2023年6月25日日曜日

春山ルール : 目次

投資に関するルールは、作ろうと思って作れるものではない。
痛い思いを何回かして、「あー、こうしちゃイケナイノね」と徐々に思い知るものだ。
それは個人の性格や癖による部分も多いので、万人に共通ではないかもしれない。
小技みたいな領域のものから、そもそも論的な大きなものまで、雑多だ。

1.2Q連続でダメ決算、失望決算なら離脱する
2.6ケ月待て
3.PERは60倍が限度
4.パフォーマンスの足を引っ張るのは「後ろ髪」銘柄
5.不正を働いた企業には投資しない
6.べき論を排する
7.不調なら休む
8.現状を受け入れ、ゼロ・スタートする
9.自分の目標と競争しろ、他人と競争するな
10.何で儲けても百万円は百万円である
11.そういう事だったのね、株価は織り込み済み
12.変節点
13:失って初めて思い知る
14:気持ち悪くなったら脱出しろ
15:25%ルール
16:ペナルティはしっかりと受け入れる
17:計画通りに実行し続ける
18:飛び乗ったら、飛び降りろ
19:得意技で勝負しよう
20:金持ち喧嘩せずは相場のリズム
21:条件反射の「反対&disり」は損失への一本道
22:前回バブルの主役には触ってはならない
23:焼けボックイの深追いは無用
24:迷ったら大きい方へ
25:楽観と悲観の非対称性を知って売買する
26:ネガティブ思考人を避ける
27:リズムが合わないものを売る
28:何か発表するらしい = 悪い事
29:目的と手段を逆転させるな!
30:心やすらかな投資のためには、タイミングが重要
31:定点観測の意味
32:定点観測時のご法度
33:証券会社、販売会社に文句を言わない
34:怒りと嫉妬を排してバカになる
35:部屋が散らかっている人は金融詐欺に騙されやすい
36:個別判断の徹底
37:自分のスタイルを維持する
38:若い相場を見つけよう
39:株価の賞味期限は早く来る
40:決断直後の返り討ちに惑わされない
41:兎の売りと亀の買い
42:なんとなくを捨てる
43:難易度の高いチャレンジ、1回 < 簡単な事、毎日
44:100万円ルール
45:苦しくても後講釈を聞かない
46:ポジション構築ルール
47:下げ局面での買い出動を三分類(ファンクラブ、モリモリ、スマート)
48:現金比率のコントロール(第六原則)
49:投資家は順張りが好きだ
50:暴落時の銘柄選択
51:ファンクラブの買いは「一回限り」
52:暴落後の株のポジショニング
53:上手な人は実践家、下手な人は評論家

