(1)平時に戻った投資環境
投資環境は、2012-2014年のように、「インデックスを単純に保有していれば、時間の経過ともに、自動的に安定的に儲かる」というバラ色天国時代は終わった。
上図上段のVIX指数(volatility指数)を見れば、極端に低いvolatility環境下で相場がジリジリ上昇するフェイズは終わっており、FRBが実質的に金融政策を引き締めに転換した2014年中盤からは様々な懸念で時々調整が来るという平時に戻ったことが分かる。
つまり儲けにくくなったのだ。
(2)消去法で浮かび上がる米国
2016年に関して、地域ごとの課題を並べた。
相対比較では、米国の課題が少ないと思われる。
米国の課題は大統領選挙に関する政治の混乱だが、「何がどうなるかワカラナイという不透明感」の大部分は年前半には決着がついてクリアーになる。良くも悪くも、「あーなれば、こーなる」が判明すれば、株式市場を下押しする「不透明感」が縮小する。
他地域の課題は今後数年間に渡る懸案であり、折に触れて市場の懸念材料として登場すると思われる。
(3)終わってしまった円安エンジョイ3年間
為替だが、日本はアベノミクス開始から約3年間の通貨安を世界から容認してもらったと解釈できる。日本経済が円安によって再生すれば、その後は世界経済に貢献すると世界が考えたからだ。
それは2005年で終わった。昨年5月に浜田&黒田両氏の「過度な円安をけん制する」という発言が出たことが象徴的だった。もう時代は変わり、世界には円の独歩安を容認する余裕はなくなった。
そして今や世界の首脳、特に米国は新興国対策を考え始めている。
それは過去においては、ドル高の抑制を意味した。
図に示された①の時代に戻ることは難易度が高いと判断する。
(4)資産配分
2月11日に推薦資産配分の変更を実施した。
日本と中国その他、2地域の株を減らして、米国株にシフトした。
114円割れの為替レートであれば、ドル安を株高が上回っておつりがくると判断したからだ。