2019年4月26日金曜日

10連休を前にしての相場観察

上昇中の市場が数週間を超える調整フェイズに入るには、「下がったら買い」の戦略が失敗する局面が起こらなければならない

(1)下がっても、そこで買ったポジションが短期間で利益ももたらす好循環では、下がったら買う投資家が多く存在するので、朝は下がっても後場には買いが優勢になって「下髭の長いローソク足」となる
それを見て翌日には「長い下髭=買うべし」という買いのフォロワーが増える。
こういうプロセスで上昇トレンドが継続する。

(2)しかし、何かをキッカケに、その「下がったら買う」という条件反射的な(=パブロフの犬的な)投資行動が失敗する時が来る。
長い下髭にならない、翌日の続落でナンピンしても次の日の上がらずに含み損が膨らむ。そうなって始めて、「あれ、変だな?」と投資家は感じ始める。

この時点で「伸るか反るかの分水嶺(a)か?(b)か?」が来る。
(a)そこで相場が踏みとどまり、「あー、あそこで売らないで良かった」という反転上昇がくる。確率はあまり多くない、と思う。

(b)そこからさらに下がってしまい、買いポジションが大きな含み損となり、徐々に損切を始める投資家が出始める。しかも、このフェイズでもナンピンして反転上昇に期待する投資家がいるので数日程度は戻り局面になることもあるが、高値を切り下げながら「大勢下げ局面」に転じていく。これが、数週間を超える調整フェイズに入る典型的なパターンだ。



現在は、まだ(1)の局面に留まっている、と観察できる。
次の市場は5月7日だ。米中の外部要因が色々と起こるだろうが、水晶玉を持っていない春山には将来が見えない。
さて、どうなるだろう????

関連過去記事:下げ局面での買い出動の三分類(ファンクラブ、モリモリ、スマート)

2019年4月13日土曜日

お金を増やすこと VS 使うお金を増やすこと

量的緩和、QE、異次元緩和、、、これらすべては金融の緩和
つまり、お金の量を増やすことだ。

お金の量が増えれば、株や不動産といった資産価格が上昇する
しかし、経済が本格的に好転するには緩和だけでは力不足

経済の本格好転には、増えたお金を民間が有効活用して景気を持続的に拡大復活させるという民間部門の積極的なリスク・テイク行動が必要だ

お金を使う人が増えて、物やサービスの購入量が増加し、それに伴って人の雇用の増加、物の仕入れ量の増加、金を借りる量の増加が持続的に続いて、経済が拡大基調になるというプロセスが起こって欲しいのだ

「お金を増やすこと」と「使うお金を増やすこと」は別次元の話だ。

21世紀の景気回復政策(ITバブル崩壊後、金融不動産資源エネルギー・バブル崩壊後)においては、「お金を増やしてもインフレにならないなら、増やし続けてもOK」という論調が多数派になってきた。

現在では下記記事に掲載されているように、「政府が使うお金を増やしてもインフレにならないなら、増やし続けてもOK」という論調が増えつつある。

お金を増やしても民間がお金を使わないなら、政府が使おう!、、、という論(新MMT)だ。
参考:Modern Monetary Theory

量的緩和、QE、異次元緩和においては、民間が保有する金融資産を中央銀行が買い上げてお金を増やしている。もう少し言えば、政府が発行する国債を、民間に買ってもらって(=ワンクッション置いて)その後に国債を中央銀行が買っている状態だ。

MMTでは、もっと国債を発行して、政府の財政出動の規模を増加させることになる。



これまでは、国債発行の多くの部分が国家予算の固定費(医療、福祉、過去に発行した国債の借り換え)に使われるので、景気浮揚政策に使える部分が少ない。

MMT理論が主流になれば、現状の国債発行を+30~50%増加させて得られた資金を「金を使う政府支出=真水の景気対策」に使えることになる。

お金を増やしても民間がお金を使わないなら、インフレは起こらない。

タンスに眠る(=銀行預金に眠る)お金はモノに向かわないからだ

しかし、政府が民間に代わって、どんどんお金を使いだせば、モノやサービスにお金が流れ込むことになる
景気とインフレにインパクトが出るだろう。

民間が使おうが、政府が使おうが、お金に色はない
以前の中国で、公的部門が贈答賄賂で大量の物(高級品)やサービス(レストラン等)にお金を使っていて、景気が良かったというのと同じだ