春山ルール56 : 現金が持つ決定の自由

個別銘柄の売却を決断する時

代わりに何を買おうかと考えてはいけない

売る、それだけを実行して、数日は静かにすべきだ

売却によって得られた現金が投資判断をパワー・アップしてくれる

そのパワーは現金を保持する時間に比例して大きくなる


個別銘柄の購入を決断する時

何かを売却して、その資金で買おうと考えてはいけない

売却済みの資金、できれば売却後の経過時間が長い方が良い、そんな資金で買う方が成功する

現金がある状態だと冷静に銘柄判断ができるが、現金が無いと色眼鏡で新規銘柄を探してしまう。それはポジション・トークと同じようなものだ

現金は自由で冷静な心理状態をもたらす、そういう強力なパワーを持っているのだ





相場が小休止している時に頭の体操をする

次の行動を複数個、頭の中で練習しておく

これを実行する人と、ボーッと過ごす人の差が初級・中級の差になる

頭の体操に関しても、現金を保持している時の方が頭が早く正確に回る

フルポジションだと、ポジション・トーク的な偏った思考になる傾向がある

2023年6月21日水曜日

PERの決まり方_5 : バブルの拡大&崩壊とPER変動

 最初に書いたように・・・

平時は、

EPS成長率が、10%なら、PERは10倍

EPS成長率が、20%なら、PERは20倍

EPS成長率が、30%なら、PERは30倍

相場が温まると

EPS成長率が、10%なら、PERは15倍

EPS成長率が、20%なら、PERは30倍

EPS成長率が、30%なら、PERは45倍

のようにPERが上昇する

そしてバブルになると

EPS成長率が、10%なら、PERは30倍

EPS成長率が、20%なら、PERは80倍

EPS成長率が、30%なら、PERは150倍

といった理解不能なレベルまで達する


PERは下図のように動態的に判定するものだ



発生したバブルが崩壊するキッカケは決算ミスだ

売り上げ高、利益、利益率、増益率、ユーザー伸び率、何か一つでも強欲な投資家の期待をミスすれば、バブルのお立ち台から追放される


バブルのお立ち台から追放されると、非バブル銘柄のPERに向かってPERが下落する

算数で理解できるPER水準まで下落が止まらない

そこまでPERが下落するのに、半年の場合、1年の場合、3年の場合、それは時と場合によって様々だが、下落が長期間続くことは避けられない


PERの下落フェイズでは、利益・EPSが最高益を更新し続けても、PER下落の悪影響の方が大きいので、株価の下落が止まらない


下図はZoomのバブル崩壊の様子だ

崩壊は有料ユーザーの伸びが強欲投資家の期待を下回ったことだった


2020年10月のバブルの頂点の時、

EPS:1.18 x PER:500 = 株価:588

という株価形成だった


それが、2021年10月には、

EPS:4.81 x PER:53 = 株価:255

利益が4倍になっていても、株価は▼43%という下落となっている


そして、バブル崩壊の第二段階は業績が下方集成される

2021年12月には、

EPS:4.385 x PER:43 = 株価:192

と株価はピークから▼70%という下落となっている


2023年6月21日現在の状況は,循環株にふさわしいPER:10~20倍の真ん中、16倍台となっている
バブルが終わったのだ


-

2023年6月19日月曜日

PERの決まり方_4 : 全体はダメだが、ここだけはOKの時、ここだけ局地バブルになる

 2回ブログで、大多数の投資家は、業績変動による心配をしたくない。そのため、業績の安定したB社に投資する資金が多く、業績が不安定なA社に投資する資金は少なくなるので利益は同じでも、株価は「B>A」となる、と書いた


利益が同じなのに株価が異なる、それは割り算の答えとしてのPERに格差がつく、ということだが、下図のような状態だ


株式市場では上記のようなPER格差が常時存在してる。

かなり稀にだが、常時存在するPER格差を大幅に上回るトンでもPERが付与される銘柄が乱立する時がある


それは下図に示したようなバブルの時

バブルの時、市場の全ての銘柄のPERが跳ね上がるわけではない。これらは特別だと投資家が思った銘柄だけ、ぶっ飛びPERになる




3回ブログで、ビジネスの将来性が高い、その投資テーマの賞味期限が長く、顧客やユーザーが多いと投資家が思えば、業績の伸びが同じであっても、PERが高くなる、と書いた。

バブル銘柄はその特別中の特別な銘柄だと誤解された結果、PERが跳ね上がるのだが、誤解だと思い知るまでの時間は結構長いのが問題だ


最近でも、そのような誤解が起こり、そして崩壊した。

2020年に起こったコロナ騒動だが、経済は不振が続いたが株式市場では、2020年3月以降は「ほとんどの企業はコロナでボロボロだが、これら一握りの企業はコロナ恩恵銘柄だ」と囃されて2021年2月16日まで暴騰した。

