2016年9月17日土曜日

固執せず、自由になり、全体を見る

債券投資家と株式投資家の基本的な心理状態、もしくは深層心理に刻み込まれたDNAは異なっている。

仕事としての投資に関して、円債からスタートして、外国債券、為替、外国株式、日本株式という順番に相場の世界を経験してきた春山(商品は未経験なんです)なのだが、体験として「株と債券の投資家の心理の違い」は良く分かる。

「ビジネスの
円債投資家(=運用手数料で生活する)」であれば、円高&デフレは円債のパフォーマンスを向上させるので、世間は困るかもしれないが、自分の給料やボーナスは増える
逆に、景気が良くて民間企業の給与やボーナスが増えても、金利が上昇していると債券のパフォーマンスは悪化するので、自分の給料やボーナスは減ってしまう。

債券部門で働いていた時に、「俺たちゃ、不景気という世間の不幸を喜ぶ商売なのさ」と先輩が言っていたのを覚えている。

外国債券と為替を担当するようになると、景気鈍化による金利低下は嬉しいいものの、円高は困るなという複雑な気持ちに変化した。
そして外国株式、日本株式と守備範囲が広がるに連れて、心理状態はさらに変化していった。

内外の株と債券と為替の全部を経験して今では、株だろうが、債券だろうが、商品だろうが、為替だろうが、長期投資だろうが、ディトレだろうが、カラ売りだろうが、、
何で儲けようと100万円の儲けは100万円だと達観してしまうと、債券が安心とか株の方が良いとか固執しなくなる。
(参考:何で儲けても百万円は百万円である
固執しなくなる=自由になる=全体を見るようになる、、そういう事だと思う

さて、証券投資の世界を地球上空から見れば・・・
投資家が10人いて、7人が債券投資家で、3人が株式投資家
資産が100あれば、債券(預貯金、MMFなど短期金融商品を含む)が80で、株式が20
・・・こんなイメージだと春山は思う。

日本の個人金融資産に占める預貯金の割合は驚くほど多い。
証券投資の中では、債券物が圧倒的に多い。
日本上空から見れば・・・
投資家が10人いて、9人が債券投資家で、1人が株式投資家
資産が100あれば、債券(預貯金、MMFなど短期金融商品を含む)が95で、株式が
・・・こんなイメージだと春山は思う。

日本人は元本の増殖よりは金利収入を好む、、と言われる。
しかし、証券投資を仕事としてから7-8年経過したころに、「どうも違う」、正確に言えば「元本の増加減少を考えようとしない」のだと分かってきた。
でも金利だけは厳しく比較する。

将来のことはわからないのだから、考えてもしょうがないだろう、どうせ当たらないだろう、考えるだけ無駄だよ、、、極端に言えば、そういう心理状態だろう。

結果的に、
元本の将来動向を考えようとしない
しかも、少しでも高い金利水準を盲目的に選択する。

以下は、極端な例かもしれないが、春山が実際にセミナー終了後にお客様との自由懇談時に経験した会話だ

春山:豪ドル建*+*という商品をお持ちですね。元本は将来的に不確定ですよ。為替が変動するから
お客様:いいのです、毎年結構な金額が年金みたいに口座に振り込まれるから
春山:でも長くは続かないですよ、既に元本を食いつぶしている蛸配当だから
お客様:意味が分からないけど、セールスの人は将来はわからないけど大丈夫でしょう、と言ってました。
春山:セールスの発言は口から出まかせだから、気休めにしかなりませんよ。
お客様:いいの、考えてもわからないから

春山:株のファンドはいかがですか?
お客様:いいの、株はわからないから手を出さないの

考えてもわからない、なら手を出さない、投資的にはそうです。
分からないから、株には手を出さない。。。なるほど
でも、債券なら分からないけど手を出す。。。。えーっつ!???
こんな行動じゃ、大切なお金を投じるのが、鉛筆転がすのと同じで、投資じゃないと思うのですよ。

皆様には、全体を見て欲しいのです。
毎年、ほんの少しだけ向上すれば、のほほ~んとしている人よりは確実に上手になり、損失を回避して儲けを増やせます。
これって人生で最も大切な行動の一つだと思います。

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