2015年10月28日水曜日

待つ時間の過ごし方

待つ時間、、これが投資ではポイント
漫然と待つのではなく、観察を継続する
どの項目を観察するか? 何に対して、よりアンテナを高くするか? 何をパスしたら、何が起きたら、警戒を解除するか?
これを事前に認識しておかねばならない。 警戒への突入、その解除 その行動は、朝令暮改的であってもかまわない。 資産を増やす目的に合致していれば良いのだ。

2015年10月20日火曜日

2016年を考える(3)やらせてもらえる仕事を受け入れるしかない

1990年代以降、先進国ではJobless Recovery(景気や企業業績の改善の割には、雇用の改善が見劣りする)が続いている。

その背景は、1990年以降に起こった経済的な意味での国境の消滅、グローバル化だ。
企業は国際化してマルチ・ナショナル企業として国境を越えて活動している。
どこで何を生産して、どこで販売するのが最も儲かるか、それを真剣に考えて日々行動している。

特に2000年代中盤に起こった新興国ブーム期には、生産部門が先進国からコストの安い新興国に大量に流れ出した。

総需要の伸びが低い状態でも、コスト低減効果を享受した企業の利益は大幅に増大した。

新興国には新しい職(Job)が大量に生まれた。
一方、先進国では職(Job)がジリ貧になった。

先進国でやるべき職の内容が大きく変化したのだ。
製造そのものではなく、何をつくるべきか、誰に何を提供するべきか、いわゆる「意思決定」に関する職に比重が移ったのだ。



企業が先進国内で資金を投ずる分野も、製造機械や工場ではなく、意思決定を効率化、正確化する「ソフトウェア、人材」などにシフトしている。

先進国の国民は、やらせてもらえる仕事、自分ができる仕事、それを受け入れるしかない。

そして、このトレンドはまだまだ進行する。

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2015年10月19日月曜日

2016年を考える (2)為替

日本株の動向は、為替レートに左右される度合いが高い。

2011年3.11の震災以降、原発が停止したことから、価格が高止まりしていた原油や天然ガスを大量に輸入することになり、貿易収支が急速に悪化した。

2011年末までは、民主党政権の円高デフレ政策によりドル円は無反応だったが、貿易収支の急速な悪化を反映して極端な円高が修正され始めた。

2012年11月以降はアベノミクスの円安政策を織り込む形で、急速な円安が進展した。

2015年に入ってからは、前年10月以降に急落が始まった原油価格を受けて、貿易収支の改善が始まり、5月には安倍首相の経済ブレーンの浜田氏と黒田日銀総裁の両氏から過度の円安を牽制する発言が出て、8月からは円安が止まった形になっている。



現状は、原油価格は低位で安定し、貿易収支の赤字は消え外人観光客の急増や対外投資の収益の増加も相まって、日本の対外収支は「外貨の受け取りが増加」する局面になっている。

単純な図式化すれば下記のような構図になる。

2016年に関しては、

1:イランの原油の増産による価格下落圧力はあるものの、米国のシェールによる価格低下圧力はピークアウトしており、原油価格はボックス圏で上下動すると思われる。

過去に原油価格が急落した1985年の後の価格動向(下図)と似たような動きを想定している。




2:貿易収支に関しては、原油やガス価格の急騰がない限り、赤字の拡大は無いだろうし、一方徐々に増えてくる原発の再稼働もエネルギー要因の貿易赤字を縮小させる。

3:外国人観光客の増加は2016年も継続すると思われるので、これに起因する「外貨の受け取り」は、さらに増えるだろ。

1、2、3を考慮すれば、日本側の要因としては、円安要因は消えてしまった状態が継続することになる。

以上から推定されることは、130円という円安トレンドではなく、115円から120円のボックス、あるいは110円程度までの円高を想定しておいた方がよさそうだ。


===追記===
円高デフレを少々容認する安倍首相
円安にして大儲けさせてやったのに、設備投資や賃上げで吐き出さずに、内部留保に溜め込むだけの輸出製造業に業を煮やした安倍首相
デフレ脱却は良いけど、物価が上がるのは拒否する。中国が尖閣に来るのは防いで欲しいけど、安保は嫌。
そういう女性が安倍非指示に回ったのを取り戻したい。
ならば、多少円高に戻して、内需産業に恩恵を与えながら、物価を抑制した方が、選挙には有利だ。
そういう判断は政治的に正しい


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2015年10月18日日曜日

2016年を考える (1)順番待ち

今日から2016年を考え始めた。
心を一旦白紙にして考えてみたい。

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21世紀は20年足らずの間に、三回のバブル崩壊を体験した。

1:1999年~2000年にかけて発生したITバブルの崩壊
2:2006年~7年にかけて発生した住宅金融バブルの崩壊
3:2008年~12年にかけて発生した資源エネルギー重厚長大産業のバブルの崩壊




一旦崩壊したバブルは、おいそれとは復活しない。
復活するにしても、順番を追い越すことは普通はないだろう。

投資家の記憶は簡単には消えない。
そもそも、被った損失は、2.住宅金融夕バブルと、3.資源エネルギー重厚長大産業のバブルに関しては、いまだに処理の最中だろう。

また復活するに際しても、少し違った姿、違うお題目で登場するだろう。

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2015年10月6日火曜日

推薦図書

お友達に勧める投資関連の歴史本
赤字が特におすすめ←春山的価値観ですけど

同じ事件を複数の著書で読むことで、冷静な判断をする態度が養われます
良い本は、2か月以内に3回読みましょう。長期記憶になります。

<< 日本 >>
産業の歴史、証券会社、市場の歴史、金融制度、金融業界の歴史、、、これは基本的知識
1:日本産業史、日経文庫、1,2,3,4
2:日本証券史、日経文庫、1,2,3
3:日本金融史、玉置紀夫