日本だと、老朽化したインフラを一気に更新整備して、次の100年間の資産として活用するなどは有効な使途だろう

ポイントは、インフレが起こり始めたら、政府の支出を低下させるルールを誰が強制するか、ということだ。
有権者は使い続けて欲しいと言うだろう。
政府のお買い物で潤っている(=政府に依存する)ビジネスからは、「まだインフレではない、足元のインフレは善だ」という論調が出てくるだろう。
民主主義の有権者は古今東西そういう「困ることから目をそらす性癖をもつ人間」であったことは歴史(特に1950年代以降)を振り返れば明らかである

2019年3月31日日曜日

2019年の金融緩和は「前回の轍を踏む」ようなガードの甘さが出るか?

2009~2014年の金融の長期&大緩和にも関わらず、金融、不動産、新興国、資源エネルギーには過剰な資金が流れ込むバブル的な状態にはならなかった。

投資家の頭には前回の失敗の記憶が鮮明に残っていて、全体の轍を踏まなかったのだ。
参考;前回バブルには触るな:http://haruyama-shoka.blogspot.com/2016/09/blog-post_29.html


2019年は方向的には、金融の緩和だ。
金融不動産セクターの動きは下図のようなサイクルになる。
程度の大小に応じて、通常の景気サイクルか、Boom and Bust的な大騒動か、が違ってくる


2019年の緩和は「2009~2014年の金融の長期&大緩和」と比べれば規模的には小さいと思う。

小さいからと言って、投資家のリスク・テイク姿勢が相応に小さいとは言えない。
2009年以降の投資家は「羹に懲りてなますを吹く」状態でリスク・テイクが小規模だった。
一方相場は大幅に上昇した。
その結果、相場の恩恵を享受できていないと感じる投資家が多いと思われる。
「次回のチャンスこそは!」という思いの投資家も多いだろう。

ならば、2019年の緩和が小規模であっても「前のめりになる」投資家が意外に多いかもしれない。
その辺の見極めは日々の相場の中身を継続観察して感じて把握して判断するしかないのだが、来るだろうという視線で春山は観察するつもりだ

楽観的な考え方と思われるだろうが、現在の雰囲気は1988年みたいな(と言ってもわからない人が多いだろうが)感じを受けているのが春山だ。
大変だぁ!と思って相場は下がったが実体経済はリセッションにはならず穏やかな景気の踊り場で通過した1987~1988年を思いだすのだ。



時間の絶対的な長さは、当時と2018-2019年とは異なるのだが、相場と経済のリズムは似ているように思う春山です。
さて、どうなるだろう?

2019年3月30日土曜日

メモ:2019年1-3月を終えて

現在の超長期波動は、2009年1月末を起点にしている。
その特徴は、先進外国株と先進アジア4か国株が群を抜いて良いパフォーマンスを示している、という事だ


リーマンショックの最安値以降、新興国は約1年間は大幅な反発を見せたが、2011年以降は、リーマンショックの後遺症とも言える様々な問題(=実態悪)が噴出して、株価はさえない展開を続けている。



先進外国株の筆頭である米国株は順調に上昇を継続している。
しかも上下動の少ないジリ高が続いており、その安定性は群を抜いている
そして、上昇の軌跡は前回のメガ・トレンド(緑線:1982年~)とほとんど同じ上昇率を示している。

現在は「2009年~2014年」の急騰局面を経て、巡航速度での上昇フェイズに入っている


一方日本株は、いつも通りのボラティリティの高さを見せている。
昨年後半以降は、米国と中国の動向に左右される他力本願状態が強まっている。


日米株式の安定性を比較すれば、下図のように一目瞭然だ。


なお、長期の日中米三か国のパフォーマンス比較だが、下図左が1975年起点、下図右が2000年起点だが、日本株だけに投資する不利益は明らかだ



その日本だが、アベノミクスによって失われた23年(1990年~2012年)の苦難を脱した。しかし、昨年末以降の金利市場の動向を観察すると、アベノミクス以前に逆戻りする懸念が頭をもたげてきている様子が見て取れる。
その背景は、アベノミクス効果の賞味期限切れ、そしてポスト・アベノミクスの不透明感、経済運営に責任感の無い野党の惨状ということだろう。



