1:2018年1月23日以降の株式市場の反応
金利上昇の世界の株式へのインパクトは2009年以降では二回目だ
下図の②の時が、FRBの緩和終了の模索時に起こった金利を引き金とする最初の調整だった。
前回は資源エネルギー・バブルの最終崩壊プロセス(=副作用)も加わったために、約1年かの調整となった。今回は副作用が顕在化しないなら、1回目よりも短期間だろう。
長くても11月6日のUS中間選挙前までだろう
2:日本の試練
2012年10月以降はアベノミクス相場だ。
アベノミクスの目標は、a: デフレから脱出し、2%のインフレ率を目指す、b: 行き過ぎた円高を適正なレベルまで円安に戻す、c: 民間の経済活動を活性化させる、という3項目だった。
それを達成する手段が、1:大胆な金融政策 by 日銀、2:機動的な財政政策 by 政府、3:民間投資を喚起する成長戦略 by 政府、という3本の矢だった
1:3本の矢の中で、大胆な金融政策by日銀が最強の矢だった。日経平均は、約3倍に上昇した。円高も是正された。
2:機動的な財政政策は、税収不足と膨れ上がる年金&医療費という2重苦の制約があり、思うに任せられなかった。
3:民間投資を喚起する成長戦略は、規制緩和と表裏一体である。しかし、その多くは実効性に乏しいままで今日に至っている。
国債の買い入れ、株式のETF形式での買い入れ、Jリートの買い入れのペースダウンは市場全体のvaluation(PERやPBR)に下方圧力となるだろう。そういう認識があるから、1月23日の金融政策決定会合の内容とその後の黒田総裁の記者会見は、言葉は優しいが内容は相場に対しては厳しいものと受け止められ、株式は大幅な下落を演じた。
2016~2017年の世界景気は大幅に改善した。(下の日経新聞記事参照)
日本の株式市場に上昇されている株の多くは世界基準で見れば「循環株、景気敏感株、value株」であるが、それらの株が好影響を享受したのが過去2年間だった。
日本の株式市場に上昇されている株の多くは世界基準で見れば「循環株、景気敏感株、value株」であるが、それらの株が好影響を享受したのが過去2年間だった。
景気モメンタムの低下はUS株式市場(日本よりもGrowth的な企業が多い)よりも日本株式には辛い状況だ。
しかも、これまで「政治的に安定しているから、日本株は買える」という好材料が揺らいでいる。昨年の森友問題以上の安倍政権は安定度が低下している。
この政治的面での不安定さと日銀の態度の変化を理由に外国人投資家は、2018年は8兆円以上を売り越している。
外国人投資家にとって、そもそも「volatilityが高く、returnの低い」日本株は年金資産に不向きであり「opportunistic investment」資産という位置づけが多い。
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