2016年5月31日火曜日

起きても消えても相場は動く

良い株を買ったら
買ったことを忘れて放っておけばよい
自然に熟成して何倍にも株価は増えている

これは間違いだ

株価を形成する材料は、発生した時に株価を動かすが、
同様に材料が消えても株価を動かす
だから毎日(少なくとも毎週)企業に何が起こっているかをチェックする行動、つまり定点観測が必要だ

その企業の株価を動かしているもの、止めているもの、それを認識する努力が必要だ。

努力なしにお金は儲からない

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新しい投資の世界

5月から始まった新しい投資は、
1:最大10
銘柄→最大5銘柄
2:
OK状態なら100%投資→1/3現金を平常時の基本に
3:このやり方で、これまでの85%程度のリターンを狙う

上記変化は、下記の過去記事とベクトルを同じくするものだが、
時間を目一杯使って一分の無駄もなく投資する事から離脱して、無駄や怠惰をゆとりや前向きの待ちポジションとして楽しむ投資へ
という変化だ。

関連する記事:戯言:空の確保
http://haruyama-shoka.blogspot.jp/2016/05/blog-post_27.html
 
残りの人生の時間の長さ
その間に時間とともに劣化する心技体の能力
それを考えれば、10企業も同時に追跡判断は無理だろうし
墓穴を掘る確率も上昇するだろうから余裕を持った方が、心安らかだろうし
ということを考慮したのです

2016年5月30日月曜日

春山ルール15:25%ルール

底値で上手に買えた。
その後ラッキーにもグイグイ上昇が始まった。
さて、どこで利益確定すべきか?

ピタリと当たる法則などない、あくまでも平均だが、
私の経験的な目安は、
25%儲かったら、現金化する。

そもそも底値でラッキーにも買えた銘柄の多くは、よく調べてもいない段階で直感でエイっと買った銘柄が多い。
現金化はさらなるリターンを捨てる行為だ。
頭を冷やす、リセットする行為でもある。

捨てたくない、、という気持ちは大きいだろう
良い所でポジション・テイクできて、その後はスルスル上がる。
アッと言うまに含み益が膨れ上がる。
もっと上がるだろうと、欲の皮が分厚くなる
ところがその後は、ズルズル下がって、元の黙阿弥
そんなことを何度も経験している。
25%程度で利益確定していたら・・・タラレバ。。。


25%って魔の数字なのだろうか?
年率+25%、、素晴らしいリターンじゃないか!
そこから上は、今はくれてやっても良いじゃないか・・・

そう、頭を冷やし、リセットした後で、再参入すれば良いのだ。
2回めのポジショニングは、ラッキーな一回目よりも腰の座った精神状態が維持できるので、次回の売り判断はより正確なものになると思う。

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2016年5月28日土曜日

カイロ + 広島 =オバマ

2016年5月27日の広島スピーチは、
https://www.youtube.com/watch?v=gpanCic7OTU

2009年6月5日のカイロ演説(=中東の平和を願った)とペアをなすものだろう



熱い想いを持つ人=オバマ、滅私的な思考を持つ人

しかし、世界は私利私欲を優先する人が大勢を占めている。
だから、オバマの熱い想いは8年間では実現しなかった。

滅私的な思考と熱い想いを持つためには通常はある程度の豊かさが必要

だが、そういう豊かな人は世界では少数にすぎないのだ。
人数という計測基準では世界は豊かではないのだ。


2016年5月27日金曜日

戯言:空の確保

分散から集中
複雑からシンプル
同時並行から逐次処理へ

この数年間、知らず知らずのうちに、一貫してやっていた

全ては、「空」の確保のために、そうしていたのだと思う

空は、白紙のノート
空は、平常心
空は、静寂
空は、冷徹な優しさ

気持ち前に進んでいるのに体がついて行けない、以前よりも肉体的に疲れる、視力が低下して同時に沢山を見れない。そんな年齢に到達したので、今までよりもゆったりした生き方の方が大きな充実感を得られるだろう。

時間を目一杯使って一分の無駄もなく生きる事から離脱して、無駄や怠惰をゆとりや前向きの待ち時間として楽しむ生き方へ
それが「空」というモノに、私を向かわせたと思う。