世界の他の国のような正常な金利体系に戻る日が来るのだろうか?
来ないのなら、再び「円高&デフレ」が来るのだろうか?
そんな不安と戦うのが2019年だろう


米国の長期金利は、「2.5%~3.0%」のゾーンまで上昇したが、米中貿易戦争の悪影響懸念で2.5%を割り込んできた。



2019年に入って、10年金利が急低下しており、「FRBは利下げすべし、景気はリセッション入りする」という債券投資家の声が増えている。
しかし、自動車、住宅、雇用の状況はリセッションになる可能性は低い事を示している
また、リセッションはバブル崩壊によっても引き起こされるが過去2年ほどを振り返るに、経済を崩壊させるようなバブルは起こっていない


中国は昨年春以降に金融緩和に着手し、2019年に入っても財政出動などの景気対策を加えてきている。問題が起こる前に手を打っていると判断できる。


商品相場は、資源エネルギーバブルの崩壊以降の横バイ相場が続いている。
原油はトルコでのサウジ人反体制派運動家(カショーギ氏)の暗殺事件(by おそらく皇太子関連)が起こり、それによって起こった国内の不安定さを鎮静化するための巨額バラ撒き政策(2万人の王族への口封じ巨額バラマキが中心、それに庶民へのバラ撒き)の資金捻出のための原油増産懸念によって、原油価格は40ドルまで下落したが、最近は落ち着きを取り戻してきた



ゴールドは、原油以上に安定的な横バイ状態だ


世界景気の一致指標としての船賃指数は、関税引き上げ前の駆け込み輸出による船賃上昇と、その剥落後の米中貿易戦争の悪影響懸念による急落、という大変動の2018年であったが、2019年になると低位安定で推移している。
船賃の上昇には、貿易戦争の終結を示唆するサインが必要だろう。




2019年の相場は堅調だと考えている。
日米中ともに2018年の下げを取り戻す(=2年間通算でチャラ)と推定している。
とはいえ、1-2月のハイペースの上昇(年率60%ペース)は維持不可能だ。
年率25%程度の上昇でも十分に好調な上昇相場であり、それを勘案すれば下図に示したような、5-8月の中だるみ調整が来る可能性が高いと考えている。



2019年は、年初と秋の2回の投資チャンスがくる、という考え方で投資戦略を組み立てたいと思う。

2019年2月24日日曜日

情報を宝の地図に変える

Doblog時代に書いたブログの追記編集再掲です

ブローカー情報を 賞味期限で振り分けると 80%は1日、15%が1週間、残りの5%が1ヶ月程度という認識が多いようだが・・・・


春山の思うところは・・・まずは、
情報の賞味期限に関しては、多くのレポートが短い。

理由は、明白だ。
内容が分析や判断ではなく、新聞・雑誌・TVと同じような、『今日のニュース』的な聞いてきたり見てきたりした『事実の転送』だからだ。

売りまたは買いという分析・判断まで踏み込んだ内容なら賞味期限は長く読む価値はあるが、
新聞・雑誌・TVのような事実の転送のレポートは、ネットの方が早く流布するからブローカー・レポートを読む価値は低い。

私自身このBLOGに関しても、自分の過去のBLOGを読み直していて最近感じていることだが、単なる事実の記載だけの記事は一定期間経過後に削除しようかと思っている。


ブログ記事の賞味期限に関しては、過去の記事と最新の記事が有機的に結合することによって、価値が倍増することで長くなると思う。


一つの記事が日本株というカテゴリーに属し、同時にハイテクというカテゴリーにも属し、さらには設備投資減税というカテゴリーにも属するということが常態だ。

配信される情報に、『この情報は、A・B・C・Dという項目に影響を与えます』という事を読者に感じさせるとか、見せる・示すなどが簡単・便利に出来れば、そのレポートの価値はアップするだろう。
さらには、
過去記事とリンクで結合・検索が付加されていれば、さらにレポート価値はパワー・アップですね。(その意味では、Webのリンク機能の発明は、ノーベル賞級のパワフルな発明だと思いますね。)

