2023年12月22日金曜日

持ち込み案件に飛びつくから失敗するM&A

M&Aの成功確率は3割だと言われている。何故、3件に2件は失敗してしまうのだろう?

最大の理由は、業者が持ち込んだ案件に飛びつくからだ


常日頃から次の買収先を物色している企業は、それ専門のチームが様々なターゲット企業を分析して、フェアな、損をしない、失敗しない買収価格を計算している
だから、「これどうです? 今売りに出ているのですが」という業者の持ち込み案件に際しても、冷静に対応できる。おいそれとは言い値で買わないし、こちらから様々な条件を出すことが定石だ

しかし、常日頃から買収先を物色していない企業が、M&A業者から突然「こんな企業が売りに出ています。滅多にない出物です」などと甘言をささやかれると、判断のガードが下がってしまい失敗買収を契約してしまう。

M&A業者の常套手段は、
1:時間が迫っている、と買い手を焦られて、時間をかけて冷静な判断ができないようにする

2:買い手企業がいなくても、ライバルが複数いるから今決めないと買収価格が値上がりする、と噓をついて焦らせる
とい作戦を実行する。

これらは自社の売却も経験し、その後は数々のM&Aを成功させてきた高名なPrivate Equity投資会社の経営者の書いた有名本にも書かれている。

そして、買い手側にも売り手側にもアドバイザーと称するM&A業者(銀行や証券会社の専門部隊)がおり、彼らは案件が成立した方が多くの報酬を貰える仕組み(買収価格の**%等)になっている。だから、買収価格が高い方が業者は儲かるし、巨額M&Aを成功させた業者として名前を宣伝できる。
その結果は、買い手企業に過大な買収価格、将来の経営負担となって決算数値を下方修正させるのだ

2023年12月17日日曜日

アンフェアな安値を求める人は自分の首を絞める

 ビジネスは、趣味や寄付ではない、持続的な活動ができる利潤が必要だ
にもかかわらず、多数が不当な安値を求めると、そのエリアではビジネスが縮小する

品質と価格は正比例する、黒線がフェアな人間活動だ
それが長期的に商品やサービスを提供する条件だ

しかし、品質と比べて低価格を要望する人が多いとビジネスが成立しないので、その品質帯でのビジネスが縮小する。
アンフェアな安値を求める人は、結局は自分の首を絞める結果になるのだ。趣味や寄付、もしくは税金による商品やサービスだけが存在する世界に陥ってしまう
紫の線は成立しないのだ

この数年はこのようなアンフェアな安値を求める傾向に対して、企業が撤退を始めているように思う
品質に見合う価格、ビジネスが成立する領域に企業活動がシフトを強めている
従業員にフェアな賃金を払い続けるためにも、企業はアンフェアな安値を求める領域から撤退を強めるだろう

2023年12月8日金曜日

地銀がゼロ金利政策を終了しろ、と言っている

 地銀がゼロ金利政策を終了しろ、と言っている

昨年12月以降の長期金利の事実上の自由化は長短金利差を拡大させた



融資が伸ばせるメガ銀には朗報だ

しかし、融資が伸ばせず、縮小傾向と戦っている地銀にはメリットが小さい



地銀は貸し出しに使われない余剰資金を、融資資金が足らないメガ銀に貸している

その貸出金利が短期金利であり、いまだに「ほぼゼロ%」が続いている

地銀はメガ銀への貸出金利の大幅アップを望んでいるのだ