冷戦というな名前は後年付けられた
それは、ソ連による「共産主義世界革命」を防止するためのUSの戦いだった
アメリカは人的・金銭的・政治的に同盟国を援助し、アメリカの持ち出しの時代が長期化することになった
1945年以降、ソ連は東欧&中央諸国を次々に共産党政権が支配する社会主義国家にした
1946年にはモスクワのアメリカ大使館勤務のジョージ・ケナンのソ連の政治分析に関するワシントン宛の長文電報により、アメリカ政府はソ連の封じ込め政策を決断する
その後、1948年にはベルリン封鎖よるに第三次世界大戦危機が発生
1962年にはキューバ危機で世界は核戦争の危機に怯えた
経済は自由を失い、冷戦という枠組みの中で制限された、政治による経済の統制の時代だった
しかし、1960年代にはじまる中ソ対立が武力紛争まで深まり、1980年代以降はソ連のアフガニスタン侵攻の失敗と資源エネルギー価格の低迷によるダブルの悪影響で、急速にソ連の国力が低下した
そのころから、実質的に冷戦は終わり、経済でソ連を圧倒することが、アメリカがソ連に打ち勝つことだと認識されるようになった
冷戦が真っ盛りのころに政府の巨額予算を得た軍需産業は新技術の開発の拠点をソ連から遠い西海岸に置いていたが、冷戦の終焉に向かって新技術を軍事ではなく民事に転用する必要に迫られた
1980年代からtake-offするPCを中心とするITの発展にそれらの新技術が貢献していった
冷戦の政治的な終了は、1989年12月のブッシュ&ゴルバチョフのマルタ会談を待たねばならず、それまでの間、アメリカは同盟国の商品を購入することによる貿易赤字(=実質的な経済援助)が続いた
同盟国は、第二次世界大戦後のアメリカの持ち出し、貿易赤字による経済援助を「永遠に続く所与のもの」と考えるようになった
政治の軋轢から解放された経済は徐々に羽目を外し、リーマンショックを引き起こすまでに暴走した
それを契機に金融機関に対する規制強化、部分的な政治の復権、経済の自由の制限が始まった
そんな状況で、2017年にトランプが大統領に就任した
第一期トランプ政権時に明確化したのは、グローバリズムの終焉だった
経済が政治の束縛を受けずに自由に活動できる(経済が政治よりも重要、上位に位置する)時代が終わり、政治が経済よりも優先される時代への揺り戻しが始まった
その後の民主党バイデン政権の雌伏の4年間で十分に計画し作戦を練った第二期トランプ政権は猛烈なスタートダッシュをかけている
4年間で「America First, Make America Great Again」という国際関係の革命を目指している
アメリカの政策の自由度の復権のために必要な政策が続々と打ち出されている
政治パワーの基礎となるのは、強力な経済力だ
その経済の重要部分(例:AI、半導体、IT産業など)に関して海外依存を低下させる、特に大国化した中国への依存度を低下させることを目指している
アメリカ国内の支持者や有権者に向けたショー的な部分も必要悪としては存在し、輸入品を国内生産に変更して国内工場を増やして雇用と所得の改善をアピールする政策は続くだろう
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