2016年5月22日日曜日

データ不足が致命傷

日本企業とAIに関して、思っている事

1:スーパーコンピューターを作る能力においては負けてはいない
2:AIコンピューターに投入して学習させるために必要とされる「データの数」が足らない
3:もしかしたら、事前の予見や想定なしに、膨大なデータの海から特徴や法則を発見する「客観的な分析」よりも、数少ない自分の見聞きした経験から・・・結局、手短に言えば、ザックリ言えば、こういう事・・・と思いこんで、それを全体に当てはめてしまう「主観的な一般化、法則化」を好む国民的な性格が災いしているかもしれない。

上記3項目の中でも、2:
データ不足が日本のAI企業の致命傷だと思う。

現在のAIブームを支えてる要因の一つは、分析する情報が利用可能な状態になったということだ。

特に、豊富なデータを毎日、世界中の人々がSNSなどを通じて無料のクラウドにアップする。そのデータは無料と引き換えに、グーグル、FB,マイクロソフトなどが自社では自由に使える約款になっている。

情報を無料で差し出す庶民、それを有効活用して、社会に役立たせつつ、利益を得るIT企業 ・・・ こういうWin&Winの関係は、21世紀になって始めて生まれた。

分析するデータが、日本国内、日本語に限定されてしまう日本のAI企業は、海外のデータを購入しない限り、世界に通用するAI分析、Deep Learningはできない。
 
できないから、日本データから得られたモノを世界にも通用する法則だと「演繹」して失敗するリスクがある。

その他、下記の過去のブログ記事も参考にしてください・
====
過去にも同様な手法が試された歴史はある。
しかし過去には、現在では可能であっても過去では不可能だった高いハードルが立ちふさがっていた。

1:まずは、外部の情報を正確に素早く察知する高性能のセンサーだ。
2:そしてセンサーから得た情報を瞬時に分析判断するパワフルなCPU(コンピューターの心臓部)
3:さらには、外部のセンサーが得た情報をコンピューターに高速で伝達する無線通信ネットワーク
4:そして、膨大な情報(=データ)を瞬時に利用できるような形で保持する巨大なクラウド・システム

20世紀には上記4点を欠いていたために、理念的には人間のように考える人工知能(AI)が考案されたが、当時出来上がったものは、あまりにも反応が遅く、失望を招く結果となった

2016年5月21日土曜日

民主主義の成立条件

1:お金が必要だから、課税させてほしいと依頼する為政者
2:税金の使途を監視する意識の強い市民社会

この両方が同時に存在していることが、民主主義が成立し維持される条件である。


現代の新興国の多くでは、お金がなくても
A:天然資源を輸出するか、その開発権益を先進国に売却すればよいので、国民に妥協(=民主的になる)する必要がない
B:海外から開発援助資金が直接政府にはいってくるので、国民に妥協(=民主的になる)する必要がない

国民は、税金を納めるというよりも、政府にぶら下がる意識が強い。
為政者としては、「お前らは、税金を払っていないのだから、参政権が無くて当然」という態度になる。


2016年5月20日金曜日

春山ルール14 : 気持ち悪くなったら脱出しろ

あれ変だな、
想定よりもどうも下に外れる、想定レンジの下半分ばかりにステイする
悪いことが起こっていないのに、上がらない
何かわからないけど、気持ちが悪い
居心地の悪さを感じる

そういう時が売り時だ
この段階で脱出するのが一流

この軟調を超えたらもう一段上があるから、そこで売ろう
しかし、上がらずにズルズル下がってしまい、怖くなった売る
これが二流、普通レベル

長期投資だと意固地になり、ニュースも決算内容も見ずにノー天気で過ごし、一般メディアが騒ぎ出す頃になってから売る、
これは
三流投資家、底値で売ることになる

気持ち悪い時に上手に売れる
売った翌日から下がる、そんなドンピシャは困難だ。
大相場なら、一か月
個別株なら、1-2週間
売った後に下がらずにイライラするかもしれないが、気にしない。
結局は下がってきて、あー良かった、脱出しておいて、、、これで良いのだ
投資は確率なので、上手な売りの確立を上げていけば良い。