Cathie Woodバブルと呼ばれる局地バブル発生したのだが、1年足らずで崩壊した


そして2023年の前半、経済には懸念があるが、Chat GPTなどのAI関連だけはOKだ、といって関連銘柄が独歩高している

これが、バブルなのか?
まだ3か月程度しか経過していないので判定不能だが、特別中の特別な銘柄だと認識されて、PERが跳ね上がっている

2023年6月18日日曜日

PERの決まり方_3 : 将来性、賞味期限の長さ、天井の高さ

 前回ブログで、

業績の伸びが高く、その伸び率が安定してれば、PERは非常に高くなる

業績の伸びが低く、その伸び率が不安定なら、PERは非常に低くなる

・・・と書いたが、PERに関してもう一個重要なファクターがある。

それは、ビジネスの将来性、その投資テーマの賞味期限の長さ、顧客やユーザーの最大値(=天井の高さ)というファクターだ


A社とB社の増益率が同じ15%であっても、

A社のビジネスは100年以上も前からあるようなビジネスで産業としては成熟している、例:鉄鋼・自動車、と投資家が認識している

B社のビジネスは新しいテクノロジー関連のビジネスで未来が限りなく広がっている、例:1990年代以降のIT産業、と投資家が認識している

このような場合は、増益率が15%同じであっても、PERはB > Aとなる

その理由は、A社の15%増益の持続性は低いが、B社の15%増益の持続性は高く、しかも20%もしくは30%にまで上昇する可能性があると考えるからだ






PERの決まり方_2 : 業績の安定性との関係

 前回ブログを読まれた方は、個別企業においても、業績の伸びが増加すればPERが上昇し、業績の伸びが鈍化すればPERが下落することを認識したと思う。

業績の伸び率、業績成長率はPERと関係が大きいが、それ以外にも同程度にPERと関係が深い要因がある

それは、業績の安定性

AとBの2社があり、どちらも5年で利益が2倍になった
しかし、その間の業績の変動制は、A社は上下動が大きく、B社は小さかった


大多数の投資家は、業績変動による心配をしたくない。そのため、業績の安定したB社に投資する資金が多く、A社に投資する資金は少なくなる

その結果、利益は同じでも、株価は「B>A」となる。これは古今東西に共通の法則だ



業績の伸びが高く、その伸び率が安定してれば、PERは非常に高くなる

業績の伸びが低く、その伸び率が不安定なら、PERは非常に低くなる


これがPER、業績、株価の基本的な関係だ

2023年6月17日土曜日

PERの決まり方_1 : EPS成長率との関係

 EPS成長率が、10%なら、PERは10倍

 EPS成長率が、20%なら、PERは20倍

 EPS成長率が、30%なら、PERは30倍

 EPS成長率とPERの間には、このような正比例の関係がある


この関係は静止していない、常に動いている

相場が温まってきて投資家が楽観的になり、ガードが下がる

 EPS成長率が、10%なら、PERは15倍

 EPS成長率が、20%なら、PERは30倍

 EPS成長率が、30%なら、PERは45倍

のようにPERが上昇する


反対に、相場が冷えて来て投資家が悲観的になり、ガードが上がる

 EPS成長率が、10%なら、PERは7倍

 EPS成長率が、20%なら、PERは14倍

 EPS成長率が、30%なら、PERは21倍

のようにPERが下落する


ちなみに、バブルになるとPERが極端に上昇するが、

 EPS成長率が、10%なら、PERは30倍

 EPS成長率が、20%なら、PERは80倍

 EPS成長率が、30%なら、PERは150倍

のような平常時と比べると理解不能なレベルまで達する



上記を図にすると下図のようになる

市場、もしくは投資家が楽観方向に動いているのか、悲観方向になっているのか、それを認識しつつ、個別企業のPERを動的に判定する事が投資判断には求められる

2023年6月11日日曜日

solution型の脳 & communication型の脳

solution型の脳エリア

communication型の脳エリア

誰でも脳は、この2個のファンクションを持っている


時と場合によって、この割合は変化する

誰を相手にするかによっても、この割合は変化する

時間と共に、経験を重ねるごとに、この割合は変化する

個人によって、この割合は異なる、個体による相違はすべての生き物に存在する

男性脳、女性脳という言い方は、シンプル過ぎて間違いだ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

solution型の脳エリアは、課題を解決、目標を達成する、それを目的とする

communication型の脳エリアは、レーダーのように常時活動し、何がどうなっているかを把握理解するのを目的とする


solution型の脳機能は、課題・目標の解決・達成に集中する。その時、それ以外の事は眼中から消える

communication型の脳機能は、広範囲を常時観察し理解しようとする。何かに集中せず、広く浅く活動を続ける


solution型の脳機能は、課題が解決されたり目標を達成すると、別の課題や目標を求め始め、終わったことからは興味がなくなる

communication型の脳機能は、淡々と長期間にわたって広範囲を観察し理解しようと努力する。終わりと言うモノがない


solution型の脳もcommunication型の脳も、承認欲求を持っている

solution型の脳は、処理した実績を評価してもらうことで満足する

communication型の脳は、今やっていることを認識してもらい、認識し続けてもらうことで満足する


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

株式投資の基本動作は、淡々と継続する定点観測だ

communication型の脳エリアの仕事だ


初心者は、面倒だ、そんなことをやっても速攻で儲けが出ないし、やらなくても損も出ない、チェレンジ精神が沸かない、などという理由で三日坊主で辞めてしまう

communication型の脳エリアの仕事能力が欠如しているのだ

やらないのではない、できないのだ、能力が無いのだ


中上級者は定点観測を継続する訓練を自分に課して、その能力を習得しているので継続的な基本動作ができる


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

判断はできても実行しない、そう思ったけど実行しなかった、多々あることだ

人間は、判断したことを実行するか否かを、別の心が決める

その別の心の能力を実行力と言う

solution型の脳エリアの仕事だ


初心者は、そうじゃなかったらどうしよう、やらなくても損得が速攻で明確にでるかは不明確だ、今やらなくても良い、などという理由で実行しない

solution型の脳エリアの仕事能力が欠如しているのだ

やらないのではない、能力が欠如しているからできないのだ


中上級者は判断したことを実行する訓練を自分に課して、その能力を習得しているので実行できる


~~~~~~~~~~~~~~~~~~

投資の基本動作は、知らない事や疑問を調べて徐々に知見を増やしていくこと、知識と経験のビッグデータを構築していく事だ

solution型の脳エリアの仕事だ、しかも放置しない意思が必要

知らない事や疑問の処理は、短時間でもしくは一日で終わらせる必要はない、数日から数か月にわたって時間のできた時に少しずつ、ジグソーパズルのピースをはめ込んでいくように完成させればよい


初心者は忘れたり飽きたりして、知らない事や疑問の処理を投げ出して未完成のままに放置してしまう

solution型の脳エリアの仕事能力が欠如しているのだ、とくに放置しない意思能力が欠如している


やらないのではない、能力が欠如しているからできないのだ


中上級者は定点観測を放置しない訓練を自分に課して、その能力を習得しているので時間をかけてでもやり遂げることができる