知っておくこと、身に着けておくこと、態度知識スキル

社会経済ニュースや企業情報は、インプット・データだが、
そのデータを上手に解釈する、投資に役立つように解釈する、、それがもっと重要だ

<< シリーズ記事の目次 >>

2016年4月~:春山ルール
2020年4月~:推薦図書
2019年4月:日経平均株価を決めているもの
2017年12月:2018年は、2017年を確認する続編の年
2017年12月:AliPay&WeChatPayが中国を最先端の信用本位制資本主義国家に導いた
2017年10月~:For Starters & Beginners 
2017年10月~:Begnnerを卒業した人へ

2017年8月~:農業を考える
2017年4月~:2017年4月の現金化と復活
20174月~:ブランドの再編
2017年2月~:朝鮮半島問題
2017年6月~:Apple Microsoft Amazon Google Facebook再考
2017年7月~:次の30年に備えて、まずは5年先まで考えてみる
2016年8月:社会が育てる子供
2016年8月:中国の民主化
2016年5月:インフレと低金利
2015年9月:AI & Deep Learning
2015年6月:地政学リスク
2016年11月~:2017年を考える
2016年2月:2016年1-2月の相場下落
2015年12月:2016年を考える
2015年7月:名古屋証券取引所IRフェスタ2015セミナー
2015年8月:上海株式市場の暴騰&暴落

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昔のブログ → 豊健活人生
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2020年6月30日火曜日

強者はいつでも約束を破棄する権利を持つ

国と国との約束は「自動的に紳士的にモラル的に」守られる性格を持たない。
約束を反故にしたらひどい目にあうぞ、という圧力が無ければ守られない。

また、国家間の約束の多くは対等ではない。
強者はいつでも約束を破棄する事実上の権利を持っている。トランプ大統領の行動を見ていれば明白だろう。地球温暖化条約、TPP条約、イランとの核合意、枚挙にいとまがない。

そいう視点で香港返還に関する中英合意を考えるのが妥当だと思う。


2020年6月9日火曜日

2020年の前半を振り返る

6月8日に23000円を超えた。
あと二日ほどで+2%チョイ(約500円)の上昇があれば、2020年のコロナ・ショックによる損失が消える。2020年の株式投資が再スタートできるレベルにきたのだ。

「さあ、今度はたんまり儲けて、その後に来る売り時の判定は間違わないぞ」と意気込む投資家が多いと思うので、2020年の1-6月を振り返っておきたい。


年明け1月には中国で何か伝染病が発生しているようだが、情報不足のなかUS株の堅調さもあり日欧の株式は無反応だった。
過去のSARSやMERSで世界経済が悪影響を受けた感じでもなかったし、聴こえてくる新型感染症に関しても、当初は人から人へは感染しないとか、ウィルスの殺傷力は弱そうだとか、を投資家は信じていた

しかし、2月19日にUS株がピークを打って下がり始めると、投資家の楽観は徐々に消えていった


①23000円を割れて20000円までの下落は、情報不足の中の根拠なき楽観が、日々更新される新情報(特に、2月3日に横浜港に入港したクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号)によって投資家の注意喚起が呼び起こされ、一部の投資家の売却を発生させたフェイズだった

②その後、日本での感染者の増加、メディアのバラエティ番組による懸念増幅的な報道、欧州イタリアでの感染者と死者の急増、米国での感染者の急増などに投資家は急激に悲観的な反応を示しパニックに陥ったのが、このフェイズだ。

このころには、過去のSARSやMERSの際の市場情報も伝わり、投資家は長期の調整を覚悟した。感染者数や死者数がSARSやMERSをはるかに上回る規模になってきたからだ



③しかし、政府の緊急事態宣言を契機に投資家のパニックは終わった。現状をコントロールする政府の意思が明確に示されたからだ。
SARSやMERSを上回る生命や経済に対する実害が発生しているという現実を見るに、投資家の不安は残りつつも、政府が矢継ぎ早に出してくる大規模経済対策で徐々に平静に戻って投資に復帰する投資家が増え始めたのがこのフェイズだった

