現在保有している銘柄が5銘柄(a,b,c,d,e)でフル・インベストメント状態
そいういう状態で、有望だと感じる銘柄fを発見した
その時、a,b,c,d,eのどれと入れ替えれば良いのか迷ってしまう
例えば、bを売ってfを買おうと思ったとしても、急に新規に買うfよりも、現在保有のbの方が良いのではないか、と迷ってしまう
こういう感情は、「自分が選んで購入したモノには愛着が沸くし、特別な価値がある」と感じる人間の素直な心に起因している
他人から見ればガラクタの空き缶でも、当人にとっては特別な価値を持つ空き缶だと言う精神構造と同じだ
しかし、空き缶と株は別だ
株はあくまでも多数の眼で見て、価値の有無と高低が決定されるものであり、個人的な思い入れは無意味だ
平常心で決断した「fには買うべき魅力がある」という判断は正しいだろう
しかし次の段階で、「保有株を手放す vs 新規リスク・テイクをする」という比較判定作業をしなければならない。
そしてこの時、「失う価値は過大評価され、チャレンジで得られる将来価値は過小評価される」という人間の特性が表面化するのだ
そして株式投資家であれば、
手放そうとしているbの価値は過大評価され、新規リスクテイクして購入するfは過小評価される
という普通の人間の心を是正して判断しなければならないのだ
これは企業経営者でも同じだ
新規ビジネス、新分野に乗り出すと決めた時、社内の既存ビジネスを縮小・撤退することが必要な場合がある
この時まさに、
「失う価値は過大評価され、チャレンジで得られる将来価値は過小評価される」という心が出現する。
既存利益45は新規リスクテイクで得られる将来利益55よりも小さい
しかし、既存利益45は既にある利益
新規リスクテイクで得られる将来利益55は未確定だ
そして既存利益が巨額であればあるほど、さらに巨大な将来利益(=55)よりもスクラップ&ビルドで撤退を決めた既存巨大利益(=45)がドンドン大きく見えてくる
その結果、スクラップ&ビルドを放棄して現状にしがみつく経営者が多くなるのだ
特に、創業者ではなく4~6年で後任にバトンタッチする短期間のサラリーマン経営者は不確実な巨大利益に挑戦しなくなるのだ
話を株に戻すと・・・・
平常心で決断した「fには買うべき魅力がある」という判断は正しいだろう
その時、a,b,c,d,eのどれを手放せば良いのか?
その答えは、a,b,c,d,eの中で購入後の株価動向が最も冴えない銘柄、自分をイライラさせている銘柄、最も含み損が大きな銘柄、それを手放すのだ
春山の約40年の経験ではそうだった
続く
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