2016年12月21日水曜日

成功パターン

2016年の大ヒットとなったNVDAだが、何故こんなに成功できたのかを振り返って記録しておこう。

12月20日のNY市場では、GSとみずほ証券の目標価格引き上げ(129、115)があり、+3.48%の上昇で105.17まで来た。
2018年1月期の予想EPSベースで、PERは34倍に乗って来た。




現在の上昇波動は、2015年夏の19ドルから始まったと認識しているが、それ以降現在までは下図に示したように3個のフェイズに分ける事ができる。

1:信者の時代
2:投資家の時代
3:トレーダーの時代

1:信者の時代に投資できるのは、経営者のビジョンを信じて投資する人々だ。
世間の大多数がそのビジョンを馬鹿にしようが、客観的な状況がビジョンには程遠かろうが、経営者を信じて資金を投ずる人々だ。

2:投資家の時代に投資を開始する人々は、真面目に調べれば経営者のビジョンが実現する確率が高そうだと判断して資金を投ずる人々だ。
世間の多数説に迎合せず、自ら調査し熟慮して出した結論にリスク・テイクする人々だ。

3:トレーダーの時代に投資を開始する人々は、株価にモメンタムが乗ってきたことを察知して短期で大幅な値幅を取ろうと立ち回る人々だ。

信者であれ、投資家であれ、トレーダーであれ、その投資行動に貴賤の別は無い
最終的にどれだけ儲けることができたかで判定されるのが投資家だ。




NVDAに対する春山のこれまでを振り返るに・・・・

GoogleのAlphaGoが世界チャンピオンにもなった李世乭との五番勝負に4勝1敗で圧勝した事件を転機として、AIについては世界的に評価が高まり始めていた。
春山は、2015年の夏にAIに関する講演を聴いて以降、AIに関する一般的な調査を開始し、ブログも書いた

一方、VRに関しては、春山を含めて投資家の大多数は「ゲーム・オタクの狭い世界」に過ぎないと馬鹿にしていた。
PCの販売台数が低迷していることもあって、証券会社のアナリストの多くは、「VR = PCゲーム = ダメ」という短絡的な結論を下していたと思う。

色々なニュースを読むにつれ、
(1)AIとVRは繋がっているという事を認識し
(2)AIやVR関連株に投資するよりも、その企業が必須とするものを供給する企業に投資するほうが安全かもしれないと考えた。
(3)その一つがGPUを供給するNVDAとAMDだが、事実上この二社独占なので、競争激化による値下がりリスクは少ないと判断した。
GPUへの投資テーマは、USの1949年ごろのゴールド・ラッシュ時に、金を求めて殺到したヤカラにジーパンを売って大儲けをしたストーリーに通じるものだと思った。
(4)2016年2月の決算内容を見て、これは業績の拡大が既に始まっているし、まだ先は長そうだから当面は大丈夫だろうと感じた。

以上のような事を考えて2016年の3月中旬にGo!サインを出した。

その後、決定的な転機になったのが、4月27日に高田馬場で開催されたNVIDIA Deep Learning Day 2016 Springだった。
混雑を予想して30分前に会場入りしたが、既に受付は列をなしていた。
頑張って最前列に陣取って聴いた。

前年は、200人だったのに今回は2500人という激増ぶりだ。
しかも会場を見渡すに、投資家はあまりいない。
ほとんどは業界人だ。しかもほぼ全員がワクワクしている。

会場を出る時に、一緒に行った友人に、
こんなに興奮したセミナーは10年ぶりだ!
これに投資しないで何に投資する?
と言ったと記憶している。
この日に、投資判断は正しいと確信した。

その後の5月、8月、11月の決算発表時のConference Callは、follow-upのために欠かさず聴いたが、まだまだ行けると感じた。


11月の決算発表は、猛烈なpositive surpriseだった。
11月10日の終値、決算発表数時間前:67.77
10日引け後から猛烈に上昇し、翌日の引け値は:87.97
一日で+29.81%も上昇した。

この日から、トレーダーの時代が始まった。
鈍感な投資家以外は、NVDAの存在に気づいた。
証券会社のアナリストも、もはや時代が変わったことを無視できなくなり、こぞって「Buy !」を連呼する状態に移行した。



12月の後半になって、春山が最終ターゲットとして書いてきた「120ドル」を目標株価とするアナリストが出現した。
そして、12月20日には、GSがそれを凌駕する「129ドル」を提示してきた。

12月20日からはトレーダーの時代の中でも値動きが激しくなる「空中戦のフェイズ」が始まったと思う。

春山の目標である120を中心とする「110~130」が脱出ゾーンだと思う。
株式投資の先輩が言っていた「大相場6倍の法則」からすれば、19 X 6 = 114だ。
どこまで引っ張るか、どこで降りるか、「自分の欲望との闘い」だと思う。
完全脱出か、半分脱出か、その辺も含めて、静かに自分で判断する、、それしかない。

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