④緊急事態宣言が解除されると同時に、安心感が広がった。世界中で経済活動の制限が緩和&解除されるトレンドになった。
投資家は過去の悪を過ぎ去った事だと評価の対象から外して、株式を買い増しする行動に転じた。

そして、6月8日に2300円に復帰し、その翌日に日経新聞には下のような記事が出た。


株式投資は義務ではありません。買いを煽るような見出しの記事ですが、自分で判断しましょう。
なお、4月に書いた「安心 vs 安全」をご一読いただければ幸いです

では、皆様の幸運を祈ります。私は、まだまだ寝て過ごします。



2020年6月7日日曜日

コロナ・ショックとドル円の推移(2月~6月)

2月以降のドルの動きを振り返っておこう

①コロナの無いUSは安全
USはコロナとは無関係だ、日本、中国、欧州はダメだ、ドルが安全だ
絶好調のUS株もあり、ドルがグイっと上昇した

②世界中がパンデミックでコロナ・ショック
世界的なパンデミックでパニック的にリスク・オフに陥った
112円から101円まで一気にドル安となった、リスク・オフの第一ステージ



③ドルに逃げ込む
新興国はダメだ、資金を引き上げよう。その資金は安全なドル・キャッシュにしておこう
資金を抜かれた側は、資金ショートで倒産するのを防止するために、必死でドルをかき集め
後者のパニック的なドル買いがドルを押し上げた、リスク・オフの第二ステージ

④無制限ドル供給でドル資金が市場に溢れ、パニック的なドル買いが終わ
ドル急騰の反動でジンワリとドル安

⑤「Worst is over」が徐々に広がる
新興国へに資金回帰はまだ先の話
リスク・オンの動きの広がりに歩調を合わせて、ドルのじり高

⑥ どういう動きになるのか?
観察しながら判断したい

2020年5月23日土曜日

全人代が終わると、米中の攻防の立ち位置が変化する

全人代と大統領選挙は大きなセレモニー
それが終わるまでは経済を悪化させるような米中戦争の激化は双方ともやれない
せいぜい口論を戦わせるにとどまらざるを得ない

3月のボトムからの米国株の戻りの良さも、「トランプは米中戦争に関しては空砲しか打てない、貿易戦争を仕掛ければ、米国経済にもダメージが出る、大統領選挙にとって経済ダメージは避けたいのがトランプだ」と投資家は見透かしていることが背景にある。

その事情は中国の習近平も同じで、5月の全人代が終わるまでは口論であっても先制攻撃は避けることになる。

しかし、全人代が終わると、米中の攻防が変化する。来年の全人代までは、政権を揺さぶるような選挙などのようなセレモニーは習近平にはない。

6月から10月までは、
1:トランプは、景気悪化を懸念する有権者経済を気にして、肉を切らせて骨を断つような貿易戦争を仕掛けることはハードルが高い状態が続く
2:習近平は、重大セレモニーが終わり、しかも2020年の経済成長の数値目標も放棄した状態(=政策のフリーハンドを得た)なので、米中貿易を犠牲にしても国際政治的な中国の名誉を正面に打ち出した国際政策を実行できる
という、中国有利な期間になる。

投資家は、「米中は口論以上のことはしない」というコンセンサスで投資をしているのが5月だ。もし、米中貿易戦争が本当に激化すれば、投資家はうろたえるだろう

2020年5月9日土曜日

車と家の買い替えはやめても、スマホは辞めない

人間の経済活動だが、生活の基本部分(=生活必需品部分)だけで構成される経済規模は小さい
軽自動車で必要十分であるにも関わらず、より大型でより高価な車(不要不急の車)を買うのが人間行動の常態だ、という図式を考えてみればわかりやすい。

とは言え、何かのショックが加わり異常事態になると、急速に不要不急が縮小する。
その結果、不要不急部分の需要に依存する企業は苦しくなり雇用を維持できなくなり、人減らし解雇で生き延びようとするが、それでもダメなら倒産してしまう

さて、5月9日金曜日に発表された米国の月間雇用統計の失業率は”14.7%”に大幅悪化した
戦後最悪の数字だ



経済を見る際には失業率よりも「雇用者の増減」のほうが重要
ただ、失業率は政治的には重要性が高い。メディアが雇用者の増減よりも分かりやすくてインパクトのある失業率を正面に出して報道するからだ。

