投資ストーリーには、経済・株式市場に与える影響が大きく、関連銘柄の裾野も巨大なもの(=大きなストーリー)と、比較的限定されたエリアで「ぶっ飛び銘柄」を出現させるストーリー(=小さなストーリー)がある。
資源エネルギー問題は世界的に大きな影響がある。住宅問題も借金の利用を通じてその国の金融セクター全般に及ぼす影響が大きいし、借金が証券化されて世界中の投資家が売買するような状況に至れば、国境を超えて影響が波及する。
薄型TV(液晶・プラズマ・リアプロ)やMP3Player、PC、モバイル機器などは、資源エネルギーや住宅に比較すれば、小さなストーリーだ。
大きなストーリーに支えられた銘柄群は、ジリジリとしつこく上昇し、最終的には人々の考え方や価値観までも変えてしまう。
エネルギー株や資源株で言えば、「原油や資源は有限だが、払底をパニックするほどでは無い」と高をくくっていた人々を、「今回は、払底の危機を真剣に心配すべきだ。新興国が長期間にわたって経済発展するのだから」というように基本認識を変えてしまう。
大きなストーリーは、最初は信用する人は少ない。
過去の常識的な判断や位置づけといった基本認識を変更しなければ、その投資ストーリーに賛成できないからだ。
大きなストーリーは賛成者がゆっくり増える。
だから、株価もゆっくり値上がりする。
時間をかけて賛成者が増えるから、値上がりもジリジリと長期間継続する。
最終的には、全員が雪崩を打ったように賛成の輪の中に飛び込む。
基本認識を変更させるほどの巨大な影響力であるがゆえに、逆にひっくり返った時の反動・下落も相当なものになる。
一旦変更した基本認識が再度別なものに変更を強いられるか、捨ててしまった古い基本認識にもう一回戻らなければならないからだ。
小さなストーリでは、そんな大事にはならない。
自分の投資しているストーリーが、大きいのか小さいのか、整理して銘柄管理をすると、将来のアクシデントに際して、心の準備ができるので、パニックを防止できる。
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