2018年4月4日水曜日

ドル円 150年の歴史

今から約150年前、江戸時代末期は、1ドル=1円でした。
2018年4月4日では、1ドル=106円です。


この約150年間でずいぶん円安になったものです。

明治時代から昭和10年代まで、長い間日本は貿易赤字に悩まされ、輸入代金を支払うお金が不足していました。
その間に、1ドル=1円から1ドル=4円程度まで円安が進みました。70年弱で75%円安(4分の1の価値に目減り)になりました。

次に、第2次世界大戦を挟む15年弱の短期間に、1ドル=約4円から1ドル=360円まで急激な円安となりました。
何と90分の1に目減りしました。

その後30年弱は、360円から80円(1995年5月)まで円高でしたが、その後は、一旦円安となった後、長期の円高になっています。

過去150年を振り替えると、円安の時代のほうが長いです。

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戦前の円と戦後の円は違う???
第二次世界大戦が始まる前の昭和14年の終わり頃は、それまでの長期間の貿易赤字などで円安が進んで、1ドル=4.25円になっていました。


 そのころ、満州・中国・その他アジア諸国へと戦争を拡大していった日本は、昭和16年(1941年12月)に、ついにアメリカと戦争に突入しました。この時点で、公式にはドルと円の交換は中断されました。

 しかし、闇市場では為替市場が続いており、円安が加速していたことでしょう。1990年にイラクのフセインがクウェートに進行して始まった湾岸戦争の時、イラクの通貨は大幅に下落しました。


1941年当時、日本がアメリカに戦争を仕掛けるなんて、湾岸戦争と似たようなものでしたから、第二次世界大戦開戦直後、円がドルに対して大幅に下落下したことは間違いありません。

 さて、昭和20年(1945年)日本が負けて戦争が終わり、日米の貿易が再開されます。ドル円の為替も再開です。
 しかし、この時はまだ、1ドル=360円ではありません。


 昭和20年(1945年) 1ドル=15円
(1946年2月16日、新円への切り替え
 昭和22年(1947年) 1ドル=50円(1月、復興金融公庫の発足
 昭和23年(1948年)1ドル=270円
 昭和24年4月25日(1949年) 1ドル=360円



というように急速・大幅な円安となったそうです。
戦後の超大幅なインフレで、日本円の価値がドンドン下落(外国のお金に対して)していったのです。

ここでおわかりのように、戦前の円と現在私たちが使用している円は、ズーッと切れ目無く連続していると言っても良いでしょう。

無論お札のデザインは何回も変わりました。
戦後の超大幅インフレを止めるために、わざとお札のデザインを変えたこともありました。その時(1946年2月)は、古いデザインの紙幣の有効期間を約一ヶ月と極端に短くして、タンス預金を短期間に新しいデザインの紙幣に交換しました。


しかも、新しいデザインの紙幣に交換しても、そのお札は家に持ち帰ることはできず、銀行に強制的に預金させられ、かつ引き出しは一定金額に制限されました。

いわゆる、『旧円から新円へ』の切り替えです。これは、世の中のタンス預金を銀行に強制的に預金させて使えなくすることによって、過剰な消費を抑えてインフレを退治しようとしたのです。



しかし、急激な円安は、新円に切り替えられた後に起こっています。
日本復興の為に設立された復興金融公庫(1947年1月発足)が、大々的に資金調達(=事実上のお札の大量発行)をして復興特需を創造していったからです。

復興融資は、全国銀行貸し出しの33%になった。
融資資金の3分の二の資金は、日銀が融資した。




第二次世界大戦前に日本円の預金・不動産・株などを保有していた外国人は大損しました。
逆に、ドルやポンドで借金をしていた日本政府は借金が100倍に膨れてしまいました。




ただ、日本がエライのは、この100倍に膨れ上がった借金を、苦労しながらも完全に返済したのです。まあ、返済の期限は20~30年ほど伸ばしてもらいましたが。
それから、もう一つ。昔、円の下は、銭と厘がありました。この銭や厘はなくなったのではありません。
どっこい、今でも日本円の単位として、法律的にはチャント存在しています。

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