2019年5月13日月曜日

日経平均のPER変動の特徴_景気後退期

日経平均のPER変動の特徴:景気後退期

A:日経平均採用銘柄の多くは循環株であり、景気後退により利益(EPS)は急降下する

B:株価低迷の急落を懸念して、ルール通りには下方修正を発表しない(遅れ気味に発表する)企業が多い


基準に関しては、下図のようになっているhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%AD%E7%B8%BE%E4%BA%88%E6%83%B3%E3%81%AE%E4%BF%AE%E6%AD%A3


基準にある「増減があった場合」とは、企業が認識した時という意味なので、いつ認識したかは企業が決められる。だから・・・・
=上方修正は判明した時点で早々に発表
下方修正は決算発表時、もしくは直前(←決算を作っている過程で判明したという言い分)

・・・・という感じが多くなっている

C:証券会社のアナリストによる予想利益の
下方修正も株価が大幅に下がってから文章に残る形で発表することが多い

その背景は直前まで証券マンが顧客に買いを推奨しているので、売りを意味するような下方修正を記録に残る形式ではおいそれとは出せないという大人の事情があるからだ

上記A、B、Cの結果として、景気後退期には
1:集計データとして登録されているアナリストによる予想利益が、本来あるべき予想よりも大幅に過大のまま長期間放置される
2:株価は本来あるべき下方修正を織り込んで下落する
3:その結果、表示されるPERは本来あるべき数値よりも低く表示される

低くなったPERをみて、「買い!」だと勘違いして買ってしまう初心者が多くなってしまう。
まだまだ株価は下げ止まらないのだが・・・・・


薄紫四角枠内が典型例 (下図:青線=日経平均、橙線=予想収益ベースPER)


なお、濃紫枠内はPERが急上昇している
しかも2009~2010年の大半は、PERが無限大まで上昇している

この理由は、循環株の株価特性として・・・
収益が大幅に減少(赤字になっても)しても、株価は一定のレベルで下げ止まってしまう
・・・なので、
横ばいの株価 & 減少するEPS → PERだけが急騰
・・・という現象になるからだ

何故、株価が下げ止まるかに関しては、・・・・
投資家(特に、循環株投資家はベテランが多い)は、業績低迷の原因は景気サイクルによるものなので、一定期間後には景気の回復がくると考えて売りを辞め始めると同時に、一部の投資家は将来の景気回復・業績回復を想定して買いを入れ始め、その結果として売り買いがバランスしてしまうからだ

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