2022年7月10日日曜日

覇権の推移を復習してから、為替に戻ろう

 1:「貿易サービス収支が赤字でも、経常収支が黒字ならOK」ではダメなんです、何故なら・・・・

2: 為替が下落した、、、それだけでは悪くありません

3: 日本とアメリカは、同じ土俵で為替を議論ができない


アメリカが覇権国の地位を得る前は英国が覇権国だった

1815~1913年の100年間が「パクス・ブリタニカ」と呼ばれる英国覇権の時代だった。

ちなみにビクトリア女王の在位期間は、1837~1901年だ。


しかし、第一次世界大戦(1914~1918年)と第二次世界大戦(1939~1945年)で英国は疲弊し、覇権を支えた植民地も独立し、第二次世界大戦以降は「とどまるところを知らない没落国」へと衰退した。それが終わるにはサッチャーの登場を待つことになる。


第二次世界大戦終了の1945年~がパクス・アメリカーナの時代だと認識できる

アメリカは、1500年ごろからアメリカ独立戦争(1775~1783年)を経て南北戦争(1861~1865)年ごろまでは新興国の時代だった。

その後は急速な工業化により、1920年代は「Golden 20s、狂騒の20年代、または狂乱の20年代」と呼ばれる繁栄の時代となった。大量生産・大量消費の生活様式が確立し、自家用車やラジオ、洗濯機、冷蔵庫等の家電製品が普及した。


その経済発展のけん引役は第一次世界大戦の特需だった。アメリカ経済は空前の大繁栄をとげ、戦前の債務国から世界最大の債権国に変身した。世界経済の中心はロンドンからニューヨークのウォール街に移った。

この両大戦をはさんだ30年間で、経済規模、技術、金融取引の主役が完全にアメリカに移ったのだ。

新興国時代が約400年、近代的な工業化を経て覇権国になって以降が約80年という変遷だ。


英国は植民地を合計した形で「日の没することのない大英帝国」を築いた。

植民地拡大時代である第二次百年戦争(1689~1815年)には、アメリカ独立戦争(1775~1783年)やフランス革命&ナポレオン時代を経験している。その後にようやく、1815~1913年のパクス・ブリタニカの100年間が到来している。


アメリカには英国のような植民地は無い。しかし、1776年の独立直後からインディアンに戦争をしかけて彼らの領地を奪い続け、その後はテキサスをメキシコから独立(1836年)させた後にアメリカに併合(1845年)し、その直後からメキシコとの戦争(1846~1848年)でカリフォルニアを奪い取っている。

この100年間の領土拡張の侵略戦争で、アメリカは農業地と鉱物資源に恵まれた国家になったのだが、これは大英帝国時代の英国の領土と同様な経済価値を、一つの国家として保有したことになる。


パックス・ロマーナと呼ばれたローマ帝国は、英国型の覇権国家と言えるが、アメリカの覇権形態は地政学的には、ローマ&英国とは異なる。

仮にもし次の覇権国が中国だとしたら、中国の地政学的な覇権形態はアメリカ型だろう。


参考:アメリカの戦争

次回は為替の話に戻ります

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