現代日本は、米国の子分的存在ですから・・・・
4:日米関係とは何だったか、マイケル・シャラー
5:戦後史の正体、孫崎享

相場に接する態度
6:石井独眼竜実戦録、首藤宜弘

おまけ
伊藤之雄の著作
7:伊藤博文
8:昭和天皇伝
9:政党政治と天皇
10:山形有朋
11:明治天皇

将来の「転ばぬ先の杖」
7:犯意なき過ち、検証バブル、日経新聞



<< 欧州 >>
1:フクロウの本、、これが実に良い。
同じ歴史的事件が、複数の視点から書かれているので、縦横斜めから冷静に歴史を解釈できるようになる。
主役:フランス、イギリス、神聖ローマ帝国、ハプスブルク帝国、ドイツ、ロシア
翻弄される:バルカン、ハンガリー

2:外交(上下)キッシンジャー
欧州の国際政治を解説した名著

3:危機の20年、E.H.カー

4:両大戦間のヨーロッパ、生松敬三



<< US >>

1:ウォールストリートの歴史、チャールズ・R・ガイスト、フォレスト出版
2:静かなる戦争(上、下)-アメリカの栄光と挫折、デイヴィッド・ハルバースタム、PHP研究社(クリントン時代の外交、バルカン政策)
3:アメリカ外交50年、ジョージ・ケナン
4:アメリカの歴史、サムエル・エリオット モリソン1、2、3、4、5、集英社文庫



<< 中国、アジア、中東 >>
1:中国(上下)キッシンジャー
2:チャイナジャッジ、遠藤誉
3:中国人が選んだワースト中国人番付、遠藤誉
4:この厄介な国・中国、岡田英弘

5:イスラム世界の論じ方、池内恵
6:現代アラブの社会思想、池内恵

7:モンゴル帝国と長いその後、杉田英明
8:モンゴルの発展と伝統、岡田英弘

9:タイ、中進国への道、末広昭
10:韓国併合への道、呉善花

<< 全体 >>
1:市場対国家(上下)、ダニエル・ヤーギン
2:グローバル資本主義の危機、G.ソロス
3:世界経済史・資本主義とパクス・ブリタニカ、入江常次郎

2015年10月2日金曜日

都会住民 郊外住民

田舎の鼠と都会の鼠の話ではないが、都会住民と郊外住民はモノに対する考え方が違うようだ。

郊外の住民、特に古い一戸建ての住民は、ノスタルジア族と呼ばれ、物を捨てられない。
すべての物が思い出の品であり、他人から見れば「ゴミ」であるものの、それを長期間持ったままにする傾向がある。

ノスタルジア族は、「捨てられないゴミ」のために庭に物置を購入して保管する。
少し狭い敷地に住むノスタルジア族は、物置を設置すると駐車場がなくなる。郊外の住民にとっては、車は生活の必需品だ。物置のために車を捨てると生活が成り立たなくなる。

そんなノスタルジア族の捨てられない気持ちに付け込むビジネスが「レンタル倉庫業」だ。車で10分、2kmという距離に1万円弱のレンタル倉庫があれば、処分するまでの一時保管先として使う人がいるらしい。
一時保管のつもりが、ずるずると長期保管になる。
だって捨てる決断ができないのがノスタルジア族のDNAだから。
だからレンタル倉庫は意外ともうかるらしい。

一方、都会の住民、特にマンション族は、そもそも狭い居住空間で生活しているし、家賃も高いので無駄なものを部屋に置かない。
しかも、郊外のノスタルジア族よりも捨てる決断をする傾向がある。

一見、部屋が狭い都会のマンション族の方がレンタル倉庫の需要があると感じてしまうが、事実は異なっている。都会のマンション族には、ノスタルジア族が少ないそうだ。
しかも、レンタル倉庫の往復は車を使うのが常識だが、都会のマンション族は車を持たない割合が高い

都市住民と郊外住民の違い、これは米国でも変わらない。
NYのレンタル倉庫は、全米平均の1/3である。


2015年10月1日木曜日

既に始まっている新時代 その2

(1)安定地域と不安定地域の格差が拡大

平穏:米国
集中治療室から一般病棟に移ったが、退院時期は見えない:日本
安定の劣化:欧州(南欧、難民、VW)、中国(汚職消費も経済を持ち上げていた)
最悪:中東アフリカ


(2)水は低きに流れ、お金は高きに流れる

臆病なお金は、順調な上昇相場フェイズの時以外は、安定を求める

過剰なものは安くなる:川上:資源エネルギー、重厚長大生産設備
普通:川下:平時に戻った消費、バブル時代には程遠い低レベル

資源消費型の経済が弱いのだから、
ITセクターでも、製造部門から遠いほうがパフォーマンスが良い
= Web2.0(新しいIT) > Web.1.0(古いIT)


(3)政治と経済の関連性が上昇

政治の安定=経済の安定と投資家が認識し、好きな市場と嫌いな市場に分かれる

ロシアとブラジルのパフォーマンス格差の背景
どっちも資源エネルギーに依存する国家だが、政治の安定したロシアと、混迷状態のブラジル、、差がつくのは当然