要は、有用なレポートとは、かくも作成に手間のかかる面倒くさいシロモノなのだ。
アナリスト、リサーチャーは、毎日のように顧客向けにレポート・コメントの作成を要求される。
レポートの数が給与に比例するとも聞いている。私の友人で自動車のアナリストと先日会ったが、彼は年間200本もレポートを作成させられるそうだ。こんな馬鹿な評価基準も、無用のレポートが粗製濫造される要因かもしれない。


情報の有用性は、受け取り側の投資のスタンス、対象、スタイル、期間などによって異なる。千差万別の顧客全員の興味を満足させるレポートは膨大なサイズになるし、そんなものは有用な部分を探し出す手間がかかるので不人気になるから、現実的には事実上作成不可能だ。
次善の策を考えれば、『最大公約数的なレポート』を作成することになり、その結果、新聞・雑誌・TV的なレポートが各社から作成・発送されるようになる。

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春山の思うところの2個目は・・・・

情報は追跡的なお互いのinteractiveなやり取りで、単なる情報から『宝の地図』に変身する。つまり、宝の地図が、共同作業で出来上がる
何をポイントお互いのinteractiveなやり取りをするのか?
(1)大きな部分 : Potential、終着点を見極める
このビジネスがどこまで大きくなれるのかを判断する。
同時に、ビジネスの性質として、ライバルが早期に参入して価格競争が始まる可能性の大小を判断する。
(2)小さな部分 : タイミングの善し悪しを判断する
収益モメンタムを織り込んで(≒先読みして)、株価上昇のモメンタムが加速するか否かの判断だ。

いずれの場合も、世間的に「懸念が残っている。反対する投資家が残っている」状態が望ましい。
彼らが徐々に「売り戦略に白旗」をあげて「買い陣営に嫌々ながらも同調する」プロセスが期待されるからだ。

2019年2月1日金曜日

春山ルール48 : 現金比率のコントロール(第六原則)

投資する際の行動を律する原則、あくまでも春山原則だが、は以下の通り

第一原則
「総員撤退 → 休め → 出撃 → 総員撤退 → 休め → 出撃 」の流れ

第二原則
出撃から総員撤退までの期間は、100%投資、フルポジション

第三原則
5銘柄投資、日中米三か国で5銘柄、1銘柄20%
20%という意味は、1000万円が全体資金なら、1銘柄=200万円

春山は常時10-15銘柄を投資候補として観察しているが、その中から「今にふさわしい5銘柄」に投資するように心がけている

第四原則
200万円以上は買わない

第五原則
200万円で買った銘柄が値上がりして、25%のウェイトになったからといって5%の売り(=バランス調整)はしない

最初から、個別銘柄を5個買う必要はない
インデックスに投資しながら、ゆっくり大きく儲かる企業に遭遇するチャンスを待てば良い。(下図参照)

なお、個別株に関するポジション構築、買い方は下記のブログ記事を参考にしてください
1:春山ルール 46 : ポジション構築ルール
2:下げ局面での買い出動を三分類(ファンクラブ、モリモリ、スマート)

2019年は下図のような投資を開始するにふさわしい年(出撃の年)だと思う。
出撃の年、、これは戦略的判断



さて、一旦フルポジションになった後、総員撤退(=戦略的判断)までは「どのように現金比率をコントロールするか?」が重要だ
これは、戦術的な判断

あくまでも春山の戦術判断としての投資原則は以下の通り

第六原則
売りは個別銘柄ごとに判断する
市場の雲行きが怪しいからと言って、全体を20%売る(=トリミング)はしない
市場が好調に見えるからといって、個別銘柄の売り判断を躊躇しない

つまり、現金は個別銘柄を売った時に生じるのだ
1銘柄売れば20%の現金ポジションになる

その際、常時観察している10-15銘柄の投資候補の中に「今投資するにふさわしい銘柄」があればそれに投資するが、なければ20%の現金をそのままにする

その後時間が経過し、常時観察している10-15銘柄の投資候補の中に「今投資するにふさわしい銘柄」が出現(株価の下落によるチャンス、好材料の出現による投資魅力の増加)すれば投資する

この第六原則は、他人やインデックスと競争しないという春山の哲学に基づくものであり、他人やインデックスと競争する宿命の投資家には非該当だと思う。
個人投資家は他人やインデックスと競争する宿命が無いので、春山的な淡々とした投資行動をお勧めしている。