2016年1月15日金曜日

一物二価の中国株だが、十把一絡げ論の裏にチャンスあり

上海上場のA株は割高だ。
香港のH株が正しい株価だ。
そういう論調が多い。

下図は、「AHスプレッドのチャート」だ。
これを見れば、上海市場のA株のほとんどが40%も割高だと感じてしまう。



しかし、実態は異なる。
大型優良株のかい離は、小さい

小型のチャラちゃらした株は、大きなかい離になっている。

下は、大型優良株の代表、平安保険の上海市場価格、香港市場価格の比較だ。
A株は人民元表示なので、比較可能なように、通貨は香港ドルに換算してチャート化してある。




見れば、一目瞭然だが、期間によっは、A株のほうが安い。

2007年~2008年中盤は、A株バブルだったので、A株>H株だった。

しかし、2010年~2014年は5年間にわたって、H株>A株だった。
この期間は、中国悲観が蔓延していた。

最近は、どうだろう?
下図は、過去6か月だが、ほぼ等しい動きをしている。
1月15日(このグラフ作成時点)では、A株が5.1%割高だが、8月~11月は、A株は割安だった。




H株は、外人の機関投資家や個人投資家など多くの投資家が参加している。
だから様々な意見を反映しており、株価も値がこなれている。

一方、A株は、ほぼ中国の個人投資家だ。
そのため、A株の方が、ファンダメンタルよりも短期的な感情(恐怖感や強欲感)によって大きく上下動する(ボラが大きい)性格となっている。

A株は、国内投資家のセンチメントの上下動を知るバロメータと言える。

なお、過度に悲観な状態(H株>A株の状態)が解消(かい離の縮小、さらにはA株の割高化)されるフェイズ(2014年春から2015年の6月までの動き)で上手に投資できれば、短期間で大きなリターンが得られる。
だが、数年に一回あるか無いかというものだと思う。

いずれにしても、一番上の十把一絡げチャートで、全体を論じるような乱暴な論調には耳をふさいだ方が良いと思う。

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