*** 2016年を考える_3 ***
第二部:世界共通の投資環境_1:片肺飛行の世界経済
(1)複雑骨折を治療中の世界経済
21世紀は20年足らずの間に、三回のバブル崩壊を体験した。
1:1999年~2000年にかけて発生したITバブルの崩壊
2:2006年~7年にかけて発生した住宅金融バブルの崩壊
3:2008年~12年にかけて発生した新興国株・資源エネルギー・重厚長大産業のバブルの崩壊
三回目のバブルは、多岐にわたる分野でバブルが発生し、そのバブルの程度も先進国と新興国のすべてを巻き込んだ壮大なスケールだった。
それゆえ、そのバブルの崩壊も複数年にわたって連続的に崩壊が続くという手ひどいものだった。
複数年にわたって続いた新興国株・資源エネルギー・重厚長大産業のバブルの崩壊の連続は、まるで複雑骨折のようなダメージを世界経済にもたらした。
単純骨折は治りやすいが、複雑骨折は完治までの治療期間が長くなる。
バブルにまみれた国・産業・企業は、長期間の低迷を余儀なくされるだろう。
現在、資源エネルギー価格の低迷、素材産業の苦境が言われているが、そう簡単には克服できないと理解すべきだろう。
(2)片肺飛行の株式市場
サブプライム証券化商品の崩壊、レバレッジ・バブル崩壊は、リーマン・ショックを引き起こし、金融セクターがダメージを受けた。
バブル崩壊のダメージを受けただけではない。バブル処理のために多額の税金を投入することに対する国民の反発から、金融セクターに対する規制が強化され、収益力が低下する状況に陥っている。
バブル崩壊のダメージを受けただけではない。バブル処理のために多額の税金を投入することに対する国民の反発から、金融セクターに対する規制が強化され、収益力が低下する状況に陥っている。
資源エネルギーバブル&新興国バブルの崩壊は、商品相場の崩壊を引き起こし、現在も進行中だ。
バブル対策として4兆元の経済対策で無駄遣いバブルを引き起こした中国は、過剰生産設備、赤字企業・ゾンビ企業に悩まされている。
世界の資源エネルギー産業がダメージを受けている
2015年現在の世界経済は、金融と資源エネルギーの両方がダメージを受け、経済が萎縮している状態だ。