 
売りが上手になったら一流
売りのスキルを上達させる、これこそが投資スキルの最重要課題だ



2016年5月18日水曜日

春山ルール13 : 失って初めて思い知る

いつも優しく寄り添ってくれた彼や彼女が突然去る。
次の瞬間から右往左往したり、歯車が狂ったり
失ったものの大切さを初めて思い知る。

約1年にわたる足元の調整相場って、まさにそういうものだ。
円安黒田バスーカ
それが去った昨年後半から、市場は右往左往しながら崩れてしまった。

去ってしまった彼や彼女はどんなに懇願しようとも、
元の姿、元の気持ちでは戻って来ない
あなたは普通の生活を淡々と生きるしかない

円安や黒田バズーカも同じ
あの素晴らしい3年間は戻ってこない
不安定な環境に苦労しながらも何とか格闘しつつ、淡々と生きるしかない
それが普通の相場なのだから

そして普通の相場の中で淡々と生きるからこそ
次の素晴らしい何かが来た時に
これはすごい上昇要因だ!
そういう気持ちに切り替えられるのだ


2016年5月16日月曜日

春山ルール12 : 変節点

一番の思い入れ、これこそはと言う銘柄が被害を被る

それは相場の変節点
逆らってはいけない

その銘柄にサヨナラして、頭を冷やす

あなたは受け入れるしかない

2016年5月13日金曜日

社会の劣化

前回の続きです。
~~~~~~~~~~~~~~~~

社会が政治や経済などの重要部分の変更を必要とする時に

1:暴力による変更を封じられ(=禁止され)
2:かつ抵抗勢力(=既得権層)が説得による変更に応じない時

その社会は劣化する。



前回書いた(悪人を守る戦後ルール、国境不可侵)とは、そういう1&2の状況だと感じる。

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2016年5月10日火曜日

悪人を守る戦後ルール、国境不可侵

政治の起源 下 人類以前からフランス革命までを読んで思った


優れた政治制度は、「より強力な軍事力と経済力」を生み出す。
優れた政治制度を持つ集団は、そうでない集団を吸収したり打ち破ったりする。

自集団の生存を守るために、他の集団が採用している優れた政治制度を模倣、導入、採用する。

政治制度の発展は、競争によって促進された。
競争は暴力と戦争であることが人類の歴史では多かった。
結果として優れた政治制度が生き残ってきた
民主主義、議会制度、選挙制度、色々ある。

第二次世界大戦後、冷戦という競争があった。
その競争に勝った政治制度が、資本主義、民主主義であり、負けたのが共産主義、独裁主義であった。

しかし、国境不可侵という「現状の国境を変えないという第二次世界大戦後のルール」が競争を阻害している面もある。

他国が侵略しないがゆえに、劣った政治制度を採用して国民を苦しませている為政者、独裁者が地球上には多数存在する。
これらのダメ国家をガツンとできないのが現代国際政治の悩みだと思う。



2016年5月9日月曜日

ブロックチェーン・テクノロジーで困る企業

ブロックチェーン・テクノロジーの特徴は後から改ざんができないこと。

仮に間違えても、後で正しくするために修正取引を追加すれば良い。
ただし、最初の間違い取引を消し去って、当初から存在しなかったことはできない

消し去ること、または当初の取引を書き換えてしまうこと、それらが不可能だからこそ、取引記録の正当性が保持される。

しかし世の中には、「それでは困る」という人がいる。

会社の決定、稟議書など、を都合が悪くなったら、後から内容を修正してしまう。間違いがあったとなると、体裁が悪い、経歴に傷がつくと考えるのだろう。

株や債券の売買でも、「あれは無かったことにしてくれ」という客は結構いる。大口取引先だと、渋々応じることもある。

ブロックチェーン・テクノロジーがどのような形式で、どの程度の厳しさで、どの範囲の取引記録まで適応されるかは未定だが、導入されたら結構なカルチャー・ショックが起こると思う。


すべては交換レート

株価を直接予測しようとするのはダメだろうと感じる

株と現金の
交換レートを当てるというアプローチのほうが適切だと思う
 
ドルと円の交換レート
円とトヨタ株との交換レート
円とUKポンドとUK国債との連続交換レート

誰かの発言で為替が動いて株価が動くとは、それを繋ぐ交換レートが動く事


経済政策の変更で、為替、金利、株価はそれぞれの交換レートを変化させる、と考えたほうがすっきりする

