1:AIの歴史
人工知能の研究は1940年代から始まっており、既に80年近い歴史を持っている。
2:20世紀のAIは、ルール移植型
20世紀の人工知能(AI)は、人間が知り得た様々なルールや法則、知識をコンピューターにプログラムとして入力した。
専門家の知識、名人の技をコンピューターでの移植する手法も「エキスパート・システム」という名で流行した。
しかし、ルール通りではスムーズに流れない、例外が多い現実世界に柔軟に対応するような人間的能力を人工知能(AI)は持ちえず、実用化の域に達しなかった。
つまり、20世紀の人工知能(AI)は、人間で言えば、いわゆる「指示待ち族」のような存在で、事前に指示されたこと以外の問題(=三遊間の問題)をすべてトンネルするような低レベルの存在に過ぎなかった。
3:21世紀のAIは、ルール発見型
現在の人工知能は以前とは違い、強力なパワーを持ち始めているが、学習による知識の改善&蓄積をコンピューター自身が行う、自己学習型と呼ばれる人工知能(AI)だ。
コンピューターの学習は単純な仕組みで行われる。
上手な行為=得点を得る
下手な行為=減点される
コンピューターは、「どう反応すれば得点を増やせるか?」だけに着目して、何度も試行錯誤を繰り返して、正しいルールを発見していく。
( 人を殺せば得点を与える、という仕組みで学習させる(悪用=軍事利用)ことも可能である )
「Aの状況では、Xのように行動する」と得点が増える(=ルール)という記憶(=プログラム)を、試行錯誤を繰り返しながらコンピューター自身が発見し増やしていく。
過去にも同様な手法が試された歴史はある。
しかし過去には、現在では可能であっても過去では不可能だった高いハードルが立ちふさがっていた。
1:まずは、外部の情報を正確に素早く察知する高性能のセンサーだ。
2:そしてセンサーから得た情報を瞬時に分析判断するパワフルなCPU(コンピューターの心臓部)
3:さらには、外部のセンサーが得た情報をコンピューターに高速で伝達する無線通信ネットワーク
4:そして、膨大な情報(=データ)を瞬時に利用できるような形で保持する巨大なクラウド・システム
20世紀には上記4点を欠いていたために、理念的には人間のように考える人工知能(AI)が考案されたが、当時出来上がったものは、あまりにも反応が遅く、失望を招く結果となった。
4:人間のように成長するが故の問題点
自己学習型の人工知能(AI、最新型はDeep Learningと呼ばれている)は、コンピューターがどういうプロセスで、どんなルールを発見したかを、外部から見ることができない(=ブラック・ボックス)。
それはまるで人間の幼児がどういうプロセスで社会のルールを発見しながら成長するかを、肉親であっても外部からは検証できないのと同じだ。
人間の赤ちゃんは、目、耳、舌、皮膚、体全体を、外部情報を取り入れるセンサーとしてフル活用して、察知した外部情報に対して何らかの反応をして、その結果褒められたり叱られたりという試行錯誤を繰り返しながら、社会のルールを学んでいく。
褒められる(赤ちゃん)=得点を得る(コンピューター)、叱られる(赤ちゃん)=減点される(コンピューター)、は同じことを意味する。
現在の最先端の人工知能(AI)の一つは、
Deep Learning(機械の自己学習の中でも最も人間に近いニューラル・ネットワーク<脳の仕組みに類似した回路>を用いた機械自己学習)
と呼ばれる最も人間に近いAI(人工知能)
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