2015年12月12日土曜日

2016年を考える_7_第三部:米国株式の投資環境_2:片肺飛行と二極化

*** 2016年を考える_7 ***

第三部:米国株式の投資環境_2:片肺飛行と二極化

(1)前回相場と変わらぬ好調さの米国株式
未来のことは予測が困難だ。しかし、過去との比較は参考になる。
上図は、さまざまな懸念が表明されている現在の米国株式のパフォーマンスが、好調だった前回の上昇相場(年率+11.5%+配当金約2.2%=13.7%)と同等の推移を示している。

株式市場的には、米国株式の収益力は維持されていると判断すべきだろう。


(2)商品市場の軟調さを反映した二極化相場
懸念の背景は、バブル崩壊後のファンダメンタル悪化から回復できない資源エネルギーを中心とする重厚長大&素材産業だ。


上図左のチャート(SP500のセクター別チャート)を見れば明白だが、昨年の初夏以降の原油の大幅下落を反映して、SP500指数の中のエネルギー・セクターと素材セクターは急落を演じた。

それを反映して、米国株式はセクター間のばらつきが大きくなっている。いわゆる好調なセクターと芳しくないセクターという状況が長期間継続する二極化相場となっている。

商品市場の大幅な回復、そしてその牽引役である新興国経済の設備投資活動の大復活が当面は可能性が低いという認識がコンセンサスとなっている。

それを受けて、米国株式の二極化相場もなかなか修正されないと思われる。