2019年4月29日月曜日

日経平均のPERの変化、その背景(2)ドル円為替相場に対する一喜一憂

前回の続きだ

日経平均のPERの変動幅は大きい。
短期間で3倍程度(15倍←→18倍)は動いている


3倍の変化は、株価という観点からは大きな上下動の要素になる
下の4月24日の状態「PER=16倍、株価22200円」という水準を起点に計算すれば、



PER=15倍なら、22200 X 15/16 = 20813円
PER=18倍なら、22200 X 18/16 = 24975円
というように、4000円も株価を変動させることになる

PERを変動させる原因としては、ドル円為替相場は、予想利益の前年比と並んで大きいファクターなのだ。

下図を見れば、ドル円相場の変動がPERを大幅に上下動させていることがわかる
その結果、日経平均株価は短期で結構な上下動をしてしまうことになる。


1971年8月15日のニクソンショック(金とドルの固定レートでの交換終了=変動相場へ)で金本位制(1ドル=360円の固定為替制度)が完全に終焉を迎え、その後の長期的なドル安円高を経験した日本人の体内には「為替=ドル安円高」という条件反射的な思考回路が出来てしまったように思う。

360円から80円へのドル安円高の過程で、日本の輸出企業そして日本経済は塗炭の苦しみを経験した。
だから、ちょっとでもドルが弱くなると、経営者も投資家も過剰に反応するようになってしまったのだろう。

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