2016年5月8日日曜日

春山ルール11 : そういう事だったのね、株価は織り込み済み

株価が何故が動いていく

何故上がるのか、何故下がるのか、理解できないまま時間が経過する
しばらくすると、ニュースが出て「あー、そういう事だったのね」と理解する

そういう時、自分がニュースを読んで株価の上下動の理由を理解してから売買するのは一考したほうが良い。
何故なら、株価は既にそのニュースを徐々に織り込みながら動いてきたのだから
 
徐々に織り込むとは、・・・・
1:その企業に熱心な人々は様々な公開情報を丹念に毎日収集している
2:その人々は、収集した情報に基づき「何か良いこと、何か悪いこと」が会社に起こりつつあることを察知する
3:察知する人々が徐々に増えるに従い、その株を買う(もしくは、売る)行為が増加する。
4:その結果、その株価は徐々に着実に上がる(もしくは、下がる)
・・・・というプロセスである。
そして、熱心では無い投資家も読むにようなメディアにニュースが掲載された時点では、ほぼ全員(投資家としては失格なほど鈍感な人を除いて)が知るところとなり、株価は数日間大きく動き、そのニュースは完全に織り込み済みとなる。

決してインサイダー情報で動いているのではない。
インサイダー情報の場合は、少数の人が人知れず売買するので、基本的には株価をあまり動かさない。

例外的な理由によって動くこともある。
売りの場合が多いのだが、特定の投資家が特定の理由のために持ち株を処分する必要に迫られることがある。

1:その投資家は決められた期日までに完全に売らねばならない。
2:持ち株は一日で売るには多すぎ、通常は1週間以上を要する
3:たいていは「*月*日までに、**株を値を崩さないように売ってくれ」と証券会社(もしくは、社内の売買専門のトレーダー)に委託する。


この場合でも、その株価は徐々に着実に下がることが多い。

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2016年5月7日土曜日

春山ルール10 : 何で儲けても百万円は百万円である

株で儲けようが、為替で儲けようが、儲けた金額が同じ100万円なら、投資スキルという土俵では同一価値だ。

商品、不動産、債券、リート、短期の日計り商い、長期の
Buy&hold、インデックス、ETF、先物オプション、定量評価、定性評価、新興国、日本、海外、、世の中には様々な投資が存在する。

あなたが好きで得意とする手法や分野で、
あなたの設定した目標をクリアーすれば、
投資は大成功なのだ。

メディアでは「バリュー投資こそが、投資の王道である」というフレーズが目立つし、それを称賛する投資家も多い。
(ファンド運用のようなビジネスで、金を集めるという意味では、バリュー投資ですと宣伝する作戦は有効だとは思うが・・・)

「バリュー投資こそが・・」みたいなのは、執着、わだかまり、閉じこもり、一点集中、こだわり、、、みたいなものなんだろうけど、、、投資に関しては、私は賛同しない。

自由で解き放たれた心を持っていれば
お金は向こうからやって来るのだと思う
だから、こだわりを捨て去るのだ


沈む船の中から、数少ない生き残りを見つけるよりも、順調に航海を続ける船の中で過ごしたほうが、安全で心やすらかな投資活動が継続できると思うのです。そして、船はたくさんあって、あなたの乗船を待っているのです。

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2016年5月5日木曜日

インフレと低金利_8 :  景気回復でも金利は上がらない

(1)複数の要因が重なって異常な低金利が出現
日欧の債券金利はマイナスが多くなった。

マイナス金利の債券に投資すれば、満期時に受け取るお金は減ってしまう。
それでも、債券市場から資金が逃げ出さない。
逃げ出さないどころか、現状は債券に投資する金額は増加の一途をたどっている。

2016年4月19日の状態、緑枠内がマイナス金利


(2)異常に思える低金利を長期化させている要因
異様に思える低金利だが、それが長期化しているのには「それ相応の理由」がある。
今回のレポートNo.1~7で述べたことを整理すれば、以下の3つの理由に集約される。


1:お金を欲する需要サイドの要因
新興国、資源エネルギー、重厚長大産業のバブルが崩壊して製造業を中心に過剰設備が顕著になり、新たな投資に付随する資金需要が激減した。

