2014年11月27日木曜日

種蒔きから刈り入れのサイクル

株式投資が上手く行っている時は、新規銘柄の発掘(種蒔き)、保有主力銘柄の順調な株価上昇(成長)、適切なタイミングでの売却(刈り入れ)というサイクルがスムーズに回っているものだ。

株式投資の「種蒔き、成長、刈り入れのサイクル」で一番難しいのは種蒔きフェイズだ。

園芸における種蒔きでも、種蒔き、発芽の後で「必ず間引き作業を実施」して、良い花を咲かせる苗だけを苗床から花壇に移植する。発芽した半分以上は廃棄される。

株式投資でも、新規投資銘柄の発掘にあたっては、夢と希望、疑いや心配の入り乱れる精神状態の中で、完全には理解していない銘柄に自分の大切なお金を投ずる

完全には理解していないがゆえに、間違いも多い。
それゆえ、株式投資の種蒔き段階(正確には花壇への移植直前まで)で重要なことは、ダメ株の間引きだ。綺麗な花を咲かせない苗(失敗投資銘柄)は、この段階で間引いて、残存価値の回収(損切り売却)だけで満足するべきだ。

成長フェイズは楽しい、
今か今かと大輪の花が咲くのを待つのだから
刈り入れフェイズも難易度が高い
投資に成功した銘柄に対しては思いれが大きくなり、もっともっと株価は上がるハズだと感じてしまう。
悪材料が出ても、これまでも様々な難局を跳ね返してきたから、今回も大丈夫だと安易に考えて、悪材料を真剣に検討しなくなる。

どんなに成功した銘柄であっても、毎回初心に帰って、「もし現金100%状態なら、この株に投資するか?」という気持ちで、好材料・悪材料を精査しなければならない。

色々考えて、ダメと判断したら「脱兎のごとく、一気に全部売却」すべきだ。
脱出は分割しない方が良い。後ろ髪を引かれてはならない。
(ポジション調整の利益確定売りによる持ち高減らしは、ここでは触れない)

人間もその他の生き物も、必ず寿命があるから、どこかで終わり、消えてしまう。
しかし、株は一旦は地に落ちても、また復活する、完全倒産で消滅しない限り。

投資していた銘柄からの脱出は、死亡宣告では無いのだ。
復活の日まで暖かい気持ちで観察すれば良いのだ。
熟知した銘柄だから、他の誰よりも早く、復活の胎動を察知できるハズだ。

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2014年11月23日日曜日

生産性の向上が過疎化を促進したかもしれない

帰省して理解した田舎の村の歴史

父の田舎は、1212年にH氏が源頼朝の命を受け、京都から猿田彦命の御神体を背負い、ここで一村を起こしたのが始まりと伝えられる。その後、人口が増えたのだろうが、現在は多くの村民の子孫が村を去りつつある。

人類の数万年の歴史の中で、九州の田舎の奥地まで人間が住んだ歴史は、ほんの800年で、それも終わりりつつある、ということだ。

田舎の墓参りをしながら考えたのだが・・・
 農業の生産性が低く、一定の面積から収穫される農産物には限度があった時代は、田畑面積当たりの養う人数が少なく、人口の増加は、現在の田畑以外の場所へ、増えた人口が出て行って田畑を開墾するという自然の流れがあったのだろう。

しかし、農業の生産性が向上し、面積当たりの生産高が増えて、不便な田舎の奥地にまでに人口が流出する必要がなくなった
同時に、非農業部門の生産性が農業以上に向上したため、非農業が生み出す付加価値で農産物を有利に購入する事が可能になった。さらには、海外からの購入も有利な条件で可能になった。

人間は生産性の高いビジネスに集まる。
生産性の低い「狭くて細切れな農地」に立脚する田舎から人口が流出するのは必然だったと思う。
生産性の向上が過疎化を促進したかもしれないと思うのだ。

なお、源頼朝の命を受け、京都から猿田彦命の御神体を背負い、ここで一村を起こした、という表現は正確には、「源平合戦で負けた平氏の落人が逃げこんだ人里離れた場所」に平氏残党の追討軍がやって来た、と会社うすべきだと思う。なぜなら、先祖は平氏の子孫だと聞いたことがあるからだ。

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2014年11月17日月曜日

回答が困難な個別株に関する質問 : 今から買っても大丈夫ですか?

