2020年4月30日木曜日

安心 vs 安全

不安に対して、説得で打ち消すことはできない感情の世界の問題だ
心の領域は「ゼロか百か」の性格を持っている
安心・不安は感情、それに対して理性で影響を与えようとしても徒労に終わることが多い




一方、安全・危険は相対的な判断だから、理論的に考えたり、複数の選択肢からベターなものを選択する判断力が物を言う世界だ
相対判断の世界には、絶対安全というものはない

これらは相場の世界でも常時せめぎあっている



安心して買える相場は危険なのだ
よくわからない、不安だから、そこで買ったっポジションは儲かるのだ

2020年4月17日金曜日

ITバブル2.0への道_1

NASDAQ指数やITセクターの独歩高が懸念されている
2000年に崩壊したように、既にITバブルになっており、「もうすぐITセクターの暴落がくるのでは?」という懸念も生まれつつある。

温故知新、、、調べてみよう

下図左は、冷戦後の相場がスタートした1982年8月からITバブル崩壊までの3個の指数の推移だ。NASDAQ指数の突出が始まった時期は、Windows95とInternetの出現の時期と重なっており、2個の要因がITバブル相場を出現させたと推定できる。

下図右は現在相場が始まった2009年3月から現在までの3指数の推移だ
やはりNASDAQ指数が突出しているように見える



2番目の図は、縦軸を対数目盛にしたものだ
左右のグラフを比較すると、今回相場は最初からNASDAQ指数の優勢が続いていることが分かる
一方、前回相場におけるNASDAQ指数の突出は「1998年10月以降に顕著になった」ことが分かる



3番目の図は、SP500指数に対する相対パフォーマンスを比較したものだ
前回相場では、NASDAQ指数はSP500の2.3倍まで上昇した
今回相場では、現状は1.6倍である



ただし、前回相場で1.6倍を超えるのは1999年12月
そして、NASDAQのピークは2000年3月だった
その間は4か月
つまり、バブルの最終局面は4か月だったのだ

2020年4月10日金曜日

春山ルール 52:暴落後の株のポジショニング

飛び乗ったら飛び降りろ(春山ルール18)、の補足的な事ですが・・・
暴落後の株のポジショニングは一般論とは別になります。
5-6年に一回あるか無いかの局面での売買行動です
そのエッセンスは、
1:理性よりも感情が支配する市場への対応と考える
2:新着のニュースに過敏&過剰に反応する性格を考慮する
3:持続性のあるトレンドは生じず、コロコロと局面が変化するので、固執しない
4:株価の上下動はチャートの節目で変化する
つまり理性的な計算に基づくPERの有効性が低いのが暴落後の不安定期間です

安定的な上昇トレンドが生まれるまでは、大なり小なり、こういう状況が続きます

2020年4月9日木曜日

目次 : 推薦図書

1:石井独眼流実戦録、かぶと町攻防四十年

2:日本証券史(3)

3:サブプライム問題とは何か

4:政治の起源(上下)

5:ゴールド

6:検証バブル―犯意なき過ち

7:円とドル

推薦図書:円とドル

ドルと円が取引を始めた幕末から昭和のバブルの始まりまでの正確な記録



推薦図書:検証バブル―犯意なき過ち

推薦した2冊の本( 石井独眼流実戦録 & 日本証券史(3) )に書かれている時代の後の日本に何が起こったかの詳細な記録

金融バブル崩壊後の処理のプロセスを学ぶには良い記録だ。

一番のエッセンスは、下記部分だと、今回感じた。
信頼こそが、金融の一番の財産だ。
それを失うことは、現に慎むべきである。



過去の事件に関して、詳細なデータと証言を用いて、良質なまとめた本をつくるのは日経新聞の得意分野だと思う。



推薦図書:ゴールド

本のタイトルは"金、Gold"である。
何故、人類はGoldに魅せられ、その虜になり、その呪縛に苦しんだか、、その歴史である。数量に限りがある物質・金属を通貨にしようした場合、それが経済発展を制限する要素として作用する様子が教訓として描かれている。

別の観点から見れば、人類の経済の発展が、
(1)物々交換経済
(2)前期貨幣経済(金属貨幣)、
(3)後期貨幣経済(金本位制)、
(4)現在(金本位制崩壊後)、
という変遷をどのようにたどってきたかが、金融・運用の専門家の立場から見事に描かれている。
特に第17章以降の記述は素晴らしい!

物々交換経済の時代は、相手の提供する商品の価値をどの程度信用するかが重要であった。

金属貨幣の貨幣経済の時代は、商売、貿易(=交換)に使用する媒体としての金属貨幣の価値をどの程度信用するかが重要になった。しかし、問題は取引規模が増えても、それに比例して金属貨幣(金貨)を増やすことが出来ないため、経済発展のスピードが金貨の鋳造速度で頭を押さえられることであった。



その後、ゴールド・ラッシュなどの金の生産の飛躍的な拡大と、経済の爆発的な拡大が起こった時、『いざとなれば金と交換しますよ』よいう約束のもと信用貨幣、信用紙幣を利用することに踏み込んだ。そして、たまたま金本位制という制度として安定的経済発展状態が出現した。しかし、金本位制は好調な経済の結果であり、金本位制が安定的な経済の基礎では無いことが露呈する。これで徐々に金本位制は崩壊するが、『金本位制が安定的な経済の基礎』であるという妄想が1920年代から1930年代の経済の大混乱と第二次世界大戦を引き起こすことになる。

しかし、金本位制崩壊以降に関しては不満が残るところである。
その点に関しては、この本は『新しい金融論』とセットで読むと価値が高いと思われる。
何故なら、『新しい金融論』が、(4)の時代を信用経済の時代として描いてくれているからである。

推薦図書:政治の起源(上下)

株式市場は、各国の政治・経済・文化の上で価格形成されている。
その政治部分の超長期の流れを知るための良書





推薦図書:サブプライム問題とは何か

2007年10月に書いた春山の処女作   
ITバブル崩壊後に世界で何が起こったのか?
良かれと思って生まれたサブプライム住宅ローンが悪用されてしまった歴史の流れ
金融政策の変化が生み出す経済の上下動
バブルが崩壊する時に起こったことの詳細
 



下記は、本の執筆にまつわる話などを書いたブログ記事です
(目次) サブプライム問題とは何か

推薦図書:日本証券史(3)

天才相場氏の石井氏(石井独眼流実戦録の石井氏)もその本で語っています。
まず第一に過去を知らなくてはならないと思いました

日本証券史は、明治から90年代のバブル崩壊までをカバーした書籍である。その時、何がどうであったかを記録した一級の資料である。

特に第三巻は推薦本!
令和の日本株投資を上手に生き抜くヒントがたくさん書かれていおます




まずは、3冊を一気に読んでいただきたい。
そして、テーマを決めてじっくり読んでいただきたい。
最後は辞書として座右に置いて、いつでもチェックしていただきたい。

きっと、今が透明に見えるようになると確信しています。

推薦図書:石井独眼流実戦録、かぶと町攻防四十年

戦後の日本株の歴史を知る資料・記録として、手引書として、日本の誇る日本の誇る名著である