バブル期に膨らませた負債も現在の経済情勢では過剰だと判断する企業が増え、債務の返済を進めており、企業のネット(借入マイナス返済)の資金需要は低水準で推移している。



2:お金を提供する供給サイドの要因
バブル期の投資家はリスク・テイク意欲旺盛で、多少危なっかしい金融商品や割高と思える投資案件であっても意に介せず、リスクの高い金融商品に湯水のごとく資金をつぎ込んだ。

しかし一旦バブルが崩壊すると、投資していたポジションが大損をしてしまった。
その後は、羹に懲りて膾を吹く状態に急変してしまい、現在は極端にリスクを回避するようになった。
国債などのように
安全と思われる債券市場にしがみついている。しかも債券市場に滞留する残高はマイナス金利などを意にも介さず増え続けている。

3:中央銀行サイドの要因
アベノミクスのなかでも黒田日銀の低金利政策はパワフルだ。
異次元緩和、リスク資産購入(株式ETFJリート)、マイナス金利の導入と市場の金融緩和はもう限界だという限界論を跳ね返して、前代未聞の緩和政策(QEを進めている。


<< 結論 >>
上記の3ファクターが相互に関連しながら金利を大幅に引き下げてきた。
それゆえ、現在の異常に思える低金利は「異常ではなく、当然の帰結」である。


換言すれば、異常に思える低金利が上昇に転ずる時は、上記3つの要因に変化が生じた時だろうし、その時は金利が上昇に転ずるのは当然の摂理だと理解すべきだろう。

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インフレと低金利_7 : 景気サイクル要因


(1)グローバル調達はリスク・テイクと表裏一体

外国企業の製造拠点が新興国に進出するためには、新興国内電気、ガス、水道、空港、港湾、道路、教育(英語が話せる労働者、文字が読める労働者が必要)などの多岐にわたる分野への巨額投資(=いわゆるインフラ投資)が実施される必要がある。


しかし、新興国政府には、上記のような大規模インフラを整備するための資金が無い

その資金は先進国から「新興国投資」という形で、新興国へと流入する

新興国政府の発行する国債への投資、新興国の政府や企業への貸付、新興国企業へ株式投資、様々な形式で、先進国の余剰資金が高いリターンを求める「リスク・マネー」として新興国へ流れ込むのだ。

この資金の流れは、上図に示したように経済発展段階に付随する資金需給の構造的な変化(=先進国の資金余剰&新興国の資金不足)から見れば、正常な資金の流れである。

グローバル調達(=
製造拠点の新興国シフト)は、新興国へのリスク・マネーの流入があるから正常に機能する。


(2)リスク・テイクが後退するとグローバル調達もとん挫
リスク・マネーの大部分は民間の資金だ。
政府の資金は損得を度外視できるが、民間資金は損得に敏感だ。
何かの変調が見えれば、あっという間に逃げ出してしまう。

新興国・資源エネルギー・重厚長大産業といったバブルが崩壊した後に露呈したのは、「過剰な生産設備、過剰な借金」という問題だ。

バブル期に急増した生産設備をフル稼働させられるような需要は消えてしまった。
新興国には職に就けなくなった労働者返す当てのない借金が残された。



逃げ出したリスク・マネーは、先進国内の債券市場に流れ込んで、その中をぐるぐる回っている。
そもそも資金余剰体質の先進国では、ますます資金がだぶついて、金利低下が進む。

そんな低金利では儲けなど無いに等しいのだが、「損をするよりも、よっぽどマシだ」というリスク回避の態度を変えようとしない。

日本や欧州ではマイナス金利が導入されたのだが、それでもリスクにおびえる資金は債券市場に留まり続けている。

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インフレと低金利_6 : 構造要因(先進国と新興国)

(1)新興国はグローバリゼーションに組み込まれている
1990年代から加速したグローバリゼーションは、人・物・金の最適調達(=グローバル調達)、特に生産拠点の配置を大きく変えた。




各種資源をグローバルに調達する企業(上図企業B)としない企業(上図企業A)では、人・物・金の資源の最適調達力で差がつくことが明白だ。
国際競争にさらされる企業においては、グローバル調達の巧拙は販売する製品やサービスの競争力に直結する。
つまりグローバル調達は生き残りのために必須であり、今後も進展すると予想される。

