2015年7月6日月曜日

オーバーストレッチへの「しっぺ返し」

EUとユーロは拡大しすぎた。
いくつかの勇み足、やり過ぎ、実力以上の拡大をやってしまった。

今のEUは、拡大しすぎて、戦線が伸びすぎて、ロジスティックが不可能になった軍隊だ。

そんな軍隊は、敵からしっぺ返しを食らって、撤退せざるを得ない。
ひどい場合は、撤退する際に大きな被害を受ける。
ナポレオンのロシア遠征が良い例だ。


EUにとっての「ロジ」とは、ダメな国への資金援助である。

つまり、EUの資金提供者(ドイツやUK)の資金が、ダメな国までも潤うような経済財政状態であることが、戦線を拡大(EUやユーロの拡大)に必要な条件なのだ。
現状の解決策は、ロジの拡充、もしくは一旦は実力の範囲まで撤収のどちらかである。

ロジの拡充

USのように負債を拡大してレバレッジ経済路線を採用する。
経済を膨張させ、ドイツやUKの余裕資金を増やす戦略だ。

この戦略では、金利、インフレが少し上昇する。そして、余裕資金は名目の金額だし、借金も名目の金額だ。だから、実質的に借金が目減りするから、借金国の問題は和らぐ。


しかし、通貨高&アンチ・インフレ政策のDNAが植えつけられたドイツが主導する欧州には、それを採用することは、今は無理だろう。

撤収
経済合理性からすれば、こうなるだろう。
しかし、ダメ国家群は南欧に多いし、これらはフランスの仲間なので、フランスが大反対するだろう。


撤収戦略では、EU内、特に独仏の政治関係が険悪化する。EUにおける撤退する際の大きな被害とは、こういうことだろう。

結局

経済合理性に反する経済システムは、結局は破綻する。つまり、経済格差を放置して、通貨価値を維持する、、、それは破綻するのだ。

だから、形式的にEUを維持するのであれば、ユーロを採用しない国(英国のように)の増加とか、2部リーグ的な地位のEU加盟国、といった国が増えた形のEUに変質するだろう。


オーバー・ストレッチ問題
ギリシア、ウクライナ、、これが代表的な事例として歴史に残るだろう

ウクライナにもちょっかいを出してしまったEU
ロシアのしっぺ返しにあって、EU加盟はたなざらし(ロジの実力が追いつくまで)
欧州がウクライナを丸抱えできるような経済的な余力を持つことを意味する参考ブログ記事:http://haruyama-shoka.blogspot.jp/2015/04/blog-post_43.html

ウクライナがEUに入るとき、ギリシア問題は解決しているだろう。ウクライナを抱え込むに必要な金額は、非常に多額だ。
ロシアでも無理と言われている。
それが可能になったEUなら、ギリシアへの援助など簡単だろうから。


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