2024年6月9日日曜日

初級卒業生に必要な知見(28)説得、解説、論破は、投資家の仕事ではない

説得、解説、論破は、投資家の仕事ではない、それらはマーケッティングの仕事の世界の作業だ


ひたすら投資に役立つ知見をBig Dataとして蓄積し、それをベースに正確な投資判断を下して売買をする、それが投資家の仕事だ


何故、その知見が必要なのか?

何を根拠に、判断したのか?

何故、同じように見える前回と今回の判断が異なるのか?

これらを第三者に解説する必要はない


投資セミナーなどで、複数人が意見を戦わせる、その主たる目的は、投資ファンドの資金を集めるため、メディ出演を増やしてタレント的な収入を増やすため、という場合が多く、投資家の活動とは別世界だ

自分が何でお金を稼ぐの
か?

ならば、どうするのが良いか?
答えは自然に見えて来る


2024年6月3日月曜日

初級卒業生に必要な知見(27)季節性やリズムは大切ですが、杓子定規に考えるのはダメです

 株式投資には、合理的な説明が困難な不思議な現象があり、これをアノマリーと呼んでいる 代表的な現象のひとつに「Sell in May」と呼ばれる株価の季節性がある。

注:アノマリーwiki : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%83%BC

しかし、杓子定規に考えてはイケナイと春山は考えている 下図は、SP500指数の動きだ(Bloomberg data)


夏場に向かってダレやすいという傾向はあるが、年によってマチマチだ

下図は日経平均(Bloomberg Data)だが、SP500に比べて季節性が不明確だし、右肩上がり(=時間の経過とともに徐々に上昇する特性)もSP500に比べると不明瞭だ

Sell in Mayよりも、傾向的に強いのは11月~翌年2月までの株価の上昇傾向だ
このことも、そしてSell in May も、「漠とした期待/不安」という心理要素だと思う。
1:来年に期待する前向きな気持ち
2:新しい年の希望を織り込んだあとに決算で現実を知って精製になる4月5月 その程度の事だと達観して相場に臨む方が良いと思う


2024年5月13日月曜日

目次 & このブログに関して

投資を実行する前に必要な事が色々ある
知っておくこと、身に着けておくこと、態度知識スキル

社会経済ニュースや企業情報は、インプット・データだが、
そのデータを上手に解釈する、投資に役立つように解釈する、、それがもっと重要だ

<< シリーズ記事の目次 >>

2023年11月~:卒業生に必要な知見(やや中級者向け)

2016年4月~:春山ルール(初心者向け)

 2020年4月~:推薦図書(改訂中)
2019年4月:日経平均株価を決めているもの
2017年12月:2018年は、2017年を確認する続編の年
2017年12月:AliPay&WeChatPayが中国を最先端の信用本位制資本主義国家に導いた
2017年10月~:For Starters & Beginners 
2017年10月~:Begnnerを卒業した人へ

2017年8月~:農業を考える
2017年4月~:2017年4月の現金化と復活
20174月~:ブランドの再編
2017年2月~:朝鮮半島問題
2017年6月~:Apple Microsoft Amazon Google Facebook再考
2017年7月~:次の30年に備えて、まずは5年先まで考えてみる
2016年8月:社会が育てる子供
2016年8月:中国の民主化
2016年5月:インフレと低金利
2015年9月:AI & Deep Learning
2015年6月:地政学リスク
2016年11月~:2017年を考える
2016年2月:2016年1-2月の相場下落
2015年12月:2016年を考える
2015年7月:名古屋証券取引所IRフェスタ2015セミナー
2015年8月:上海株式市場の暴騰&暴落

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昔のブログ → 豊健活人生
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2024年5月9日木曜日

目次:初級卒業生に必要な知見

ここは、やや中級者向けです

初心者向けは→ 春山ルール
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1:一番上がる銘柄を買う

2:どうやって、その銘柄を見つける

3:知る、納得する、できる

4:不安なものほど良く上がる

5:法則を発見しない<その1>

6:法則を発見しない<その2:多分こうなっているから、方程式化が困難>

7:失うものは過大評価され、チャレンジで得られるものは過小評価される

8:買いは単純、売りは複雑

9:株価の上昇はユックリで、株価の下落は急速だ

10:バブルは滅多なことでは発生しない

11:空白スペースは多い方が良い

12:下げには順番がある

13:誰に向けて話していますか? 誰がターゲットですか?

14:やらない事を決める

15:知らずに投資しても良い、知って投資しても良い、結果がすべてだ

16:安いだけでは上がらない

17:高いだけでは下がらない

18:多くの間違い・失敗は、”そろそろ”の勘違い

19:最安値で買う事よりも、もっと重要な事

20:温故知新の注意点、その時相場はそれをまだ知らなかった

21:温故知新、、どこまで遡って歴史を学びますか?