工場の海外流出によって、先進国内では調達される資源量が以前よりも減少するので、インフレが起こりにくくなる。
工場の進出先(=新興国)で調達するようになった資源(特に、人・物)は、先進国では余剰傾向が強まり、価格は低下する。

一方、新興国内では以前よりも調達される人や物の量が増加するので、インフレが起こりやすくなる。

なお自動車産業に代表されるような雇用吸収力が大きく、将来的に輸出(=外貨の獲得)が期待できるような産業に関しては、新興国が税金などの各種の恩恵措置を講じて、工場の誘致を行う。
また、
輸出企業に対して「消費地生産=工場と技術の移転」を要求するので、日本の自動車産業の工場の海外移転は終わらないだろう。

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インフレと低金利_5 : インフレが無いに利上げするの?

(1)利上げを正当化する二つの理由
足元にはインフレがなくても中央銀行が利上げをする時に、それを正当化する根拠は二つある。
1:金利の正常化=異常事態の収束宣言的な位置づけ
2:数四半期後に景気が過熱してインフレが高進する=予防措置的な位置づけ


(2)正常化に対する疑問、New Normal
昨年来、正常化に対する疑念が呈されている。
下図を使って説明したい



1980年代以降今日まで、景気サイクルの山の高さと谷深さは、「より低く&より浅く」という傾向が続いている
経済のvolatilityの低下は現在も続いているので、これまでの景気サイクルでは正当であった「利上げタイミング、利上げペース、利上げの幅」は現在では「早期すぎる、急ぎすぎる、大きすぎる」という不適当な措置になって持続的な経済成長を阻害してしまう。

とりわけ二個のバブル(リーマンショック前のバブルと、中国4兆元経済対策バブル)が連続して崩壊した後の景気回復フェイズでは、金融機関の体力が弱まっているのに加え、導入された厳しい金融規制により金融機関が果たすべきリスク・テイク能力が制限されている。

このような環境下では非常に低レベルの経済成長しか起こらないので、利上げは制限的に実施されるべきであるし、現状では未だ不要である。
「世界は以前とは異なる「新秩序=“New Normal”」になっていると主張される。
ローレンス・サマーズ教授などが主張する「New Normal論」だ。


(3)景気過熱&インフレ懸念に対する反論
「利上げしなければ、数四半期後に景気が過熱してインフレが高進する」から予防的に今から利上げする、これは将来判断である。

この将来判断だが、景気回復が良好な米国ですら、昨年12月におけるFRBの判断と今年3月における判断を比較すれば「利上げが必要なほどには米国経済は強くない」という方向に判断が下方修正された。利上げの回数予想も「年4回の利上げ→2回」に下方修正されている。

米国や中国の動向に大きな影響を受ける日本経済に関しても、経済の見通しは下方修正され、その修正幅はより大きい


(4)中国は大きすぎてつぶせない(China is “Too Big to Fail”
資源エネルギー価格の暴落で苦境に陥った「ロシア、ブラジル、ベネズエラ、メキシコ」は通貨が大幅に下落するなど投資家を懸念させている。
中国経済も以前ほどの力強さは見られない。

中国をはじめとする新興国経済が立ち直るまでは利上げは極力回避すべきである。特に、世界第二位のGDPである中国経済の不振は巨大なブラック・ホールのように先進国経済をデフレの闇に引き込んでしまうリスクがある、中国は大きすぎてつぶせない(China is “Too Big to Fail”・・・そんな認識が広がりつつある

2月と4月のG20を通じて、世界経済に関するコンセンサス的な考え方は、次の2項目に集約される

1:2月の上海G20会合で上記の新興国経済への懸念が共有された。

つまり、新興国自身の自助努力だけでは無理なので、先進国が手助けすべきだ

2:新興国経済に対する悪影響を緩和するために、特に借り換え時の
資金調達を助けるために、ドル高と米国金利上昇を回避すべきだ

以上のような様々な状況を総合的に判断すれば、

2016年の利上げは非常に制限的に実施されると考えられる。
むしろ緩和が進められる可能性が高いだろう。

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インフレと低金利_4 : 「お金」の需要は?

(1)景気が回復しても、さらに金利が下がった