私が、2か月前に買って既にそこそこの含み益がある株に関して、「今からでも大丈夫ですか?」と質問されることが多い。

回答は困難だ。
質問者がどんな投資家かワカラナイ
3日以下の短期投資家なのか?
平気で1-2年は保有する人なのか?
買ってから5%も下がると怒る人なのか?
5%下がったら、買い増す人なのか?

昨日まで買いだと思っても、明日は手のひらを反して売るのが株だ。

昨日はOKと伝えたその人が良く朝に買う時、私は売っているかもしれない。

数か月までに、結構な嫌みを言われた。
面と向かって言われた。
10個の内、9個儲かっても、1個損すれば文句を言う。
それが人間だ。
でも口に出して文句を言うやつには二度と株の話をしない事に決めている。

2014年10月22日水曜日

伊藤レポートのめも

持続的成長への競争力とインセンティブ(伊藤レポート)

facebookに書いたの断片メモの集合



投資するならファウンダー経営者企業
約4年でコロコロ変わるサラリーマン社長企業は避けるべし
(アベノミクス伊藤レポート)

個人の保有する現預金(800兆円)は、株式投信信託に誘導すべきだ
個人が自分で投資するとリサーチを軽視する短期投機家になるから、避けるべきだ。
NISAでは回転売買させないようにするべきだ。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より、春山の意見ではありません)

1:利益を上げる確率の低い企業には資金が集まらない。
2:一回コッキリではなく、持続的に利益を増やし続ける企業(成長する企業)には、安心して落ち着いた資金が集まる。
3:企業の利益の変動性が激しく、企業のビジネス内容がコロコロ変ったり、経営者の言う事に一貫性が無い企業には、短期の投機資金しか集まらない。
(アベノミクス伊藤レポート)

持続的に低収益にある企業の問題点
投資家には、短期のサプライズ狙い、思惑やニュースによる株価変動しか投資機会が与えられない。
こういう企業に長期投資家が来ないのは、投資理論(=算数の結果)的にも当然である。
(アベノミクス伊藤レポート)

最低の経営者
わが社の株価はもっと高くて当然だ。。。そういう事をペラペラ言う社長
ディスクロも不十分で投資家は短期でしか株を買わないと文句を言う。。。そんな社長
ディスクロを通じて、投資家に何をどうするかを公言し、有言実行で成果を出せば、自然に株価は上がる(=企業実態を反映する)ものだ
(アベノミクス伊藤レポートを読んだ春山の感想)

的に当たるまでの時間
第一の矢、緩和:一瞬
第二の矢、財政出動:数か月~1年
第三の矢、資本効率を意識したROEなどの資本効率の向上:10年
資本効率を意識したROEなどの資本効率の向上は、アベノミクスの大三の矢の中核である
(アベノミクス伊藤レポートより)

企業価値には、統一見解がない
株価が下がったとしても、企業価値が上昇していれば良いじゃないか。
これを主張するグループは、顧客、取引先、従業員、地域コミュニティを重視し、ROEや利益率を軽視する。
企業価値を顧客、取引先、従業員、地域コミュニティ、株主が享受した利益の総和と理解し、株主は上位には位置づけされない。
この考え方に対する賛同者は多い。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

情報を不平等公開する方が、ROEを上昇させる企業経営には良いかもしれない
旧:通り一遍の情報を同時に多数に公開する
新:高レベルの投資家のみに、詳細情報を公開する
(アベノミクス伊藤レポートより)

四半期業績の予想の当たり外れに注力しているアナリストや投資家には、1:詳細情報を与えず、2:企業との対話にも参加させない

(アベノミクス伊藤レポートより)

株主に対する情報開示を選択的に差別化することによって合理化を図るべきだ。
株主総会前に重要な実質株主(=短期投資家や雑魚を除外)との対話や事前打ち合わせをすべきだ。
重要な実質株主には、その他投資家よりも早めに詳細な情報を与えるべきだ
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

同じ商品やサービスを提供している企業が複数存在する場合、取引先への社会的責任を多く果たしている企業の方が、高価格を実現できる。
(アベノミクス伊藤レポートより)

