2015年12月11日金曜日

2016年を考える_第一部:経済と社会のメガ・トレンド_1:格差拡大

*** 2016年を考える_1 ***

第一部:経済と社会のメガ・トレンド_1:格差拡大

(1)経済が拡大する時、格差が拡大する(サイクル要因)
経済的な格差、文化的に充実した生活を楽しむ環境の格差、これらの格差の拡大は過去10年以上にわたって先進国でひたひたと継続している。
景気変動に付随するサイクル要因と、グローバル化の進展に伴う構造的な要因がある。

 

上図に示したように、経済が拡大するフェイズでは資産効果(株や不動産などのリスク性資産の価値の上昇)により、資産を多く保有する富裕層ほど豊かになる。

物やサービスの価格に関しも、
1:経済の縮小フェイズでは高級品や高価格製品ほど販売量が減少し激しく値下がりするが、生活必需品や基礎食料品はあまり変動しない。
2:しかし、経済の拡大フェイズになれば、高級品や高価格製品ほど販売量が増加し価格も大きく上がる。一方生活必需品や基礎食料品の値上がりは限定的だ。

(2)嫉妬心に起因する格差拡大の気持ち(頭では理解できても・・・・)
資産価格の上昇率は万人に平等だが、保有資産の多寡によって上昇金額は大いに異なる。

リスク性資産が+20%の値上がりの時
保有資産100万円なら、20万円豊かになる。
保有資産1億円なら、2000万円豊かになる。
保有資産50億円なら、10億円豊かになる。
率は同じでも、金額の格差が「嫉妬心」を生み、格差の拡大という気持ちを増長させる。
これは、景気サイクルに付随するサイクル要因だ。

なお、アベノミクス効果による資産効果をエンジョイしている富裕層だが、1990年から2012年までの23年間は「逆資産効果による資産の大幅な目減り」を経験していたことは忘れてはならない。
この23年間で、資産価値が▼75%~▼80%という縮小をしている。


重要なことは、経済が拡大する限り、リスク性資産を保有しなければ資産効果をエンジョイできないという経済の常識を認識した生活をすることである。