その非農業者雇用増減の数値だが、4月の状況は戦後最悪、しかも過去の最悪を10倍上回る最悪状態だ。もっとも1945年よりも現在では労働者の総数が増えているから単純比較はできないが・・・・



米国の人口だが、2019年7月時点で3億2000万であり、1945年ごろの約2.2倍になっている・それを考慮すれば、今回の非農業者雇用増減の悪さは1945年の5倍のネガティブ・インパクトだと考えられる

<< 米国の人口推移 >>


5月8日の統計で驚いたのは、平均時給の急増だ。
通常ならば、平均賃金はじりじりと増加する。これまでもそうだった。
今回の平均賃金の急増は、高賃金者が増加したのではなく、低賃金労働者が大量解雇されたためだ。2020年のコロナ・ウィルス騒動による被害者は低所得者層に極端に偏っているのだ。

民主主義政治的には高所得者も低所得者も一人一票だ。2020年の米国は大統領選挙の年だ。大統領候補はコロナの被害者を味方につけるような選挙運動をすることになる



所得が下がった時の消費者の行動は、
1:自動車や住宅の買い替えという不要不急&多額の消費は先送りする
2:スマホでTwitterは辞めない
3:給与の低下に比例した生活水準の切り下けは実施せず、貯蓄を取り崩して対応するか、借り入れで対応する。それでもダメなら、一気に縮小に踏み切る(住宅ローンの支払いを止める、等)
という順番になる

足元のデータによれば、週間の消費統計はリーマン危機時を上回るペースで縮小している


消費者のマインド(ミシガン大学調査)は、リーマン危機ほどには下がっていない
観察できることは、「コロナに驚いて消費は縮小したけど、この苦境は短期で元に戻る」と希望している消費者がリーマン危機時よりは多いということだ
リーマン危機の時は、2007年後半からジワジワと悪化して2008年9月を迎えたという約2年の悪化プロセスだったが、2020年のコロナ・ショックは2020年2月に一気に来たという瞬間悪化に等しいので「現実の悪さを心底からは納得できない」のだろうし、「この状態が1年以上も続くとは考えたくない」、という素直な感情が多数説なのだろう



「現実の悪さを心底からは納得できない」という感情は、自分のせいではなく他の悪者のせいで、自分は被害者だという感情に直結する。
政治家も「我々はコロナ対策を頑張った。この苦境の原因は自国にはない」という手法で、有権者の目を外国に誘導しようとする。中国悪玉論が欧米の有権者に広がるのは仕方が無いところだ

GDPは投資という点では遅行指標だが、1-3月よりも4-6月が悪化するだろう



弱者は経済の不要不急部分に依存する度合いが高いという事は、企業にも妥当する
株式投資に関しては、V字型回復という期待を横に置いて考えれば、大中企業の重要な支出、戦略的な支出に対応した製品やサービスを提供する企業は被害が少ないだろう。
TV会議の進展と定着により、出張の減少は長く残るだろう。
総じて、ITシステムに対する企業の支出は勝ち組みだろう

なお、失業に関して週間ベースで変化をとらえるために、春山的に計算しているのが下図だ。
最新の失業保険受給者に直近2週間分の新規失業者を加えた人数を「推定失業者=所得を失って困っている人数」と考えて計算している
5月7日に発表されたデータで計算すると、2966万人が所得を失って困っていることになる


労働者の総数は1憶6000万人に仮置きで計算した推定失業率が下図青線
毎月正式に発表される失業率は赤線
失業率の絶対レベルはさておき、所得を失って困っている人の割合という点では青線の方が妥当しているかもしれない



なお、投資家は未来を見て投資する、楽観的に考える、政府の行動を前向きに解釈する、というのが基本姿勢だ。
つまり既に発生した過去の悪いデータで悲観的になって株を売却することは稀だ。
投資家の株売却は、先が見通せず、政治家もほとんど動かず、不安心理が高まって行く、そういうフェイズで発生する
この点は注意して投資判断する、という原則は忘れないようにしたい