勝ち組の多くは、オーナー企業
経営者のモチベーションが、サラリーマン企業の比では無いからだ
USのSP500社の内、35%がオーナー企業
(アベノミクス伊藤レポートより)

企業の資金調達が銀行からの融資が多すぎると、銀行の悪い姿勢が企業の成長を妨害する。
銀行には、チャレンジで成功するよりも失敗する事を過大に考え、チャレンジをさせないように企業を説得するDNAが埋め込まれているから
成功してもローンの返済が改善するわけではない。
失敗すれば、返済が危うくなる。
このリスクテイクに関する非対称性が根本的な理由だ
(アベノミクス伊藤レポートより)

日本企業の多くがROEが低い理由
差別化無しの商品&サービスが乱立するので、価格のみが競争力になってしまい、値下げがssンを強いられる。
差別化は一朝一夕には達せ出来ず、4-5年で交代するサラリーマン社長では実現できない。
(アベノミクス伊藤レポートより)

投資家に長期投資を求める企業だが、株価が停滞または長期下落する環境では、長期投資は成立しない。
短期トレーディングにリターンンの源泉を求めるのは合理的な投資行動だ。
(アベノミクス伊藤レポートより)

グローバル投資家が想定する資本コストは7%
資本コストを超えるリターンを出せない企業に対しては、短期トレーデダーか低レベルの長期投資家のみが資金を振り向ける。
ROE>8%を達成することが、グローバル投資家、高レベルの日本の長期投資家の投資対象になる条件
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

株式で資金調達した企業は、その資金が株主のものという意識は低い。
特に内部留保に関しては、長年にわたって積み上げた内部留保資金が多額であっても、株主に「返す」という意識は無い。
何故、「俺達が汗水たらして稼いだ金」を短期売買しているアイツらにくれてやる必要があるのだ、という意識の経営者もいる。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

日本企業で社外取締役の効果が少ないのは、多角化しすぎた大企業が多いからだと思う。
社外取締役の知識や見識は狭いので社内事情に精通した従業員上がりの役員に、全く太刀打ちできずに陰で馬鹿にされている可能性があるのかもしれない。

一方、ビジネスがフォーカスされた企業の場合、社外取締役の選定においても、そのビジネスに知見のある人物が選定されるので、ビジネスに貢献する割合が大きい。 
(アベノミクス伊藤レポートの春山の感想)

経営者の在任期間が長い(8年~12年)ほど、ROEが高い。   
(アベノミクス伊藤レポートより)

企業のIR充実やネット情報の普及で一般的な企業情報の取得が容易になり、アナリストの優越性が低下した。
その結果アナリスは、欧米には無い四半期ごとのプレビュー・ミーティングやその他の機会を通じて、非公開情報を得ようとする動きが強まった。特に、小型株に関してその傾向が強いが、経営者側でもフェア・ディスクロージャーの意識が低い。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

レポート:海外に比べてアナリストの数が少ない、増やすべきだ。
春山:多数のアナリストに給料を払えるほどの収入を証券会社は得ていないので増やせない。アナリストは趣味ではない、ビジネスだ。
しかも、投資家は情報に金を払いたがらない。オーダー出すからでごまかす。
(アベノミクス伊藤レポートへの感想)

株式市場や企業に関する情報は、ネットの発達で、ネット以前と比べて、頻度も量も質も飛躍的に増加した。
情報に反応して、株価のフェア・バリューは変動を続ける。
フェアバリューが変化すれば、それに呼応して株式の売買が増える。

情報が無いために株価はほとんど動かなかった過去と比べれば、株価変動回数は増える。
その結果、出来高が増加するが、増加分の主たる部分は、証券会社のトレーダーや、情報に接しやすくなった投資家だが、彼らは高頻度の情報に呼応して、高頻度の売買を実行する。

これは株の保有期間の短期化という算数の結果をもたらす。
良いことでも悪い事でもなく、情報の量と質と頻度の変化に対する自然な対応に過ぎない。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