アベノミクスでそれなりに景気は回復した。
それにも関わらず、金利は史上最低水準を更新して低下を続けた。


(2)借金需要と債券投資需要
お金を借りたい人が増えれば金利が上がり、減れば下がる。
お金を借りたい、これは需要サイドの話だ。
お金を借りたい人が増えても、それ以上にお金を貸したい人(=供給サイド)が増えれば、金利は下がる。

借金の証文(=債券)が欲しい(=投資したい)人が増えれば債券価格は上がる(金利は下がる)し、減れば下がる(=金利が上がる)
債券に投資したい、これは供給サイドだ。
債券に投資したい人が増えても、それ以上に債券を発行したい(=
需要サイド)人が増えれば、金利を引き上げなければ債券を発行できない(=金利は上がる)。

(3)日本の金利に関係する需給動向
現在の日本の金利を取り巻く需要サイド供給サイドの状況はどうなっているのだろう。図で説明したい。


リーマン・ショック以前の金融不動産バブル景気、その後の中国の4兆元経済対策バブル景気、これら二つのバブル景気が崩壊した。

その後は、最悪期を脱して世界景気は米国を中心に改善を続けているが、その回復は弱々しい。
需要の回復増加分は海外工場の稼働率改善で十分に事足りるので、日本国内の設備を増強するほどではない状況だ。
バブル景気時に旺盛だった資金需要、なかでも重厚長大産業からの資金需要は下がり続けている。

一方、外国人観光客の増加や熟年世代の旅行ブームに伴うホテルなど旅行関連設備の増強、および2020年の東京オリンピックに向けての競技施設やインフラ整備は、国内の資金需要を増大させている。
しかし、最近の東芝やシャープに代表される家電産業のリストラの動きや、低迷を続ける中国向けの産業の慎重な態度から、製造業の資金需要は冴えない。
前者のポジティブな面は後者に相殺されて、全体としての資金需要は低調なままである。

なお、日本の長期的な経済構造は巨大な資金を必要とする製造業から、あまり資金を必要としないサービス業へと移行を続けており、その面でも資金需要は過去ほどの盛り上がりは期待できない。

以上は「借金の需要」に関するものだが、では「債券に対する需要」はどうだろう?
リーマン・ショック以前のバブル景気、その後の中国の4兆元経済対策バブル景気の両方が崩壊して以降、リスクを回避する動き(リスク・オフと呼ばれる)が顕著になり、株式よりも債券を選好する傾向が強まった。

株から債券へと資金がシフトした結果、世界中の金利が急速に低下した。
異常とも思えるほどの低金利になっても、リスク・オフ状況は続いており、債券へ投資する資金量は増え続けている。
世界中の投資資金の過半数は、そもそも株には投資しない、または投資できない資金であり、その巨大な資金は金利が大幅に下がっても債券市場の中をぐるぐると回り続けている。



そんな中、2016年1月29日に日銀がマイナス金利の導入を発表した。
銀行に対し、手持ち資金を融資など経済活動の活性化に資する事に使わずに、
余剰資金を日銀に預ける(=当座預金)なら、その一定割合の残高に対しマイナス金利を適応するという強権発動に出たのだ。

マイナス金利は欧州では2年ほど前から導入されているが、経済の活性化の金融政策として効果があったのか? または金融機関の体力を弱めただけに留まったのか?
その評価は分かれているが、
市場の評価は欧州銀行株の大幅な下落となっている。

日本の銀行に対するインパクトは、今後の日銀の態度次第だが、現状では「▼7%~▼15%」の利益減少というアナリストが多いようだ。
現状のマイナス金利は「-0.1%」だが、「-1.0%」程度までを予想する元日銀関係者もおり、仮にそうなれば、銀行収益に与える悪影響はさらに拡大する。

日銀のマイナス金利導入後、日本でも銀行株の株価は大幅に下落した。
欧州銀行の苦境が邦銀に再現するとの懸念によるものだった。


(4)企業の行動の変化が期待されている
安倍政権は企業の経営態度に大きな不満を持っている。
アベノミクスが採用した金融財政政策(金利低下、円安、財政支出)で、景気が好転し企業の利益は増大した。特に製造業は大幅な円安による利益の増大が顕著だった。

それにも関わらず企業の経営態度は委縮したままで、積極的な企業行動(国内で積極的に、人や設備を増やす)をせずに、利益を社内に貯め込んだまま何もしない
増配や自社株買い戻しなどの株主還元にも消極的で、安倍政権が進める社外取締役の採用などコーポレート・ガバナンスの強化にも後ろ向きの企業が多い。

企業の
