2016年6月28日火曜日

2016年6月24日の英国のEU離脱

春山の考え方をまとめておきます。
順次追記します

英国のEU離脱_1 : 貧民、および貧困国がより困窮
大きくなるのは貧民対策を賄う手段、大きく豊かな国から奪える、分配してもらえるからだ。
英国が抜けて小さくなるので、欧州全体は貧民、および貧困国がより困窮する

英国のEU離脱_ : United Kingdumの南北分裂
南部:ウェールズ&イングランド = 離脱
北部:スコットランド&北アイルランド = 残留

つまり元々のイギリスは離脱派で、戦争などを通じて合併吸収委した北部は
EU
まさに南北問題

裕福な南部には、大量の移民が、大陸欧州から各種の社会保障のただ乗りを目指してやって来る。
北部には、さほど来ない。

英国のEU離脱_3 : 金融権力の世界では、USの地位が上昇する
ロンドンも欧州も敗者になり、金融権力はUSに集中するだろう。
ロンドンの金融権力の地位低下分は大陸欧州にシフトするというのがコンセンサスだが、「ロンドン+大陸欧州」全体の金融権力が低下し、その分はUSに流れるだろう。
さらに、重要なことは、金融権力の世界で重要なことは、地面ではなく、人間だ、創造性だ。
この流れは変わらない、さらに強化されるだろう。
つまり、金融権力の世界では、USの地位が上昇するだろう。
日本は、多少のおこぼれを頂戴するかもしれない。

英国のEU離脱_4 : 政治的に欧州とUSの対立が深まる
国際政治的には心配が増えた。
大陸欧州が政治経済領域での
volatility増大要因となる

 1:UKという貧困欧州への配分資金元を失った
 2:UKというUSの仲間を失い、欧州内でのアンチUS陣営(フランス&ドイツ)が相対的に強くなる

 今後の国際政治面に関して、欧州
VS USの摩擦を拡大させる。特にサウジ、イラン、エジプト、シリア、リビアを中心とする中東アフリカ100年戦争の状況はますます困窮する。

欧州には自ら解決する軍事力も資金力も無く、
US主導にはメンツで反対するという最悪な状況へ進む可能性がある。

なお、UKを心配する向きもあるが、私は楽観している。
歴史的に独立独歩、有象無象とは距離を置く、、それが英国の歴史、DNAだから、、離脱派の内部では、急速に冷静で現実的な「解」を見つける努力がすでに始まっていると思う。そして、残留派も新局面への現実的な対応を練っているだろう。
 
これからの5-10年間だが、欧州は、UKに対して何かとお願いをすることが増えるのではと思う。

英国のEU離脱_ : 政治的統合をサボータージュしてきた政治家の付けが回ってきた
政治と経済は緊密に結びついている。
だから、「経済は統合するが、政治は統合しない」という状況は様々な矛盾を生む。

企業
Aと企業Bが合併すれば、社長は2人から1人に減る。
複数国家の統合を目指す
EUの政治部分の統合とは、各国の政治家が自国統治の権力を放棄させられ、より少数のスーパー欧州国家に支配権力を明け渡すことを意味する。
 
それを各国の政治家は「わが国には固有の文化や制度や・・・」と言い訳をして、政治家だけが安住の地から出ない「統合のサボタージュ」を続けてきた。

今回の英国のEUからの離脱は、その矛盾点を今以上に論点化させるだろう。
「わが国には固有の文化や制度や・・・」と言い訳は、離脱の言い訳にいつでも転化できるのだから。


英国のEU離脱_ : Fort de EU
大陸欧州のUKに対する「いやがらせ」が始まった。
1980年代~1990年代、Firt de EUという言葉があった。
EUを守るために欧州の外部に対して城壁(関税、手続き上のイヤガラセ、事実上の排除)を造った。
それが再現する

英国のEU離脱_7 : お家の事情
離婚を突き付けられたEUとしては、他の加盟国の追随離脱を防ぐためにも、UKに対して厳しい態度にならざるを得ない。一種の見せしめだ
一方
EUの内部では、各国の置かれた状況が異なるので、ドイツの主張するようなシンプルな「荷物をまとめて即刻出ていけ!」的な交渉は実現せず、長く複雑複雑な離婚交渉になるだろう。
ドイツが今まで以上におんぶにだっこを急速拡大すれば別だか

英国のEU離脱_ : 民主主義の弊害
責任感をともなった分別や判断ができず、その場の雰囲気で投票するような層にも選挙権を与えた民主主義の弊害
今後も世界中で、民主主義の弊害は続くだろう

1689年の名誉革命当時の参政権率は、成人男子の20%
政治意識が高い20%、政治力を持つ納税者だった。
高い政治意識とは、要求だけではなく負担と妥協の見識も含まれている

普通選挙の時代になり、成人男女の全員に選挙権が配布されると、政治自意識の低い層(男女とは無関係)にも選挙権が与えられる。

すると負担と妥協は消え、要求するだけの有権者の色彩が増した

英国のEU離脱_ : お気軽クリック投票禁止
スマホやPCから簡単にできるネット投票を望む声はあるが、政治家の多数は反対していると聞く

参政権とは、今日の気分みたいな気軽な気持ちで行使するものではなく、最低限「投票所まで体を運ぶという程度の政治参加意識」を持つ者にしか行使させない、という考え方があると推定できる

さもなくば、「その場の雰囲気でクリックする」という熟考なき、無責任な政治判断が下されるケースが増えるだろう、今回のUKのEU離脱のように