長期投資したくても、持てば持つほど株価が下がるのだから、短期のリバウンド時にのみ短期間保有することは、正しい投資行動だった。

長期投資をしたくても、企業がそのための情報を提供してこなかった。企業は長期的に悪化する企業ファンダメンタル情報を開示したくなかったのだが、それは仕方がなかろう。

空売りが一般的になっていれば、「空売りの長期投資」も可能であっただろうが、政府も証券会社も企業も、カラ売りを忌諱してきたので、結局は短期現物保有しか合理性を持ちえなかった。

一部の例外企業はあったが、指数全体としては、上記の状況が、1990年1月から2012年10月まで、23年間も続いた。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

グローバルな長期投資家が企業のディスクロに求めているのは、企業の将来計画に関して「何故そう考えるのか?」と「それをどうやって達成するのか?」という点だが、日本企業のディスクロは、「何をやります」とだけ書かれている
(アベノミクス伊藤レポートより)

企業との真摯で建設的な対話は、1、インデックス投資家、2、クォンツ投資家、3、広い分散投資に対しては拒否しても良い。
4、少数の銘柄に集中投資している投資家と密なミーティングを行うべきだ。運用を委託する方も、1,2,3ようりも、4、集中投資家へに高めの運用フィーを払うべきであべき出会う。
(アベノミクス伊藤レポートの行間より)

企業との真摯で建設的な対話を実践して企業価値の向上と株価の上昇に貢献している投資家、何もせず恩恵に浴するだけの投資家、後者はフリーライダーと言える。
前者の投資家は、何らかの恩恵を追加的に享受しても良いだろう
(アベノミクス伊藤レポートより)

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2014年10月2日木曜日

お客様は神様です、、の意味は

お客様は神様です、、の意味は

買ってくれる人、儲けさせてくれる人、、、そういうお客様は神様です。
ビジネスは、そういうお客様を大事にします。

もっと安くしろ!とばかり言って、しかも購入は少なめ、その結果ビジネスは損益ギリギリ、
それじゃ、ビオジネスは伸びません

不景気な時は、仕方が無いので後者の分野で食いつなぎます。
稼働率を維持して、ギリギリの経営をして、ビジネス環境が好転するのを待つのは、ビジネスの王道です。

好転したら、
買ってくれる人、儲けさせてくれる人、そういうお客様にシフト&集中します。
お客様とビジネスが、Win&Winの関係になるからです。

後者のビジネス領域からは、撤退が増えます。
だから、残り物に福がある、という状況も出現します。
後者のビジネスの競争環境が改善(=ライバルが減る)するので、利益が出せる企業が増えるのです。

全体としては、高価格帯にビジネスはシフトしますが、低価格帯ビジネスでも上位企業のシェアが拡大するので、そういう企業にとおってはビジネスは利益を出しやすくなるのです。

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2014年9月30日火曜日

寄せ集めはガラクタだ

FMになって四年目の若者から相談された。
もっと上手な運用担当者になりたい。
有名な投資家の本や運用手法を真剣に勉強して実践しているが、現状に不満足だと言う。

彼の実績を聴くと普通だ。
特に卑下する必要はないし、4-5年目ならこんなものだろうと判断した。

彼は次の数年で一流になりたいと言う。
私は質問した。
運用が好きですか?
毎日が楽しいですか?
得意分野、得意な手法は何ですか?
有名な投資家の中で誰が好きですか、誰のようになりたいですか?

これらに関するやりとりを通じて彼には一つだけアドバイスした。
有名な投資家の優れた投資手法を良い所取りで集めたら、その結果は平凡以下になる。
お互いの投資手法の判断基準は矛盾するので、足の引っ張りあいになる。
その結果、ちゃらんぽらんな投資行動になる。
これだけというもの以外を捨てなさい。

彼は口では「そうします」と言ったが、決してしない態度だった。
彼と別れてから、「あれ、この台詞、他の分野の人にも言ったなぁ」と思い出して笑ってしまった。
芸って、皆同じだ。あはは、です。

アレもコレもと思ってもがく、、でもたどりつくのは、「コレだけで良い」という境地。
私の運用なんか、コレしかできないの典型、
でも、コレだけでこのパフォーマンスなら、大満足
他に何も望まない。

彼とのランチの後、鳩居堂で写経セット買ってしまった春山です。
物欲、心の欲、いろんな物を知らず知らずのうちにドンドン捨てている私、
そのさ迷いの過程で、写経セットに寄り道しているのかもしれません。