22:利益と株価の比率は重要だ by 日本株のグローバル化

23:相場が終わるとお里帰り

24:多数説が株価を決める

25:パフォーマンス改善の高速化 = 習得の順番が重要です

26:投資は不確実の中で判断する

27:

28:

29:

30:


2024年5月8日水曜日

初級卒業生に必要な知見(26)投資は不確実の中で判断する

投資判断と経営判断は「何がどうなるかワカラナイ未来に対しての判断である」という点で似ている


終ってしまった過去に関して、それがどうだったかの分析や判定とは異なる別次元のハードルの高さがある

そのハードルとは、判断をする際に用いる材料が下図のような集合体だ、という判断をする際の環境だ

1:確定している判断材料は、ほんの一握り
2:発表・公表されたデータやニュースもあるが、暫定的なものがほとんどで、その後に改訂される場合が多々あり、「最初から、そうなると分かっていれば・・・」と言いたくなる

3:そして、判断材料の過半数は、多分こうだろうという推測・推定によるものだ



こういう不確実性の塊のような中で実行するのが投資判断だ
しかし、強力な助っ人が判断の精度を上げてくれる。
その助っ人とは、温故知新パワーだ。過去こういう時はこうだった、だから今の環境でもこうだろう、という推論エンジン
推論エンジンは、数多くの過去データ、記憶・体験、知見の集合体、いわゆるBig Dataで構成されている
Big Dataの種類や数が多ければ多いほど、良質であるほど、推論エンジンの性能が高くなる



だから、投資を始めて1年生と10年生がパフォーマンス競争をすれば、1~2か月だと1年生が勝つことはあるが、1年、2年、3年と長くなればなるほど勝てなくなる。推論エンジンの性能差が如実に反映するからだ


===おまけ===

過去にセミナーを依頼されたり、連載をしたり、という仕事をする際に、確実な裏付け、根拠の表示、書かれて判断材料の根拠データや書籍の明示を要求される、つまりコンプラ対応だ

しかし、そのようなコンプラを通過して出てくるコンテンツは「出がらし、織り込み済み」など投資判断にはあまり役に立たないと春山は感じている

2024年5月6日月曜日

初級卒業生に必要な知見(25)パフォーマンス改善の高速化 = 習得の順番が重要です

早く上達したい、資産を早く増やしたい
気持ちは良くわかります

それを実現するには・・・

1:最速でスキルを習得するには、習得の順番・priortyがある

2:必須習得スキル(=アイテムをゲットしていないと先へ進めないゲームみたいな事)をクリアしないと、その先のステップ・アップができない

・・・・というのが投資スキル習得の掟です


人間のやる投資では損をしないことが重要です。損失は3倍の儲けと同価値の精神的インパクトを持っています。

含み損200万円、含み益350万円という状態の2銘柄を持っている場合は、含み損は3倍の600万円のインパクトをはっきするので、保有銘柄全体としては250万円の含み損的な精神状態になってしまい、そのために平常心が維持できずにイライラしてしまう。そんな状態では正しい投資判断ができなくなる


特に初心者は平常心を維持する訓練が完成していないので、なおさら損失を減らすことが重要になります

初心者は「4勝4敗なのに、トータルで若干損失が出ている、と悩む」人が多いのですが、その損失発生のトレード・売買は、中上級者から見れば「やる意味が無い、やるだけ損」という墓穴売買が多いものです


だから、初心者がまず習得するのは、墓穴行動を認識し、それをしないことです
墓穴行動=負けの数、これが減ればプラス側(=儲けの金額)が同額でも損失金額が減るので年間の利益金額(=利益ー損失)は増加します


墓穴行動は様々あり、ここで全部は紹介できませんが、代表的なものは「面白そうだ!と思ったら、少し買ってから真面目に考えてみよう」という軽率な売買です。

これを辞めるだけでも随分と年間の損失を減らすことができます。詳細は初級1セミナーで解説していますが、4勝4敗から4勝2敗に脱するのが初級です



世の中には様々な投資手法があふれており、ともすれば沢山の投資手法をマスターしなければ儲けられないのでは、と焦る人も多いかもしれませんが、心配は無用です

複数の手法を同時進行でマスターするのは難易度が高く、そのすべてが中途半端な習熟度になってしまうリスクが高いものです


たとえ話的に言えば・・・

戦場で戦う際に必要なスキルは、槍、鉄砲、刀である

槍を習熟している兵士は、槍の戦いでは勝てるが、鉄砲と刀の戦場では負ける。だから槍の兵士は槍の戦場だけで戦い、鉄砲と刀の戦場には参加しない


つまり、投資スキルも何か一個を習熟すれば、その投資局面では大儲けができる。しかし、その投資スキルが妥当しない局面ではスルーする(=現金保有、またはインデックス保有)



初級を脱する頃からは、・・・

1:4勝2敗を5勝2敗にする(=勝パターンを増やす)ための追加の投資スキルを身に着ける

2:勝幅を拡大させる=グリップ力強化、負け幅を減らす=損切力強化

・・・という中級の学習に移行するのです



つまり、中級者は積極的な攻めの手法を磨き上げるフェイズなのです