2020年1月6日月曜日

毒を持って毒を制す作戦? 困ったサウジがISILに援助を再開?

今回の騒動の発端はカタイブ・ヒズボラ(KH)の著しい伸長
事の始まりは、2019年12月27日にイラク北部キルクーク近くの米軍基地がロケット弾攻撃を受け米軍事企業の米国人1人が死亡、米兵4人が負傷したことだ。
その報復措置として、米軍は2019年12月29日に複数のカタイブ・ヒズボラ(KH)の拠点を攻撃したのだ。
(参考:https://www.afpbb.com/articles/-/3261734


それを受けてイラン+イラク政府(シーア派)+カタイブ・ヒズボラ(KH)は、テヘランの米国大使館を包囲して示威行動をした
参照:https://www.trt.net.tr/japanese/shi-jie/2020/01/02/iraku-kataibuhizuboragazai-irakumi-da-shi-guan-qian-karache-tui-1333131



示威行動が一旦は収束と思われた直後に1月3日の米軍によるイラクのソレイマニ司令官とカタイブ・ヒズボラ(KH)の指導者と言われるムハンディスが殺害された。
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その後、
イラン+イラク政府(シーア派)+カタイブ・ヒズボラ(KH)が、外国軍部隊の国外撤去を要求している。正規の外国軍隊に対する撤退要求であり、それは米軍だけである。
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今後の予想は国際政治の素人の春山には予想が困難だが、スンニ派の武闘勢力であるISILがイラクから排除された現状では、イラク人の民兵組織カタイブ・ヒズボラ(KH)を米軍が殲滅することは不可能だろう。
イラク国民の多数派はシーア派であり、その武闘派民兵組織のカタイブ・ヒズボラ(KH)を支持しているからだ。
ベトナム戦争のベトコンに負けた米軍という構図が再現されるかもしれない。

正規軍は民間人の恰好をした神出鬼没の民兵には勝てないのだ。
そして、正規軍の武器は小型の移動式のミサイルや小型のドローン攻撃には対応できないのだ。

こういう状況で困るのはサウジだろう。サウジには国を守ろう、外国の軍隊を排除しようという強い意識を持った民兵はいない。
毒を持って毒を制するという作戦で、ISILへの援助を再開して、イラクに侵入させる、、そんなシナリオもあるかもしれない。

ちなみに、ISILの指導者バグダーディーは2019年10月26日に米軍によって殺害されている。
バグダーディーに関しては、ここwikipediaをご覧ください



そうなれば、イラクは内戦になる。
スンニ派のISILとシーア派のカタイブ・ヒズボラ(KH)が戦闘状態になるだろう。
そうなれば数年間の内戦だろうから、内戦の収拾が見込めない状況判断から米軍は撤退するだろう。
中東アフリカ100年戦争の第二フェイズに突入するのだ。

中東原油が減少して困るのは、中国、日本、韓国などアジア諸国だ
米国は中国が困る状態は歓迎するかもしれない。
米国はエネルギー資源の輸出国になっているから、中東原油の減少の影響をほとんど受けない国になっているのだから。

無論、テンションが高まった時に、US+イランの劇的な和解もあるかもしれない。
国際政治は何がどうなるか不確定な要素が多いのだから。

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