2022年2月28日月曜日

「新しい世界の考え方とその枠組み」の模索と、2022年を考えるセミナーの抜粋_1

2月24日に発生したロシアのウクライナ侵攻で、リーマンショック以降に芽生えた「新しい世界の考え方とその枠組み」の模索が加速したように思います。

それに関する
 部分が1~2月に実施した「2022年を考える」セミナーにありましたので、抜粋を紹介したいと思います


2022年は年は世界各国で重要な選挙が実施される。

現政権の首脳、対抗候補者は、相手に妥協しない強いイメージを有権者に見せる必要があり、国際情勢はギクシャク感が高まることが予想される。


選挙の時、有権者は理不尽な無理難題を候補者に要求する。現政権の首脳、対抗候補者は「それはオカシイ」とは言えないので、当選するまでは「やる姿勢、それは往々にして強硬な姿勢・発言」をメディアを通じてアピールすることになる
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2008年のリーマン・ショック以降、market price mechanism至上主義に対する疑問が芽生え、それが10年以上も静かに増殖してきたと春山は感じている 

その背景を考えていた春山だが、昨年こういうことだと思ったことは・・・・

これまでの市場ルールとは「お金・資産価値が増えることを目的としたルール」であり、人間が幸福になることを目的としていない。

人間社会のルールは「多数の人間が幸福を感じながら生きる社会を創造する」ことを目的とすべきだ。

・・・という考え方が2009年以降に増殖してきたのだろう


そういう考え方に基づけば、「ガソリンやディーゼル車の方が経済的に安価な車を提供できるし、自動車会社も儲かる」けども、人間社会の長期的な幸福を考えれば、高価な車&自動車会社も儲からないかもしれないが、EV車へ切り替える、、、という考え方を理解できる


このような資本主義を修正するような動きを受けて民主主義国家では左寄りの政権が増えた

同時に中国は、我が意を得たりという意識が強まり、「中国は世界に向かってルールを制定する特別な国家である」という言動を増している



リーマン・ショック以降の考え方の変化のキッカケは、国境をこえた巨大企業の出現だろう
グローバリズムの進展以前は、各国に国家を代表するような企業が存在し、政治家も国民も誇りに思っていたし、税金もタンマリと払っていた。

しかし、1995年以降のグローバリズムの急速な深化に伴い、国境を越えた言動をする超巨大企業が出現した。彼らは国家への帰属意識は薄れ、税金はTaxHaevenの利用でほとんど払わないし、テスラのマスク氏のように「法律は無視しても構わない、私が正義だ」という言動の人間も増えてきた
その結果、政治家も国民も
国境を越えた言動をする超巨大企業にたいして嫌悪感を持つようになった


グローバリズムとは経済優先だ
政治家が何を言おうとも、お金がないと政治家は無力だ。だから、1に経済、2に政治、という上下関係になる


しかし、トランプが明確に打ち出したAmeria Firstは政経一致、企業はトランプお釈迦様の手のひらの上でしか活動できない。政治的・宗教的・民族的な価値観の維持が、経済的損得に優先する、という考え方だ


新しい政経一致・政治が経済に優先する、という考え方の名前がどうなるかはワカラナイが、一旦動き始めた歴史の振り子は、ユックリ、着実に動き続けるだろう

その結果、グローバリズムによってもたらされた経済的な自由と利便性は後退することになる


ロシアのウクライナ侵攻で、第二次世界大戦後の長期的な国家戦略を変えた国も出現した
ドイツとスゥェーデンだ。
20世紀に二回も世界に迷惑をかけたドイツは「いかなる理由であれ、紛争当事国には武器を供与しない」という平和主義を掲げてきたが、ついにウクライナへ武器の供与を開始するとともに、軍需予算の増額も決定した。
永世中立政策の
スゥェーデンもウクライナへ武器の供与を決めた。

上記に関するFB:ドイツの変貌

ドイツの変貌2

時代は考え方が作り上げる、と春山は思う。考え方が変われは時代も変わるのだ。

新しい考え方が、新しい時代を作る、、、それに関する昔のブログ記事を紹介して、今日は終わりにしたい
参考過去ブログ:1979年、1989年、2009年、


参考ブログ2:時代の流れが変わりる時、前半では変化を認めたがらない


2022年2月12日土曜日

春山ルール55:二番底の方がつらい

 10%を超えるような下げは数年に一回はあるものだ。

この規模の下げは、数週間では完全に元に戻れない。多くの場合は下図のようなプロセスを経て、底打ちして上昇する。


最初のボトムは「一番底」と呼ばれる。

1:ジリジリだろうが一気呵成だろうが、あれよあれよという間に下がっていく。

2:どこで、いつ、ボトムに達するかは予想ができない


一番底の後は「単純リバウンド」と「揺り戻しの下げ」を経て一定程度上昇する。

しかし、その後に、一番底に向かう下げの背景や理由が投資家を再び不安にさせる(=懸念の再発)ことで、再びガクガクと下がり始める



一番底から一旦の復活を見た後に下がり始める時、投資家の心配は最大になる。

一番底に向かう時は、鈍感だったり忍耐力があったりで売らなかった投資家が、上昇してきた株価が再下落して保有資産がみるみる減っていく状態に直面すると、鈍感ではいられない、忍耐力も限界に達する。

そういう心理状態で我慢できずに売ってしまう投資家が増加する、それが二番底の恐怖だ。

売りが増加して、出来高が増えることで、結果的に相場は二番底からの復活を開始する。

一番底と二番底は、どちらが高いか低いか、それはバラバラだ。

なお、一番底と二番底の時間的間隔だが・・・

その間隔が短ければ、二番底で引き起こされる恐怖心理は小規模だ
しかし、時間的な間隔が長くなると、二番底の恐怖心理は大きくなる

その違いの背景にあるのは、投資家が感じる「期待裏切りのガッカリ度」の大きさの違いだ。上昇期間が長くなれば、Worst is overの期待感が増殖するからだ