ため込んだ利益の多くは、現預金と債権に投資されている。これも異常な低金利の一つの原因となっている。

一方、工場の新設や増強は、「人・物・金」への集合体投資である。
企業の合理的な投資判断は「どこに工場を作るのが、最小の投資で最大の利益が得られるか」という経済計算に依存する。

企業は慈善団体ではないのだから、日本に工場を作るという判断になるためには、工場を誘致する立場の国家として、世界の国々に伍して工場誘致環境を整備する必要がある。

そのためには、法人税の25%までの低下と、それを相殺する消費税の増加という世界の流れに追いつくこと、そして日本流に固執せずに世界標準に合わせる規制緩和は、必須であろう。

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2016年5月4日水曜日

インフレと低金利_3 : 「物」の需要は?

(1)リーマン・ショック後のインフレ状況
内外のインフレの状況を見ると、リーマン・ショック後の最悪期を通過した後、米国中国の二か国の消費者物価指数は大幅にリバウンドした。
しかし、その後は低下基調になった。


一方日本は、リーマン・ショック後も依然としてデフレが継続していたが、アベノミクスの始動とともに穏やかなインフレが発生した。
しかし2015年以降になると、費者物価指数は急速に低下した。


(2)中国の4兆元の経済対策で高騰した資源エネルギー
2010-2011年にインフレが発生した原因は、中国がリーマン・ショックによる世界経済の低迷の悪影響を懸念して、4兆元の経済対策という財政出動の大盤振る舞いをしたからだ。

財政出動は「財源の約70%を負担する地方政府」が主体であったが、いずこも鉄とセメントを大量に消費する「建設不動産などの箱もの投資」に傾注した。
その結果、中国は世界中から資源エネルギーを買い漁った。資源エネルギー価格は高騰した。




しかし・・経済対策が一巡した後に残ったものは、
1:稼働率が極端に低下した製鉄所、セメント工場、建設機械
2:建設途上で放置されたままの大規模マンション
3:さらには返済の目途が立たない地方政府や国営企業の巨額の借金
・・・であった。


(3)中国の爆買いが終わって、資源エネルギー価格は暴落
大盤振る舞い的な経済対策は「大規模な環境破壊」という副作用を引き起こした。
また江沢民政権時に始まった高い経済成長だが、それは巨額の汚職(金権政治体質)を蔓延させた。

経済成長の恩恵に浴さない大多数の中国国民は、(1)進行する貧富の格差と(2)水や空気が耐えられないほどに汚染された居住環境に怒りを覚えて、各地でデモを頻発させるようになった。

そのような民衆の不満を感じつつ2013年にスタートして習近平政権は、汚職撲滅、綱紀粛正、省エネ、環境改善を打ち出したが、その政策は短期的には経済成長を抑える要因となっている。

習近平の綱紀粛正政策は長期間にわたり継続されるという理解が世界的なコンセンサスとなるにつれて、「今後長期間にわたって資源エネルギー消費はバブル時代のレベルには戻らない」と判断されるようになった。

原油価格(下図)をはじめとして資源エネルギー価格(上図)は、大幅な暴落を演じた。


(4)資材価格は世界が決める
主に国内で取引される資材価格に関しては、国内の経済状態の需給できまる。
しかし、
多くの資材は国際的な商品であり、国際経済の帰趨で価格が上下する。

アベノミクスの始動により、悲惨な「円高&デフレ・スパイラルの悪循環」から脱することができた。
しかし、2015年5月の浜田内閣参与と黒田日銀総裁の「過度な円安を牽制する」発言が出たことを契機に、7-9月期から円高トレンドに転換してしまった。

加えるに、原油をはじめとする資源エネルギー価格の下落が加速した。
「円高+資源エネルギー価格下落+中国経済の不振」により、関連の国内物価(ガソリン、電気、ガス、素材製品など)が下落に転じ、政府と日銀が目指す2%インフレの達成は頓挫した。

これは日銀の金融政策やアベノミクスが失敗したわけでは無い。
外部経済環境が大きな逆風に転じたことが原因であり、日本一カ国ではコントロールできない

現在の日本経済は、アベノミクスにより好転している。
そして、外人観光客の大幅増加と2020年のオリンピックに向けて大規模な建設活動が計画されている。

しかし、そういう国内経済活性化要因、中国をはじめとする国際経済のモメンタム低下と円高という国際経済沈静化要因を打ち消すには足らないのが足元の日本の現状だ。